第27話 進路相談という名の口実 璃奈視点
そうして終業式が終わり、夏休みが始まった。
私は姉さんの練習に付き合う
この夏休みは毎年姉さんと練習に参加しているのだ。
部活も合宿よりこっちの方が私の為になっていると言ってこっちの方を優先してもらっている。
(姉さん、どんどん強くなってる)
以前は拮抗していたのに、今では離れているように感じる。
私も姉さんに追いつきたくて努力しているのに、彼女の成長度は私のいつも上を行く。
悔しいけど、姉さんは私と違って天才だ。
とはいえ、私だって努力してるのだ。
そうそう突き放されてなるもんか。
そう思いながら必死についていく。
そうして兄さんの合図で休憩に入る。
「疲れたぁ~!!」
「だねぇ!!」
本当に疲れた。
姉さんとの練習はいつもの練習より濃いものだ。
普通の練習ももちろん疲れるのだが、姉さんとのラリーはそれを上回るほど体力を使う。
兄さんの言う異世界バトルファンタジーに例えるなら、圧倒的な猛攻を凌ぐようなものだ。
暴風、それが私にとっての姉さんの評価だ。
「はい、これ水分」
私達が座ると、兄さんは私達に飲み物を渡してくれる。
「ありがとうございますぅ!」
それほど冷たくない。
兄さん曰く、急に冷やすのはよくないとの事だ。
私も兄さんには賛成だ。
冷たい飲み物はなんというか、飲んだ後身体が気持ち悪くなるのだ。
「この後のメニューだけど、ストレッチと柔軟にしようと思うんだけどいいかな?」
「わかりました」
兄さんは私達の事を考えていつもメニューを考えてくれている。
彼にはいつも感謝しかない。
姉さんだけでなく私のメニューまで考慮して考えてくれているのだ。
私と姉さんの二人はコートの周りを軽くランニングをし済ませ、兄さんが準備してくれたマットでストレッチを済ませ私達は練習を終えて帰路に着く。
(高校生になったらこんな日が続くんだろうなぁ~)
入学すれば、姉さんや兄さんと同じ制服を着てこうして帰れるのだ。
ワクワクする。
そんなことを考えながら私達は家に着くと、兄さんにお礼を言う。
「今日もありがとうございました」
私がそう言うと、兄さんはにこりと笑った。
その笑顔が、なんていうか愛おしい。
私は多分、兄さんの事、好きなんだと思う。
面倒見がいいし、何よりずっと姉さんや私を支えてくれた恩人だ。
好きにならない方がおかしい。
そうして私達は家の中に入り、食事を済ませ部屋でゆっくりしていると進路相談の事を思い出す。
「姉さん、少しいい?」
「ん? どうしたの?」
ベッドで漫画を読んでいる姉に相談することにした。




