24話 迷う幼馴染み妹 璃奈視点
話は終業式の日
「伝えるべきことは以上でよろしかったでしょうか?」
私は卒業式で必要のある言葉を文章にまとめ、担任に間違いがないか確認していた。
「うん、これでいいわ。 流石ね」
「あはは、ありがとうございます。 では私はこれで」
「あぁ、少しいいかしら?」
「はい、何でしょう?」
「ちょっとここじゃなんだし、指導室で話をしましょうか」
そう言って担任の鈴谷先生と共に隣にある個別室という所に向かう。
「あの、私何も悪い事はしてないのですが……」
兄さんを揶揄ったり、姉さんに悪戯したり以外何も悪いことはしていないはずで、心当たりがなかった。
「あぁ、そっちじゃないから安心して」
(そっちじゃない?)
そう言って二人で個別室に入る。
ここに入る子は大抵不良と呼ばれる生徒なので璃奈は自分が呼ばれることはないと思っていた。
「これなんだけど」
鈴谷先生が座ると、私が提出した進路調査票を取り出す。
私は進路の件だと安堵した。
自分が知らず知らずに悪い事をしていたのではないかと思っていたからだ。
「何か不備でもありましたか?」
「いえ、そうではないのだけど……」
言いにくそうな感じで鈴谷先生は答える。
「その、志望校なんだけど」
「はい」
「変えてみる気はないかなぁ~って……」
あははっと苦笑いを浮かべ、こっちの顔を伺うように言った。
(何か言われたかな)
以前、鈴谷先生は「これでいいなら、私からはもう何も言わないわ」と言っていた。
基本的に鈴谷先生は余程の事でない限り生徒の意見を尊重する。
間違った道でなければ基本的に彼女は生徒の意見を第一に考える。
今回に関しては何も道を間違っていないはずだ。
「「進路を変更するように説得しろ」って言われたんですか?」
この事に関しては何度か他の先生にも言われた。
「お前はもっと上に行けるのに」
「絶対に後悔するから進学校に行けって」
「もったいないよな、それだけの実力があるのに」等、いくつも落胆の言葉を教師から浴びせられた。
だけど、私は変えない。
兄さんや姉さんと一緒の高校に行きたいから、ただそれだけの理由だったとしても私にとってはかけがえの無いものだから。
大切な二人の傍に居たい。
それだけなのだ。
「私、言ったはずです。 帰る気はないと、それは先生も知ってますよね?」
「まぁ、そうなんだけどさ」
「だけど、何ですか?」
「椎名はどうしてその高校に行きたいの?」
「私の姉がその高校に通ってるんです」
「お姉さん……瑠奈さんだっけ? あぁ、そう言えば古田先生がそんな話してたわね」
そう言うと納得したような鈴谷先生に言った。




