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五話・進路確認

適性検査のあった夏休みが終わり、学生は学生らしく学業という自らの本分に従事する為に学校へと向かう。


私も義務教育の真っ只中なので学校へと向かう。

学校は嫌いではない。勉強は一度社会に出た経験を活用したのならばそこまで苦ではなくなる。


その上将来に対するモラトリアム無責任期間が再設定されるので、いわば金の無い有給と捉えれば非常に手放しがたい魅力を放つことだろう。


二学期通学初日、いつも使う駅で電車を待っていると、いつか見た姿、高校生らしき青年が重装備で私と同じく、電車を待っているのだった。


青年は恐らく、私の通う中学校からさらに四つほど駅を過ぎた地区に有る高校の探索実務学科、所謂ダンジョン学科の学生なのかもしれない。


もしくはもう少し先に、また進学校でダンジョン学科のある学校があった筈だ。


それらは通学校であるから、このようにファンタジー装備をした学生の通学風景等と云う日常らしからぬ日常が見られるということか。


成人しなければ探索士になれないのになぜ装備が必要なのか。


それはダンジョン学科がダンジョン学科と言われる由縁であり、昨今の技術力が半世紀という時間を経て、人類に新たな可能性をもたらした結果だともいえる。まぁ、語るときが来れば語ろう。




さて、ダンジョン学科の話が出たので、私の知る限り探索士になるための道筋を整理しよう。



かの暴虐なる姉が進んだ探索士高専と言われる専門学校。

就学年数は四年、卒業後には指定企業や認定資格保持者の監督のもと、実務に従事できる。

これは探索士になるための道筋としては最も難しく、そして誰もが憧れるルートと言える。


次に、かの青年のように、一部の高校で創設されたダンジョン学科から二年制のダンジョン系専門学校を経て探索士になるルート。そこそこ優秀、と言うか、頑張った人間が現実的に手の届く、最優ルートと言っても良いのかもしれない。


あとはダンジョン学科以外の高等学科を卒業後、四年制のダンジョン系専門学校にて学び、探索士になるルート。


そして、年齢に関わらず三年のダンジョン実務経験を経て、保護監督者の管理のもと二種探索士としての経験を積むルートだ。二種として三年経験を積めば、晴れて正規探索士になれる。




さて、最初と最後が疑問が残ろう。

調べる前は、私もそうだった。



姉の行ったダンジョン高専は卒業時19才で未成年だ。本来なら探索士にはなれない。


しかしそこは流石ダンジョン高専。卒業すれば、『二種免状甲種』と呼ばれる資格を得ることが出来、『二級探索士』の監督があれば探索士として実務をこなしても良いとされているのだ。


二種免状の種別や、探索士資格の等級などは今後機会があれば説明しよう。


改めて整理すれば、良くもまぁここまで優遇されるものだと思うが、専用の法律や条例を作る価値を見込めるほど、高専に進んだ人間は優秀だと言うことだ。故にそれを優遇することは当然の扱いと云える。


…我が姉も、性格はともかく、学業と身体能力は飛び抜けて優秀であった。

品性と能力は比例しない良い例である。




では四つ目の実務から探索士ルート。

条件だけ見れば一番探索士になれそうなルートであるが…


実はコレ、最も離職率、そして殉職率の高いルートであるのだ。


一般的なルートは、高校卒業後に四年制のダンジョン系専門学校に行くルートだ。

この四年制のダンジョン系専門学校は、年齢制限も無く、さらに学校によっては月額二万五千円を貰いながら学べるという、一種の職業訓練校の役割を持っているのだ。


国がどれだけ領域探索に対してリソースを割いているのかが分かる事例である。


それに対し、探索士でもないのにダンジョン実務に従事する人間は、所謂ドロップアウト組、もしくは社会的に責任ある職責を任せることが出来ない立場の人間であることが多い。要は反社だ。


ヤクザ、もしくは海外系マフィアに在籍している、または在籍している可能性のあると判断された人間は国の正規の探索士資格を得られるルートを利用出来ない。


まぁ、リスクヘッジの観点から見れば当たり前の話ではあるが。


ではドロップアウト組とは、となるが…

前に述べたように、才能が探索士に向かなくても努力をすればなることは出来る。大成するかは分からんが、なること自体はそこまで難しくない。


だが…

世の中には、その『そこまで難しくない』事が出来ない人間も、一定数存在する。

そう言った人間への窓口と言うか、…まぁ、私の考えとしては、一種の姥捨山、社会的見せしめの意味合いも含まれていると思う。


今世の日本は、努力しない者に優しくない。

情勢として安定しているとは言え、それでも潜在的に人類滅亡の危機に接している政府としては、人類の足枷となるようなグループはできる限り()()していきたい筈である。


前世であればどこぞの人権主義者どもがぞろ『不当搾取だ!』だの『人権侵害だ!』だのと騒ぎ立てるのであろうが…

今の社会でそれをやれば、まさしく人類への反逆であり、人の未来に唾を吐く行為と云える。



まぁ、人の社会は発展すれば発展するほど、自ら人権や倫理と行った枷で自分を縛る被虐趣味の塊みたいなものなので、そのうちまた涌いてくるだろう。




話が逸れたが、まぁ、探索士でもないのに危険な領域、ダンジョンに入れば、それはもう命の保証等されるわけがない。目隠しで車の運転をする方がまだ安全と言える。


保護監督者の役割は、代替可能な()()()で、国にとって有益な人材の安全を担保することだと言われている。


まぁ、調べたのがネットの肥溜めの中なので、一部の()()()の意見も混じってはいるのだろうが…


私も、それに近い方針をしているのではないかと思う。


兎も角、探索士と言う夢のある職業には、色んなルートでなることが出来るが、努力の度合いで安全性に天と地程の解離がある事が分かる。


逆説的には、努力の重要さを理解している人間にとっては、実に分かりやすくやり易い職種と言うことだ。





だからと言って、私が探索士に成る訳ではないが。









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