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待ち伏せ

 新右衛門と鬼道丸は山中で銀髪の鬼を待ち伏せた。


「来たぞ、配下の者が20人くらいいるがどうする?」

「俺が配下の者を引き受けよう、新右衛門、お前はあの銀髪をやれ!」


 鬼道丸はそう言うと、銀髪の鬼とその配下の鬼たちに向かって斬りかかって行き、次々と配下の鬼たちを斬り倒していく。


「くそ! 待ち伏せされていたか!」


 銀髪の鬼は鬼道丸の襲撃に慌ててその場を離れようとするが、目の前に新右衛門が立ちはだかった。


「お銀、お前はここから逃がさない!」

「また、お前か。まだ、あの赤髪に喰われていなかったか!」


 銀髪の鬼は以前に新右衛門に右腕を切られていたので、左手をかざし、かまいたちのような風を放ってくる。


 新右衛門は声を発し、気合をぶつけて風を跳ね返すが、周りの木々は斬り倒されていた。


「大した威力だ。このまま放置はできぬか」


 新右衛門はスーッと息を吸い、銀髪の鬼との間を詰めたかと思うと静かに刀を振り下ろし、銀髪の鬼の首筋から袈裟斬りにした。


 新右衛門は銀髪の鬼の遺体に手を合わせると、騎士団へ鬼討伐の証にするため、首を切り落とし、風呂敷に包んだ。


 一方の鬼道丸も銀髪の鬼の配下の鬼を殲滅し、取り逃がしがいないか周囲を見渡していた。


「新右衛門、終わったか?」

「ああ、コイツの首は騎士団に届ける」


 二人が無事に銀髪の鬼たちの襲撃を防ぎ、安心していると、村の方から光が見え、雷撃のような音が響き渡った。


「おい、この音はなんだ?」


 新右衛門は何が起きているのかわからなかったが、鬼道丸と直ぐに村へと引き返していった。


 村では銀髪の鬼の襲撃を予測し、新右衛門と鬼道丸が迎撃に向かったスキを狙って、金髪の鬼がスミレを狙って襲撃していた。


「紫だけかと思ったら、赤いのもいるじゃない! 邪魔だから二人とも消してあげるわ!」


 金髪の鬼はたった一人で村に乗り込み、椿とスミレに襲い掛かった。


「スミレちゃん大丈夫。私が何とかするわ!」


 椿は金髪の鬼と素手での勝負に打って出るが、妖力を使わない戦いでも、金髪の鬼の攻撃は凄まじく、次第に椿は追い込まれていった。


「妖力も使わないで私に勝てると思った?」


 金髪の鬼はボロボロになった椿を見て微笑み、急にスミレの方を向いて襲い掛かった。


「姉様、助けて!」


 スミレが椿に助けを求めたその瞬間、椿は全身から妖気を放ち、金髪の鬼に向かって火炎を放つ。


 金髪の鬼は椿の放った火炎に直撃してしまい、深手を負いながらも森の奥へと逃げて行った。


「スミレちゃん無事でよかったわ……」


 椿はスミレが無事であることを確認すると、そのまま倒れた……。


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