息子を自由自在に取り外して保育所に預ける未来
僕の名前は棒田玉三郎。お父さんの自慢の息子さ。お父さんはお仕事が忙しいからお父さんから取り外された僕は保育所に預けられる。
少し寂しいけど仕方がないよ。僕にはお母さんはいないんだから……。でも寂しくないよ。みゆき先生がいるから!
「玉三郎君は今日も元気ね」
「うんっ!」
みゆき先生は優しくて美人だなぁ。こんな人がお母さんだったらな。
「ちょっ!玉三郎君!何言ってるのよ!」
いっけない!口に出して言ってたみたい!あれ?先生顔が赤いよ?もしかしてみゆき先生もお父さんの事好きなのかな?
「ねぇ。みゆき先生「も」ってどういう事?」
あちゃー!また声に出てたか!
「お父さん。いつも家では先生の話をしてるんだ!きっとみゆき先生の事が好きなんだよ!」
「そ……そうなんだ」
ごめんねお父さん。言っちゃった。でも本当の事だからいいよね!この日からお父さんと先生の『空気』が何か変わった気がする。すっごくいい感じなんだ!先生はお家に来てお料理を作ってくれるようになった。まるで本当のお母さんみたいだ!休日には三人でお出かけ。最高に楽しい日々だったけど……僕はある日家出する事にしたんだ。
だって僕はお邪魔虫だもん。僕がいたらお父さんとみゆき先生はいつまでたっても結婚出来ないもん。
赤ちゃんがどうやったら出来るか分からないけど僕がいたらきっと二人は子供が出来ない。僕はお父さんもみゆき先生も大好だ!だから僕は……この世にいないほうがい……
「バカ野郎!二度とそんな事言うな!」
バシンッ!公園にいた僕はお父さんとみゆき先生に見つかり、僕は初めてお父さんに殴られた。こんな苦しそうなお父さんは初めてだ。
「お前を殴ったお父さんだって痛いんだぞ!」
お父さんもみゆき先生も泣いている。僕はきっととんでもない事をしてしまったんだと怖くなって僕も泣いてしまった。
「ごめんなさい~」
「お前は俺の息子だ!ずっと一緒だ!」
「そうよ!」
「お父さん……みゆき先生……」
「お母さんでいいのよ?」
「おかあさーーーん!」
僕たち三人は家族になったんだ!嬉しくてしょうがないよ!お父さんお母さん。ありがとう!
…
…
…
それから時は流れ。僕は高校生になっていた。
「お兄ちゃーん!」
小学生の妹はもう僕よりもずいぶん大きい。僕が最大15センチなのに対して130センチ以上大きい。
「手を繋いで行こうよ!」
「しょうがないなぁ」
甘えん坊なのは変わらないな。妹は僕を握った。
お父さんとお母さんに見送られて僕たちは学校へ向かう。お父さんは何故か前屈みになっていた。
HAPPY END