空想ニュース~大自然出身者保護法~動物族たちの希望
ここはある国際的な議会の場。
「賛成多数で、動物族は人間族と同等の権利と地位を保障することとする」
この日、大自然出身者保護法は成立した。
それまでは、動物族は下等な存在で、人間族の好きなように支配されてきたのである。
人間でいうならば、人種差別、迫害にあたる。
さて、この法律で今後どうなっていくか楽しみである。
テレビでは、大自然出身者保護法という言葉を大体的に取り上げていた。
私は人間であって、地位や権利を気にしたことはなかった。
私が住んでいる島では、動物族と人間族は同等に扱われており、差別はなかった。
テレビを見ていた大熊は、しきりに万歳三唱をしていた。
その後、私に懸念することを言った。
「この国際的な法律が成立したことは嬉しいことだが、動物族が人間族と同様の歴史を切り返すのではないかという不安材料はある」
私は疑問に思い尋ねた。
「人間族は第二次世界大戦、人種差別など歴史を繰り返してきたのですから、彼らに教えてやれば問題は解決するのでは?」
大熊は、そうではないという素振りを見せた。
「彼らは、以前から人間の歴史を学んでいる。しかし、実際に体験しないと分からないことがあり、それが歴史だ」
テレビは、次のニュースが流れた。
「我々は、廃れた動物王国を立て直して、経済や産業の面で人間王国に勝つ!」
そう主張するのは、動物族代表のザ・バードである。
「その中でも、我々、鳥類はどの動物族よりも優れている!」
ザ・バード率いる鳥類の軍団は、歓声をあげる。
「動物王国が廃れる原因をつくった人間族や動物族の下等な分類は、徹底的に隔離排除する!」
そのニュースをみた大熊は私に言った。
「まるで、ヒットラーの演説だ。歴史は繰り返してしまうかもな・・・・・・・・・」
それでは、この後、どうなったか読者の皆さんに簡単に説明しましょう。
ザ・バード率いる鳥類の軍団は、暴力で動物族や人間族を支配していった。
人間族も対抗したが、動物族の奇抜な戦法には勝てず敗退。
多くの人間族は奴隷または、動物族に支配されていった。
しかし、人間族や動物族の裏の組織によって、支配構造が変わった。
そして、人間族と動物族が共存できることを目指していったのである・・・・・・・・・。
終わり