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epilogue:親愛なる人へ
「父さん。次の残党退治には俺も行くよ」
戦争が終わって二週間が経っても、まだ戦いは終わっていない。とはいってもクォンタの領内で抵抗を続ける非正規兵たちの掃討だから、じきに終わるだろう。
あれから俺はデイトナという、うちの騎士団長に剣の稽古をつけてもらっている。剣を振る動作の一つ一つが、自身を強くする鍛錬の一つ一つが、大義に繋がるのだと考えるだけで心の底から喜びが満ちてくる。
やっと自分を見つけることができた気がする。もしくは、今まで自分は蛹だっただけなのかもしれない。
最近楽しいんだ。キツイ訓練も、怒られるのも、不味い干し肉を皆と食うのも。
君は騎士の道を真っ当して戦って死んだ。誇りに思うよ。でも、こんな引き裂かれるような胸の痛みはもう御免だ。
人のために命を捧げるのではなく、俺たちは国のために命を捧げるんだ。そして、国は人がいて初めて存続するんだ。
命を摩耗しない騎士の国。そんな夢物語を俺は実現させてみようと思う。君が気づかせてくれた夢だ。きっと茨の道だが、もう逃げない。
どうか、見守っていて下さい。




