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この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
高校編
99/163

No98

大学受験も終わりようやく勉強漬けの日々から解放されてゆったりとした日々を過ごしてました。そして今日は高校の卒業式があります。あっ、受験の合否については無事合格しました。なので四月から晴れて大学生となります。報告はこんな所ですね。他には……ダラダラとゲームしたり小説を読んだり、バイトしたり彼女達とデートしたりといつもの日常だったから特に書くことは無い。以上。


さすがにこれで終わるわけにはいかないので卒業式について書いていこうと思う。と言っても二回も経験している為同じ事の繰り返しなので内容は割愛してクラスに戻ってきて最後のHRの場面から始めるとしようか。

「皆さんお疲れ様でした。連絡としては各自私物を全て持って帰って下さい。忘れられると処分に困るのでよろしくお願いします。あとは学校に居られるのは十五時までとなっていますのでそれまでに帰るようにして下さい。卒業記念パーティーは十七時にホテルで開催されるので参加する方は遅れないように」

先生からの最後のお話を聞いていると、あぁこれで俺の高校生活もこれで終わりかと寂寥感が募る。本当に色々あった三年間だったが、これだけは言える。楽しかったと!この世界に来てまだ三年しか経っていないという事実に驚くが、それほど濃い内容だったし充実した時間だった。

椅子に座りながら物思いに耽っていると、いつの間にかクラスメイトが周りに集まっていたんだが。

「悠君、三年間一緒に過ごせて楽しかったよ」

「ぐすっ、もう悠君に会えないなんて辛すぎる……。ぐすっ」

「同じ大学に通うしこれからもよろしくね」

「あの、制服の第二ボタン下さい!」

等々口々にみんなが言ってくる。それも目に涙を溜めながら。

「泣かないで。俺も皆と過ごした三年間は宝物だよ。それに卒業したら会えなくなる訳じゃないし、これからも一緒に遊んだりしようぜ」

「うん」

「それと第二ボタンはごめん。あげられない」

「結衣か楓に渡すから?」

「ボタンは一個しかないからどっちかに渡すと不公平でしょ?だから誰にもあげない事にしたんだ」

「そっか。それもそうだね」

「皆は卒業記念パーティーには参加するの?」

「うん」

「参加するよ~」

「私はどうしても外せない用事があって参加出来ないんだ」

「もー、どうして去年の内に予定入れちゃったんだろ私。もうバカすぎだよ~」

「九割以上は参加するはずだよ。この子達みたいにやむを得ない場合を除いてね」

「そっかそっか。……残念だけど仕方ないね。でも可哀想だし俺に出来る事なにかないかな?」

「あるよ!あのね……ハグして欲しいな」

「ハグか」

そうきたか。これは俺の一存で決めれる事じゃないな。結衣と楓に確認しないと。

「結衣、楓。いいかな?」

「いいよ。でも後で私にもギュッてしてね」

「いいけど、私にもハグしながら頭ナデナデして欲しいな」

「了解」

結衣がハグのみ、楓がハグ&頭ナデナデか。内心どう思っているかは分からないけど、問答無用でイヤ!って言われなくて良かった。マジで良くできた彼女だよ。感謝感謝です。

「というわけでOKだよ」

「やったー!じゃ、い、いくよ?」

「どうぞ」

腕を広げて待ち構えているとおずおずとしながら胸に飛び込んできた。そのまま背中に手を回しギュッと抱きしめるといい香りと柔らかいおっぱいの感触が。この子着痩せするタイプだったんだ。見た目よりおっぱいのボリュームがある。グフフフッ、ウヘヘヘッ。

「すんすんっ。いいにおい。へー、男の子の体って結構ゴツゴツしてるんだね」

「あの、あんまり嗅がれると恥ずかしいし、なんか手つきがイヤラシイんですが」

「まあまあ。細かいことは気にせずに」

くっそ、上目遣いで言われたら反論できない。しかもぐりぐり体を押し付けてくるしこのままでは理性が蒸発してしまう。だ、誰か助けて~。

「「はい、そこまで」」

「結衣、楓。もう少し堪能させてよー」

「これ以上は駄目」

「流石に限度を超えているよ」

「うっ。名残惜しいけど鬼嫁に言われちゃしょうがないか。ありがとね悠君」

「どういたしまして」

鬼嫁って。結衣と楓が凄い形相で睨んでいるのに平然としているこの子のメンタルはアダマンタイトなのかな?恐ろしや。そんな一騒動もありつつ、他クラスからも仲が良い子達が来てワイワイと雑談をしたり、お菓子を食べたりしながら時間が過ぎていく。

気付けば十四時半ともうすぐ学校から出なければいけない時間になっていたので皆と別れて職員室へGO。結衣と楓には入り口で待っているよう伝えて扉をノックした後中へ。

「あの、谷口先生はいらっしゃいますか?」

「あら、甲野君。少し待っていてね」

近くにいた先生に声を掛け担任を呼んでもらって少し待つとこちらに来る小さく可愛らしい人が見えた。

「甲野君どうしたの?なにかあった?」

「最後の挨拶に来ました。先生、三年間お世話になりました。先生のお蔭で楽しい学校生活を送る事が出来ました。ありがとうございました」

「そう。よかったわ。私も色々と至らない所もあったし、迷惑も掛けたと思うけどそう言って貰えて嬉しいわ。大学生活も大変だと思うけど頑張ってね」

「はい。……でもこれで最後かと思うと寂しいです」

「そうねぇ。学校で会う事はもうないけどこれからも甲野君のバイト先にお邪魔するし、一緒に遊びに行く機会もあるだろうから大丈夫よ」

「あはは。そうですね。長々と引き留めるのもあれなのでこれで失礼しますね」

「はい。気を付けて帰るのよ」

「ありがとうございます」

礼をして職員室を出ると彼女達とそのまま昇降口へ。外履きに履き替え無言のまま校門まで来ると足が止まってしまう。一歩外に出ればもうここの学生ではなくなる。その思いが重しとなったのだろう。

「ハル君、あなたと過ごした三年間は本当に楽しかったよ。でもここで足を止めたら先へは進めない。一歩を踏み出そう」

「ハル君の気持ちは分かるよ。ずっとこのままでいたいってね。でも先へ進まないといけないの。勇気がでないなら私と結衣の手を握って共に進もう」

「結衣、楓」

そうだよな。楽しかった思い出を胸に未来への一歩を踏み出そう。

ありがとうの言の葉と共に。



現在時刻は十六時四十分。某ホテルの大宴会場の前にいます。受付前には私立蒼律学園卒業記念パーティー会場と書かれた看板が置かれている。そして続々と中に入っていく人々。学生は制服だが、大人はスーツだったりカジュアルドレスだったりと様々だ。そして俺はというと通路でぼぉーと突っ立っています。別に一人で中に入るのが怖いとかじゃなくて、女子待ちなんです。なんでも最終チェックとやらで揃ってトイレに行っちゃってさ~、こうして待っているんよ。マジ暇なんだけど……、お腹も減ったし。

「ごめん。お待たせー」

「おう、来たか。準備は完了ってことでOK?」

「うん。中に入ろう」

ゾロゾロと連れ立って会場に入ると美味しそうな料理に、飲み物。そして沢山の人。まあ、三百人近い人がこの会場にいるんだから当たり前か。ざっと顔ぶれを確認すると見知った人は学生を除いて五割くらいか。あとは知らない人。今まで面識が無かっただけで沢山の人が関わっていたんだなぁと改めて思う。この場にいるのは役職や立場が上の人だから末端まで含めると考えられない位の人が俺に関わっているんだろうな。う~、なんか緊張してきた。変な事やらかさなければいいけど。

そうこうしている内に司会の人が登場し挨拶や祝辞等の定番の流れのあとパーティー開始となった。

んだけど……、ゆっくり楽しむ事なんて出来るはずが無く。関係者に挨拶したり、近況報告をしたりで行きつく暇もない。かと言ってこう言った事を蔑ろにすると後々面倒な事になるのでしっかりやらねばいかんし、痛し痒しだよね。でも、健康診断でお世話になっている女医さんやストーカー事件でお馴染みの刑事さん、真司の母親の真理さんなんかと久し振りに話せたのはよかったな。とまあそんなこんなでやる事をやった後は自由時間だぜー!お久し振りとなる金城さんと話したり、美味しいご飯に舌鼓を打ったり、会話に花を咲かせたりと大いに楽しみました。

楽しい時間程過ぎるのが早いもので気付けばお開きの時間となり卒業記念パーティーは終了。

「今日は楽しかったよー。今度遊びに行こうね」

「同じ大学だし見かけたら声かけるね」

「バイト先に遊びに行くね~」

等々言葉を交わしつつお別れして今は葵と家路へと向かっている。春先とはいえ夜は冷え込んでおり、思わずブルッと身を震わせてしまう。

「兄さん、大丈夫ですか?」

「んっ、大丈夫だよ」

「……これから一年間兄さんと離れ離れになるんですね」

「だな」

「寂しいです。兄さんがいるから頑張れたのに」

「来年には俺と同じ大学に入るんだろ?ならもう少しだけ頑張ってみないか?」

「そうですけど、一年は長いです」

「う~ん、じゃあ時間がある時に学校に迎えに行ったりするからさ。それで我慢できない?」

「本当ですか?」

「うん」

「じゃあ、もう少しだけ頑張ってみます。ありがとうございます、兄さん」

笑顔を浮かべながらそっと手を握って言ってきた最愛の妹。相変わらず可愛いぜ。


満月が輝く藍色の空を見ながら改めて思う。大学生活はどんな楽しいことがあるのだろうか?新たな出会いや別れ、そして身の回りが大きく動きそうな予感を胸に未来へ向けて足を進めようか。



another view point


これで高校編は終了か。長かったような短かったような。三年間という月日を書いたものだったが、中々に濃い内容だったと思う。輝きに満ち溢れた青春時代は終わり、大人の階段を登る大学編ではどう物語が動くのだろうか?残された謎は多く、未だ報われない恋心を抱いている子もいる。果たしてどうなる事やら。チラッと机に目を向けると総量の二分の一が既読箱に収められていた。お話としては丁度折り返し地点と言った所か。ふふっ、十分に暇つぶしになる量があってホッとしたと同時にもうここまで読んでしまったのかという寂寥感もある。さてと、この哀れで悲しく、だが幸せな物語の続きを読むとしようか。


another view pointEND

これにて高校編は終了となります。次回から大学編がスタートです。

大学編では海外に行ったり、新たな出会いがあったり、恋路も動くかも?と言った内容で進めようと考えています。宜しければ引き続きお読み下さると幸いです。

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