No95
最悪の事態を回避する為に柚子に話題を振ると、すぐにのってくれた。
「そうね。楽しいけど大変だよ。勉強は専門的で難しい内容だし、コマから受ける授業を自分で決めなきゃいけないからそう言った面でも高校と違って苦労するね」
「あ~、確かに必要な単位さえ取れればOKだから、後で頑張ればいいかって最初に楽しちゃうとマジで苦労するからねー。学校で決められた時間割通りに授業を受ければいい高校とは全然違うよな」
「悠君やけに詳しいね。まるで大学に通った事があるみたい」
「えっと……、あれだよ。ネットの受け売りだよ。そんな事が書いてあったんだ」
「そうなんだ。でも、さっき言った事は些細な問題でさ。これは結衣ちゃん、楓ちゃんにも関係あるんだけど、彼氏がいると分かったら大変な事になるよ」
「そうなの?」
「んっとね、まず嫉妬ややっかみが凄いの。陰で嫌味を言われたり、なかには悪い噂を立てて別れさせようとしたりする子もいるんだよ。あとは彼氏を紹介してとか、会わせてとかも多いかな」
「うわ~、陰湿だな。いい歳にもなってなんでそんな事するのかな」
「タイムリミットも迫っているし仕方ない面もあるんだけどね」
「タイムリミット?そんなのあるの?」
「うん。男性と付き合う為にはある程度方法が限られているの。一:男性が通学する学校に入学する 二:お見合い 三:兄弟がいる子からの紹介 四:コネを最大限使う って感じかな。一番現実的かつ付き合える確率が高いのは一なんだけど、これは学生時代しか出来ない方法でしょ。だから大学生は最後のチャンスを掴もうと躍起になるの」
「なるへそね。二~四はどうなの?どれも結構望みがある方法だと思うけど」
「二は名家・良家のご令嬢がメインかな。家の繋がりでどうですか?みたいなね。三はほぼ無理筋。これに関しては葵ちゃんに聞いた方がいいかもね」
「葵、どうなの?」
「もし、友人に兄さんを紹介してって言われたら断ります。どんなに仲が良い人でも断ります。そもそもなぜ私が兄さんを紹介しなきゃいけないんでしょうか。大事な兄をそこらの女に渡す訳ないじゃないですか。兄さんには私が居ますし、他の女の出る幕はありません」
「わ、分かった。そこまでで十分だから。ありがとな」
「むぅ~、もっと言いたい事があったんですが」
「悪いな。でも気持ちは十分に伝わったから」
「なら問題ありません」
やっべ。葵のヤツ目のハイライトを無くしたまま喋っていたよ。もし途中で止めなかったらヤンデレ一直線、『兄さんに群がるメス共は私が全て排除しますね♡』なんて言い出しかねない雰囲気だったからな。
「まあ、聞いての通りだよ。兄弟がいる子は大体同じ様な感じだから紹介してなんて口が裂けても言えないよね。それで、四についてだけどこれは有名人とかお偉いさんの子供が使う方法だから一般人には縁がないやり方になんだ。となると必然的に一が一番ってなるわけね。社会人になると出会いなんて全くないし、その時点で人生は詰んでいるも同然。悲しく一人で生きていくしかないってなるの」
「うわぁ~……。だから一縷の望みをかけて柚子に色々言ってくるわけか」
「そういうこと」
「高校でハル君に出会って付き合えている時点で私達は超勝ち組だよね」
「確かにね。でも結衣、そう言う事を他の人の前で言っちゃ駄目だからね」
「大丈夫だよ~。楓ちゃんこそぽろっと言っちゃったりしないでね」
「結衣じゃないんだからそんなミスしないわよ」
「あ~、イジワル言ってきたー。ハル君楓ちゃん酷くない?」
「はいはい。二人ともそこまでね」
全く仲が良いんだか悪いんだか。昔馴染みだからこそこうやって下らないやり取りが出来るんだろうけどね。……やべ。飲み物飲んだらトイレ行きたくなってきた。小腹も空いたし離席するついでにお菓子でも持ってくるかな。
「悪い。ちょっとトイレ行ってくるね」
「いってらっしゃーい」
another view point
部屋の主が居なくなった事により、室内は一気に静かになる。別に会話のネタが無い訳ではないが、なんとなく会話が途絶えてしまったのだ。が、無言の空間に耐え切れなくなったのか一人の勇者が口を開きこんな事を言ってきた。
「ねぇ、ハル君ってエッチな本とか持ってるのかな?」
「はぁ!?ちょ、結衣何言ってるの?」
「だって気にならない?」
「それは……、気にならない事もないかもしれないけど」
「ほら~、楓ちゃんだって気になってるじゃん。柚子さんも気になりますよね?」
「まあ、少しだけね」
「早速探してみよー。葵ちゃん、ハル君がどこに隠しているか知らない?」
「ごめんなさい。分かりません。ただ、そういった本を持っているのは間違いないと思います」
「おおっと、これは重要な情報が手に入ったね。定番だとベッドの下とか机の引き出しの奥とかだけど、あるかな?」
そう言いながら探してみるが、影も形もない。まあ、こういった場所はあからさますぎて置かないか。となると本棚にダミーカバーをかけて仕舞っているのかな?さっそく移動して調べるが成果は無し。
「う~ん、見つからない。どこに隠しているんだろう」
「もしかしたら紙媒体じゃなくてデータで保管しているんじゃない?」
「あっ!その手があったか。柚子さんナイスです」
「データだとパソコンを弄る事になるけど、流石にそれは駄目よね」
「ですね」
「えー、ハル君がどういった系統が好きか気にならないの?」
「気にはなるけど、パソコンは駄目でしょ。個人情報の塊だし」
「ぐぅー、捜査はここで断念するしかない……のか」
「まあ、そう言った事は追々知る事になるし別に焦らなくてもいいんじゃない?」
「そうですけど、やっぱり事前にある程度情報があった方がいいかなって思って」
「結衣の気持ちは分かるけど、相手の好みに合わせるのはある程度経験を積んでからの方が良いと思うな。最初なんてそんな余裕ないと思うし」
「そうかな?一応色々と練習はしているから満足はさせられると思うけど。楓ちゃんも練習してるでしょ?」
「うん。でも練習と本番は違うって言うし、今から不安だよ」
「初めては痛いって聞くしね。痛みで思うように出来ないとか最悪の状況は避けたいよね~」
「ねっ」
「練習や知識と言っても雑誌の受け売りだったり、教本の真似だから難しい所はあるわよね。実際性交渉の不満足で別れたり、離婚なんて話もよく聞くし」
「柚子さんの言うと通りなんだけど、経験者に話を聞こうと思っても周りには処女しかいないから妄想の域をでないしねぇ。兄弟がいるとまた違うのかな?」
「う~ん、あまり差は無いと思いますよ。ただ、役得というかそう言う事は多々ありますね」
「どんなの!?」
「例えばお風呂上りにパンツ一枚でウロウロしていたり、兄さんがソファに座っている時に後ろから寄りかかって肩に顎を置いたり、着替え中に間違って部屋に入ってきたりとかですね」
「ぶふぅ」
「ごほごほっ」
「それは……」
結衣さん、楓さんがお茶を噴き出し柚子さんが言葉を詰まらせる。自分で言っていてなんだけど本当に役得が過ぎると思う。世の女性が妄想している事を現実で体験しているんだから彼女達の反応も妥当だろう。でも飲み物をふき出すのは汚いから止めて欲しいな。
「羨ましい!は、ハル君の裸を見るとかそんなの鼻血ドバァだよ」
「それも羨ましいけど後ろから寄りかかるのが私的にはポイントが高いかな。一度でいいからやってみたいな」
「着替え中に部屋に来るとか最高ね。そんなハプニングがあったらどうぞいくらでも見てって言っちゃいそう」
「柚子さんはセクシーだからそういうシチュエーションが似合いそうですよね」
「確かに。セクシーランジェリーを着けながら誘惑しそう」
「ちょっと、それは偏見だと思うな。精々布面積が小さい下着を身に着けるくらいだよ」
「「「それはどっちにしろエロ下着なのでは?」」」
another view pointEND
えー、私は現在部屋の扉の前に居ます。用も足して戻ろうと思ったんだけど、なにやら話し声が聞こえて少し耳を欹てていたが、なんとも気まずい。家探しはまあ良いとしよう。問題はその後だ。Hに関してだったり、下着に関してだったりと聞かなきゃよかった内容が盛りだくさん。これさぁ、戻った時どんな態度を取ればいいんだろ。やっぱなにも知らない振りが一番安牌かな?……ええいままよ。考えていても仕方ないし男なら突っ込むのみ。いざ、往かん!
「お待たせ。小腹が空いていると思ってお菓子を持ってきたよ」
「「「ありがとう」」」
「兄さん、ありがとうございます」
この後はみんなでお菓子を食べつつ雑談したり、ツイ〇ターで遊んで際どい角度からパンツを見たり、二人羽織でうしろから四人のおっぱいを堪能したりと大変満足できる時間を過ごしました。詳細を書き連ねると三千文字を越えるのでここでは割愛させてもらう。が、一言だけ伝えたい事がある。おっぱいってなんであんなに柔らかくて、あったかくて気持ちいいの?フニフニ、プニプニと背中で形を変えながら押し付けられる感触、ブラジャー越しから伝わる体温、乳首が擦れたのか『んっ』と艶めかしい声。ハッキリ言って耐えられたのが奇跡でしかない。なりふり構わず襲い掛かっても仕方ない状況だったがオリハルコンの精神で耐えた俺に万感の拍手を送りたい。
とまあ、色々とあったがいい時間なのでこれでお開きです。玄関まで見送り手を振りながら去る三人の姿を見て改めて思う。お前たちは最高の彼女だよと。
今日の一言:結衣・楓・柚子・葵は処女だった。マジ最高!




