表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
高校編
85/163

No84

五月に入り春の陽気が心地よい今日この頃。新年度の慌ただしさも落ち着きいつも通りの日常を過ごしているが、俺としてはただただ辛い。もうね、勉強漬けなんですよ。学校で勉強して、家に帰って来ても深夜まで勉強。マジで頭おかしくなりそうなんだけど、流石にこのままじゃマズイと思い息抜きを兼ねて彼女達とデートする事にしました。付き合って初のデートなので一人ひとり個別にデートしようと最初は考えていて当人たちにその旨伝えたら『一人づつだと大変だから三人一緒でいいよ』と言われたんだよね。前世の感覚で言うとデート=二人っきりという固定観念というか常識?がある為そう言われた時は躊躇してしまったが、郷に入っては郷に従えという言葉もある為受け入れる事にした。実際問題個別に出掛けるのは時間も予算もスケジュールも相当無理しなければいけないのでね。でも、例えば彼女の誕生日とか何かの記念日とかは二人で過ごそうとは思っている。そこだけはどうしても譲れない点だから彼女達にも納得してもらうしかない。さて、前置きが長くなったが今はデートの待ち合わせ場所に向かっている所です。いつもより少しだけお洒落して、何度も鏡の前で確認したので変な所は無いはず。お店のガラスに映る姿をチェックしながら歩いていると待ち合わせ場所の駅前広場までもう目と鼻の先となっていた。そして手持ち無沙汰気味に辺りを見回している三人の姿が。

「ごめん。遅くなった」

「あっ、ハル君。全然大丈夫だよ~」

「約束の時間よりこっちが早く来ただけだから気にしないで」

「時間も五分前だし問題ないよ」

結衣、楓、柚子がそれぞれ大丈夫だよと言ってくれてホッとする。こういうのは男の方が早く来るものだと思っているので初っ端からやってしまった感があったがなんとかなって良かった~。

「ねぇねぇ、今日の格好どうかな?」

「うん。可愛いよ」

「えへへ~。ありがと。ハル君との初デートだからいつもより気合入れたんだよ」

「そっか。ありがとう」

結衣の服装はアイボリーピンクのスニーカーにショートパンツ、トップスはスプリングニットのセーターで頭にベレー帽を被っている。ボーイッシュな感じだが色味やトップスで女の子らしさが出ていてGOOD!

「むぅ。結衣だけズルイ。私も頑張ったんだよ」

珍しく少し拗ねた感じで言ってきたのは楓だ。彼女の格好はパンプスにミニスカート、トップスはシャツの上にザックリしたカーディガンを羽織っている。全体的に清楚で可憐なイメージで纏めているね。

「楓も似合っているよ。いつも可愛いけど今日はもっと可愛い」

「そ、そっか。凄い嬉しいけど照れちゃう……」

耳まで真っ赤にして照れる姿は普段見れない事もあり超可愛いんだけど!

「じゃあ、私も意見を貰えるかな?」

最後は柚子だ。少し高めのヒールのショートブーツにミニスカート、トップスはオフショルダーのブラウスにストールを羽織っている格好となっている。

「大人っぽくて綺麗です。柚子らしさが出ていて良いと思うよ」

「ふふっ。ありがとう」

「でも、夕方になると結構冷えるけど大丈夫?」

「うん。バッグにポンチョを入れているから寒くなったら着るつもりだよ」

「じゃあ、安心だね」

「心配してくれてありがとう」

デートにしては少し大きめのバッグを持っているなと思っていたけどそう言う事だったのか。流石柚子。しっかりと先の事まで考えているんだな。

「よっし!じゃあ、最初の目的地に行きますか」

「「「うん」」」


デートの最初の目的地は丸っこい建物で室内は薄暗い場所です。どこか分かるかな?ちなみにラブホではないからね?初デートの初っ端でラブホに行くバカは存在しないと思うが念の為ね。……答えはプラネタリウムです。本当は高原とかで夜空を見たりしたいんだけど、如何せん今年は無理なのでプラネタリウムにしました。して、館内は八割方埋まっていて少しだけ空席がある程度。客層も年齢層がやや高めで子供が居ない為ゆったりと鑑賞できそう。暫し待った後室内が徐々に暗くなり隣の人の顔も分からない程の暗闇に覆われた後、透き通るような声のナレーションで天体観測がスタート。代表的な春の星座である「しし座」「おとめ座」に「うしかい座」「かに座」「おおぐま座」「北斗七星」などが夜空を彩る様は只々美しいの一言。そして、春の夜空を繋ぐ「春の大曲線」と「春の大三角」。「春の大曲線」とは北斗七星の柄のカーブをそのまま延ばしていくと、うしかい座、さらにカーブを先に延ばすと、おとめ座の1等星スピカがある。この大きなカーブを「春の大曲線」という。「春の大三角」はうしかい座の1等星アルクトゥールス、おとめ座の1等星スピカ、しし座の2等星デネボラを結んでできる三角形を、「春の大三角」いう。まあ、この知識もナレーションの人が言っていた事の受け売りなんだけどね。普段は空なんて見上げる事はなく、また煌々と明かりが灯っている為星なんてまともに見れない。でも夜空にはこんなにも星々が瞬いているんだ。そしてこの星の輝きは何百年も前に放たれたもので、リアルタイムでは無いというのも非常に浪漫を感じさせる。室町時代や安土桃山時代に放たれた光を今この瞬間に目にしているんだと思うと感慨深い物があるのは当然だろう。心地よいナレーターの声と分かりやすい説明、リラックスできるBGMが合わさり時間はあっという間に過ぎて、天体観測は終わりを告げる。名残惜しくはあるが、存分に楽しめたので満足です。席から立ち、外へと向かう中で彼女達と感想を言い合ったり、どの星座が好きとか知れたしプラネタリウムを選んで良かった。


次に訪れたのは繁華街。バイト先が繁華街から少し離れた所にある為チラッと見かける程度で、普段もあまり来ることは無い。だからどこにどんなお店があるかとか、遊べるスポットとかが全く分からない。男としてどうかと思うがここは女性陣にお任せしようと思っています。

「どっか行きたい場所とかある?」

「大学で使っているバッグを新調したいからバッグ専門店に行きたいな」

「オッケー。結衣と楓もそれでいい?」

「うん」

「大丈夫だよ」

「じゃあ柚子、道案内お願いね」

「任せて」

柚子の案内の元辿り着いたお店は小洒落た外観のお店で中々良い雰囲気を醸し出している。早速店内に入ると多種多様なバッグが見やすく、綺麗に陳列されていてお店のレベルの高さを伺わせる。そして値段だが安い物で数千円~となっていて学生でも十分に手が届く値段だ。まあ、高いのは数十万するんだけどね。そこら辺はそれなりの地位や役職についている人が買う物だろうから俺達には関係ない。

「柚子はどれくらいのサイズのバッグを買うつもりなの?」

「A四~B五サイズが入るくらいかな。あとノートPCも入れるから容量もある程度欲しいな」

「ふむふむ。デザインとか色は?」

「毎日使う物だからシンプルなデザインかな。色は茶色か黒あたりの無難な所にしようと思ってるよ」

「そっか」

俺の方でも柚子の要望に沿うバッグを探してみようかな。結衣や楓も二人で探しているみたいだし。あれこれと物色してあーでもないこーでもないと悩んだ末漸く選んだんだが三十分も経っていた。時間の流れ早すぎだろマジで。でもこれは良いんじゃない?思う品をセレクト出来たし良しとしよう。

「じゃあ、各々選んだ商品を見せ合いっこしようか」

「うん。じゃあ、まずは私と楓ちゃんからね。色は茶色でチェック柄が押し出し加工でデザインされている可愛いバッグです」

「サイズも要望に沿うものだし、仕切りがあって収納しやすいから利便性も高い一品だよ」

「うん。確かに凄く便利そう。これ良いね」

「よっし。次は俺ね。色はキャメルで、容量も希望通り。このバッグは紐を付ければショルダーバッグに、外せばトートバッグになる2WAY仕様でどんなシーンでも活躍できる代物です」

「日によって変える事が出来るし、デザインも私好みだしこれは魅力的」

「ふふふっ。でしょう?では最後に柚子が選んだバッグをどうぞ」

「私はビジネスバッグを選んだの。もう実用性重視でチョイスしたからあまり可愛くないのが難点かな」

柚子らしいと言えばらしいけど、確かにこう……、大学生が使うような感じではなくOLが使う商品なので可愛らしさは無いね。取り合えず全員が選んだ商品が出揃った訳だが、最終決定は柚子に任せる事になる。さあ、彼女が選んだバッグはどれなのか?運命の時が今決まる!!

「どれも捨てがたいけど、悠君が選んでくれたバッグにしようと思う」

「おぉ!マジか!ありがとう」

「2WAY仕様でどんなシーンでも活躍できるっていうのが魅力的で良いなって思ったの。でも、決め手は悠君が選んでくれたからなんだけどね」

「そうだよね。私もハル君が選んでくれたならそれ以外考えられないもん」

「だよね。ハル君がこれ良いんじゃない?って選んでくれた時点で他の候補なんて無くなるしね」

マジか……。仮に滅茶苦茶ダサいやつ選んでも喜んで買いそうだな。これは変な物をチョイスしないよう俺自身の審美眼を鍛えねばな。俺が選んだ商品を彼女が使っていて、友達とかから『ないそれ?ダサッ』とか言われたらと思うと尚更にね。まあ、さておきこうして柚子の買い物は終わりを告げて次はどこにいこうか?とワイワイと話ながらデートは日が暮れるまで続いていく。あぁ、俺は今幸せです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ