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この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
高校編
77/163

No76

さてさて、みんなで温泉旅行に行く事が決定したがここで大きな問題が浮上してきた。それは、ホテルにするか旅館にするかだ。どちらも一長一短があり極論を言えば好きな方に泊れば良いとなる訳だが、それは一人や二人なら可能な話であって今回のように大人数の場合ではかなり揉める事になる。喧々諤々の議論の末最終判断は俺に任されてしまった。双方の話を聞いていてどちらも捨てがたいし、魅力がある。悩みに悩んだ末出した結論は……旅館です。決め手となったのは雪景色を見ながら露天風呂に入れるよという一言。確かにホテルにも露天風呂はある事にはあるが、やはり旅館と言う風情漂う場所でなければ味わえないものがある。なので、ホテル派には申し訳ないが今回は旅館で決定という事で一つお願いしたい。して、最も重要な事が決まったので後は予約をするだけだが、その点については真理さんに頼る事になる。優ちゃん経由で話をしてもらった所二つ返事でOKを貰えた上、伝手を使ってかなり高級な旅館を確保してくれた。普通に泊れば一泊数万円はする所と言えばその高級さも伝わると思う。参加メンバーの中には学生もいる為そんな金額は払えないのでもう少し安価な所を紹介してもらえないか、とそれとなく伝えた所なんと半額以下で良いよという太っ腹な返事を頂けた。しかもこれは大人の場合であり、学生は数千円でOKという超破格待遇。上手い話には裏があるとよく言うが、今回の場合は真理さんと旅館の経営者さんの厚意のもと特別待遇扱いしてもらえたので本当にありがたい話である。そして泊まる場所が決まれば後は各々が当日までに準備するだけだ。



諸々の手配や準備に追われながら日々は過ぎていき本日は旅行当日です。車で待ち合わせ場所の駅前まで行き参加者をピックアップしたのち移動開始。高速道路を使いながら二時間弱で旅館に到着予定となっている。今回車を出してくれたのは以下の面々となる。母さん、店長、先生となっていてそれぞれの車に約四人ずつ乗車している形だ。目的地までは遠く時間があるが、車で出来る事などたかが知れているので詳細は割愛させてもらう。時間は流れてようやっと旅館に到着。車から降りるとう~んと伸びを一つして凝り固まった身体をほぐしつつ深呼吸を一つ。肺に新鮮な空気を取り込んだことで頭がシャキッとしてきたぞ。長時間車などの密閉空間にいたから結構キツかったんだよね。やっぱり人間は空の下にいてなんぼだな。おっと、ぼんやり考え事をしている暇はなかったんだった。さっさと荷物を持って移動しなきゃ。


受付で手続きを済ませて部屋へと案内されたが、まあ豪華な事!広い部屋、豪奢な家具、ベランダから見える美しい景色。本当にこんな部屋に泊っていいの?と思えるくらい高級感が漂っている。ちょっと気後れしてしまうが、折角真理さんが手配してくれたんだし、目一杯満喫しなきゃ失礼ってもんだよな。という訳で畳敷きの床をゴロゴロと転がってみた。右にゴロゴロ~、左にゴロゴロ~。心が落ち着くイ草の良い香りが鼻孔を擽り、畳の丁度いい固さが身体を刺激する。そんな俺に頭上から声が響いた。

「兄さん、はしたないですよ」

「悪い、悪い。でもこれ結構気持ち良いよ」

「……そうやって転がっていると畳も傷みますし、家具に身体をぶつけるかもしれないので気を付けて下さいね」

「おう」

「はぁ……」

「葵ちゃん、悠さんも大人だしその辺は分かっていると思うよ」

「優さん。まあ、私も大丈夫だとは思っていますが万が一怪我でもしたらと思うと心配で」

「じゃあ、二人で見守りませんか?」

「それが一番ですかね。優さんにはお手数をおかけしますがお願いします」

「はい」

葵に怒られ、優ちゃんに心配されるとか俺人間失格かな?ていうか年下の女の子に見守られるとかさ、年上の威厳とか、頼れる感じとか皆無なのかな?いやそんな事は……ない……はず。ちょっと自信が無いが今はそれどころではない。最早定番になっている構図というか、以前にもこんな事があったけど俺が床に寝転がっていて、葵と優ちゃんが立っている。そして二人はスカート。当然パンツが丸見えになるわけで。葵の今日のパンツは薄いアイボリーカラーのフリルがあしらわれた可愛い系。対して優ちゃんだが薄紫色のTバックだった。しかも布面積が狭いタイプ。確かに今日は身体のラインが出る服装をしているから下着のラインを見せないようにTバックを履くのは妥当だろう。そう、妥当なんだけどさ下から見るとマジヤバい!プリっとしたお尻、細くスラッとした脚、際どい所まで露わになっている鼠径部。ヤバイ!超ヤバイ!あまりにもヤバすぎる為語彙力が零になってしまう程……あっ、鼻血が出てきた。

「兄さん!鼻血が出ていますよ。大丈夫ですか?」

「えっ?あっ、本当だ。すぐにティッシュを持ってきます」

「ふぐっ、喉に血が降りてきた」

「すぐ吐き出して下さい。ペッってして、ペッって」

葵から渡されたハンカチに血交じりの唾液を吐きだしたが、次から次へと血が口内へと侵入してくる。気持ち悪り~と思っていると、ティッシュが目の前に。素早く受け取り鼻の孔に丸めたティッシュを突っ込んで、眉間を押さえたら後はジッとしているのみ。ふぅ~、いきなり鼻血とかビビったぜ。

「いきなり鼻血を出すなんて、兄さんどこか体調が悪かったりしませんか?」

「んっ、大丈夫だよ」

「本当ですか?少しでも調子が悪ければ言って下さいね」

「おう」

「みんなにも現状を伝えた方が良いですよね?」

「そうですね。私は兄さんを見ていますので、優さん、悪いんですが皆さんにお伝えしてもらってもいいですか?」

「分かりました。じゃあ、行ってきます」

なんか大事にし過ぎじゃないかと思うが、二人の心配気な顔を見ると言えないな。ましてや、優ちゃんのパンツがエロ過ぎて鼻血を出したなんて死んでも伝えられない。だが!俺は一切後悔していない!なぜなら()()()()()()()を見れたのだから!女性のパンツなら見る機会など腐る程あるだろう。高校生であればパンチラなんて毎日という人もいるはずだ。階段や、机に前のめりになっている瞬間、前屈みになった時等々チャンスは腐る程ある。が、男の娘となるとそれらの機会は皆無……(いな)、絶無といっていいだろう。基本的に出会うチャンスが無い上、女性以上にパンチラに対するガードが堅い為見る事は不可。それは難攻不落の要塞、秘境中の秘境、世界の神秘といっても過言ではない。そんな生涯を掛けても見れないかもしれないパンツを真下からガン見したのだ。正直鼻血で済んだのが奇跡と言うほかない。よくて廃人、最悪ご臨終していてもおかしくない程の衝撃、達成感、エロス。あぁ、神よ!私は人生で最高の瞬間を味わいました。例えここで死んでも構わないが、出来る事ならもう一度だけ角度を変えて優ちゃんのパンツを見たい。こう……後ろからパンツが食い込んでいて、お尻丸出しの状態を見たい!それが見れればマジで死んでもいいから神様お願いします!

『お前はアホか?そんな事で命を失っても良いとかアホか?』

『いやいや、真面目なお願いですよ』

『あのさ~、こっちも今お前に死なれると困るのよ。物語が進まないし、打ち切りエンドになるじゃん。読者様から罵詈雑言の雨あられとか耐えられないよ』

『そんな事より、はよ後ろからのアングルでパンツ見せろや』

『駄目だこいつ。頭おかしい』

なんて神様とのやり取りがあったとかなかったとか。……多分なかった……と思いたい。そんな感じで熱いパトスを胸の内で肥大させていると、扉が開く音とパタパタとこちらに向かってくる複数の足音が聞こえてきた。誰かは言わなくても分かるよな。そう、彼女達だ。

「悠大丈夫?」

「ハル君、鼻血出したって聞いたけど大丈夫?」

「悠様!お怪我はありませんか?」

「甲野君、大丈夫かい?」

「ふぁ~、まあ君なら大したことないと思うけど一応聞いておこうか。大丈夫?」

みんな口々に心配してくれて、有難いけど鼻血程度で大げさなと思わなくもない。てかさ、アリスさんが眠そうにしながら棒読みで心配してきたけど、頼むからもう少し演技を頑張って欲しかった。まあ、それはさておき無問題と伝えねばな。

「良い旅館に来て興奮したからかな?ちょっとだけ鼻血を出したけど、怪我もしてないし体調も悪くないから問題ないよ」

「でも心配だわ。念のため病院に行った方が良いんじゃないかしら?」

「それはちょっとやりすぎじゃない?少し安静にすれば元通りになるんだし」

「ん~、お母さんやっぱり心配だわ。悠にもしもの事があったら一大事だし」

「母さんの気持ちも分かるけど……。じゃあ、少しでも調子が悪くなれば言うしその時点で一日ジッとしているから病院に行くのは無しに出来ないかな?」

「そこまで言うなら……、分かったわ。ただ絶対に無理はしない事。これだけは約束してね」

「分かった」

旅行初日からやらかした感はあるが、なんとか上手く納まってくれたくれたかな。ふぅ~、少し休憩したら温泉街の方に足でも伸ばしてみるか。まだ血も止まっていないし、しばらくはみんなと話でもして休むとするか。

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