No75
「おはようございます」
「おはよう。今日も一日よろしくね」
「はい」
「アリスさん、おはようございます」
「ん~、おはよ」
「じゃあ、着替えてきますね」
そう言った後更衣室に向かいちゃちゃっと着替えを済ませて準備完了。今日も一日仕事に精を出しますか。今は冬休みなのでOPEN~二十一時まで仕事をしている。学生とは思えない長時間労働だが、俺がお願いしてやっている事なので問題は無い。というか、前世の超過酷な奴隷労働と比べると鼻歌を歌いながら出来るレベルで労働時間は短いので楽勝よ。といってもやる事は多岐に渡るのでそれなりに大変ではある。っと余計な事を考えていないで仕事をしなければ。開店準備が終われば扉にOPENの札を掛けて本日の営業がスタート。現在店内にはお客様は一名のみ。外は雪が降っているし、かなり冷え込んでいるので本日の来店客数少ないと予想している。どうしても冬場は客数が減ると店長が毎年嘆いているが、こればっかりは仕方ない事だろう。誰か売り上げに貢献してくれないか?と思っているとお客様から注文が入った。
「すみません。ホットココアとフロマージュケーキをお願いします」
「かしこまりました。少々お待ちください」
注文を受け厨房にオーダーを通した後暫し待っていると、出来上がったのでお客様の元へGO。
「お待たせ致しました。ホットココアとフロマージュケーキになります」
「ありがとうございます。……ふふっ。やっぱり仕事をしている兄さんは格好良いです」
「そうかな?あんまり変わらないと思うけど」
「そんな事無いですよ。言葉遣いや仕草、雰囲気なんかも普段とは違いますし」
「まあ、仕事だからね。公私の区別はしっかりつけるさ」
「大人な発言ですね。でも兄さんらしいです」
「んっ。もし寒かったりしたら言ってね。暖房の温度を上げるし、一応ひざ掛けも用意してあるからさ」
「はい。その時は声を掛けますね」
葵と少し会話した後再び仕事に戻り、あれこれと熟していく……が、如何せんお客様が来ないことにはやる事が少ない。必然暇になるわけで、店長もアリスさんも同様なのか手持無沙汰にしている。流石に今日は葵一人だけしか客がこないなんてことは無いと思うが暇なので誰か来てくれ。マジでお願いします。
願い、思い、その一念は奇跡を呼ぶ。壮大に言ってみたが単純にお客様が来てくれたのだ!なんと有難い事だろう。これはいつもより気合を入れて対応しよう。そう意気込み案内すべく向かうと……。
「いらっしゃいませ……って先生?」
「こんにちは。元気にしていた?」
「はい。元気でしたけど……あれ~?」
「あぁ、この子達とはここに来る途中でばったり会ってね。行き先が同じだから一緒に来たのよ」
「そうなんですか。珍しい事もあるもんですね」
「えぇ」
先生と言葉を交わしていると後ろから元気な声が聞こえてきた。
「ハル君やっほー」
「お邪魔します」
「はぁ~、ここにくるのも久しぶりだなぁ」
「悠さんこんにちは」
「悠様、お久しぶりでございます」
順に結衣・楓・有馬先輩・優ちゃん・真白さんが挨拶してくれた。
「久しぶり。外寒かったと思うし席に案内したら少し暖房の温度を上げるね。あとひざ掛けもあるから欲しかったら言ってね」
「うん」
「はい」
「ありがとう」
六人となると一緒に座るにはテーブルをくっつけないといけないか。そうだ、折角だし葵も同席しないか聞いてみよう。みんなを案内しつつ葵に声を掛けて聞いてみるとこんな返事がきた。
「構いませんよ。私も一人より皆さんと一緒の方が楽しそうですし」
ということで、手早くテーブルをくっつけて椅子を並べて完了。各々が席に着いたタイミングで注文を取りオーダーを通しに厨房へ。品物を届けた後はまた暇になってしまった。女子が集まっているテーブルを見てみるとキャイキャイと楽しそうに話している。冬とあってセーターやブーツと言った装いだが、それぞれ個性が出ていて見ていて飽きない。冬=ニットセーター=おっぱい。冬=ショートパンツ=ブーティー。冬=タイツ=クソ喰らえ!いきなり何をいっているんだと思うかもだが、冬といえばこれ!という俺の好みだ……まあ最後は違うが。特にニットセーターは最強と言っても過言ではないだろう。セーター越しのおっぱいと言ったらフェチズム四天王の一角といっても過言では無い!見よ!結衣のぽよんぽよんおっぱいがセーター越しに弾んでいる様を!見よ!有馬先輩の色気溢れるVネックセーター姿を。ちょっと屈めば魅惑の谷間とブラジャーが見えるし、もしかしたら気を抜いてノーブラかもしれない。その場合は桜色の乳首が拝見出来るわけで夢が広がりまくりんぐ!ふっへへへへ、マジ堪らんぜよ!そんな俺のイヤラシイ視線を感じたのか二人が同時にこちらに振り向き一言。
「じっと見てどうしたの?」
「私の顔に何かついてる?」
「あ~、いや~、その……、服似合っているなと思って」
「えへへへ~。そんなに褒めても何も出ないよ~」
「ありがとう。甲野君にそう言って貰えて嬉しいな」
「いえいえ、マジで似合ってますし、可愛いですよ」
ふぅ~、なんとか誤魔化せたか。もしバレたら変態のレッテルを貼られたのは間違いないだろう。まさに危機一髪!今度からはガン見じゃなくて、チラ見でいこう。これなら問題ないだろう。
「先輩のVネックセーターどこで買ったんですか?」
「駅前のファッションビルにあるお店だよ。安くて可愛い物が多くてお気に入りなんだ」
「本当ですか?今度一緒に行きませんか?」
「いいよ。いつにしよっか?」
「来週とかどうですか?」
「OK」
「あっ、私も一緒に行ってもいいですか?」
「もちろん」
女子らしい会話を聞きつつ、細々とした仕事をしていると驚愕の光景が目に飛び込んできた。なんと!有馬先輩が紙ナプキンを取ろうと前屈みになったんです!当然胸元が開いているからバッチシ見えました。柔らかそうなおっぱい、クッキリとした谷間、淡い青色の清純派下着。ここで注目したいのはおっぱいでも谷間でもない!あのセクシー美少女の有馬先輩が清純派のブラジャーを着けていた事だ。学校でのパンチラや海に行った時等エロ、じゃなくてセクシーな物を着けている先輩が清純派。このギャップが堪らなく良い!もし狙ってやっているなら手放しで称賛しなければいけない。そして、男殺しの二つ名を授けようではないか。そして先輩には色々な意味で改めて感謝を。そんな嬉しいハプニングもありつつ、時間は流れていく。
「真白さんに質問なんですけど、冬に着物って寒くないんですか?」
「そうですね。冬向きの着物があるのでそれを選んで、着物にも合うコートを着る事で大分寒さは凌げますよ。ただ、足元はどうしても冷えてしまいますが」
「そうなんですね。確かにブーツとかだと合いませんよね」
「袴等なら大正時代風になるので、ありなんですが着物だとどうしても違和感が出てしまいますからね」
「洋服はあまり着ないんですか?」
「はい。外出する際も家にいる時も基本的に和装ですね。洋服を着るのは学校に行く時とレジャー等外で遊ぶ時くらいですね」
「へぇ~。じゃあ、自分で着付けも出来るんですか?」
「はい。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると十分くらいで着れる様になりますよ」
「じゃあ、洋服を着るのとあまり大差はないんですね」
ほへぇ~。そうなんだ。葵と真白さんの会話を聞きつつそんな感想が出てきた。俺も母さんに浴衣や初詣の際着物を着付けしてもらったから分かるけど、そんなに早くは一般人には無理。真白さん見たいに毎日着ている人でも十分は凄いんじゃないかな?おっと、ちなみに今日の真白さんは、ゆるふわ編み下ろしのヘアスタイルです。言葉だけじゃ分かりずらいと思うけど、滅茶苦茶手間がかかっていそうな髪型で、可愛いし似合っているけどどれだけ時間がかかったんだろう?ってつい思ってしまう。いや~、本当に女子は大変だわ。男なんてワックスでサッと形作って終わりだからね。所要時間一分とかね。髪型で思ったけど、冬場の風呂ってさ浴室暖房があれば問題ないけど、無かった場合浴室に入った瞬間さむっ!ってなるよね。風呂か…………、温泉行きたいな。
「温泉ですか?」
「げっ。声に出してた?」
「はい」
「マジか……」
「兄さんは温泉に行きたいんですか?」
「寒いし、温泉にでも行って温まりたいなって思って」
「いいですね。お母さんに言って連れて行ってもらいますか?」
「仕事とか大丈夫かな?」
「多分大丈夫だと思いますよ。でも今の時期だと予約が取れるかどうか……」
葵の言う通り、今の時期はどこも混んでいるだろうな。さてどうしたもんか。
「それなら、僕が母に頼んでみますか?」
「優ちゃん、いいの?」
「はい。大丈夫です」
「じゃあ、お願いしようかな」
「ねぇねぇ、ハル君。私と楓ちゃんも一緒に行きたいな」
「んっ。じゃあ一緒に行こうか」
「やった」
「ありがとう、ハル君」
「温泉いいなぁ。私も普段の疲れを癒すために行こうかしら」
「折角なので先生も一緒にどうですか?」
「あら、いいの?」
「もちろんです。……う~ん、どうせならここにいる皆で温泉行きませんか?店長とアリスさんもどうですか?」
「ふむ。今の時期はお客様も少ないし行こうかな」
「ん~、偶にはいいかな。温泉に入ってダラダラするのも悪くない」
「有馬先輩、真白さん、優ちゃんはどうかな?」
「「「勿論参加します」」」
こうして、何気ない会話から温泉旅行が決定した。となればスケジュール調整や宿の予約などやる事が色々と出てくるのでみんなで協力してさっさと片づけちゃいましょう。
次回:湯けむりに隠された秘境(意訳:みんなの湯上り姿やポロリを乞うご期待)
現在仕事が修羅場の為今月一杯は一~二話更新となります。
※一話更新が多くなるかもしれません。
家に帰りたいよ……




