No68
ロボット産業研究施設を後にした俺達一行は繁華街へとやってきた。ここからは自由行動となり各班毎に好きな場所に行ってOK。勿論どこでも良いわけでは無く酒場や、パチンコ屋、いかがわしいお店等々はNG。俺たちの班は特にどこに行くとかは決めずにぶらぶらと歩いて興味がある所を見つけたらそこに行こうと話し合いで決まっている。さてここで俺の班員を紹介します。結衣・楓・委員長・副委員長+先生です。各班五名構成なので俺を含めて丁度五人となる。で、なんで先生がいるのかというと万が一俺にトラブルや怪我、その他不測の事態が起きた場合生徒だけでは対応できないので担任の谷口先生が同行する形になっているのです。これには他のメンバーから苦情が来るかな?と思ったけどすんなりOKと言われて拍子抜けしたっけか。普通だったら担任が同行するとか嫌でしょ?なので聞いてみたんだけど、ハル君の安全が確保できるのになんで嫌がるの?と逆に聞かれてしまった。そう言ってくれて嬉しいんだけど、俺のせいで迷惑を掛けているなとも思う訳で……。なんでこの自由行動はみんなが楽しめるよう色々頑張るつもりだ!じゃあ、レッツゴー!!
「観光・研究都市と言われるだけあって凄いね」
「うん。私たちが住んでいる街とは大違い」
「俺達が住んでいる街も発展しているけどここほどでは無いしね。あんな超高層ビルとか無いし、お店の広告とかホログラムだし色んな要素がごちゃ混ぜになっているね」
「ハル君はどっちの方が好き?」
「そりゃあ、住んでいる街の方が好きだよ。結衣はどうなの?」
「私も同じ。でも買い物とか遊ぶ場所はこっちの街の方が楽しそう」
「それは言えてる。色んなお店があるしかなり散財しそうだけどね」
「あははは。うん、そうだね」
「結衣とハル君が無駄遣いしそうになったら私が止めるから大丈夫だよ」
「おぉ!さすが楓」
「楓ちゃんがそう言ってくれて心強いよ~」
「特に今は修学旅行中だし気付けば余計な物を買い込んでいる可能性大だしマジありがたい」
「どういたしまして」
いや~、楓はマジで気の利く良い子だわ。結婚したら家計を丸投げしても問題ないだろうな。うん、マジで良い嫁になりそう。
「えっ!?」
楓が素っ頓狂な声をいきなり上げた為驚いてしまったよ。
「うぉ!?どしたの楓?」
「えっと、今ハル君私の事を良い嫁になりそうって……」
考えていた事が口から出ていただと……、うわ~恥ずかしすぎる。でも冗談だよって言える雰囲気でもないしここは誤魔化さずに男らしく答えるのが吉か。
「楓は気が利くし、家事もそつなくこなすし結婚したらいいお嫁さんになりそうだなって思って」
「あの……、ありがとう」
顔を真っ赤にして小声で返事を返してきた。可愛らしいな~と思って見ていると、上着の裾をスッと引っ張られる感触が。振り返ると結衣と先生が俺の方を期待を込めた眼差しで見ている。これはあれか?二人にも言わなきゃいけない流れか。
「結衣は可愛くて愛嬌があるし、先生は大人の魅力があり、経済力もあるので結婚したら良妻になると思うよ」
「ありがと。ハル君にそう言って貰えて嬉しい」
「ふふふ。大人の魅力!甲野君私の事を良く分かっているじゃない。うんうん、そうよね」
本当は合法ロリの魅力だけどそれを言うと先生がガチで悲しむので言葉を変えてみた。先生の悲しむ姿なんて見たくないし、その原因が俺とか死んで詫びなければいけないレベルよ。まあ、喜んでくれているみたいだし良かった。こんなやり取りをしつつ歩いているとやけに派手なお店が目に飛び込んできた。お店の名前は『世界のファンシーショップ』もう名前からお分かり頂けると思うが、世界中のファンシーアイテムを売っているお店だ。ちょっと早いけどお土産第一弾として良い物があれば買ってみるかなと思い入店を提案してみた所全員OKとの事。では、早速入ってみましょうか。入店すると騒がしかった店内がシーンと静けさに包まれた。次いで四方八方からの視線の雨あられ。だがこんなのはもう慣れっこなので気にせず物色する事にしましょう。一緒の班の女子達も一切気にした様子も無くキャイキャイ言いながらあれこれ見ている中ウロウロとしていると店員さんが声を掛けてきた。
「いらっしゃいませ。なにかお探しでしょうか?」
「お土産になにか良い物があるかな~と思って色々見ているんですが、オススメってありますか?」
「そうですね……。お渡しする相手はどのくらいの年齢でしょうか?」
「十代~三十代までですね。幅が広くてすみません」
「いえいえ。謝る事ではないですよ。そうなると……こちらなどどうでしょうか?当店では年齢問わず人気の商品となっております」
「そうなんですね。…………うん。可愛いし、ちょっとしたインテリアとしても使えるし良いですね」
「ありがとうございます」
「デザインは何種類くらいあるんですか?」
「全部で六種類になります」
「じゃあ、全種類を二つずつお願いします」
「はい。お買い上げありがとうございます」
「この後も買い物をしたいので後でお会計でもいいですか?」
「構いませんよ。では商品の確保をしてきます」
「お願いします」
よっしゃ。お土産第一弾の確保完了したが、結衣たちがまだ物色中なので適当に商品を眺めていたら身体に電気が走った。恐る恐る近寄り手に取って矯めつ眇めつ眺めながら俺の心は歓喜に満ち溢れていた。まさに運命の出会い。今日という日に感謝。何言ってんのお前?と思うかもしれないがその商品を見れば君も同じ状態になるだろう。可愛らしいフォルムの中に格好良さが滲みだしているサイバーケモ耳少女を見ればな!サイズはねん〇ろいど位だろうか。机や部屋のインテリアに丁度いいサイズ、そして圧倒的クオリティ。全体的にデフォルメされたデザインなんだが、細部まで拘っているのが分かるし、素材も最新の物を惜しげも無く使用しているので、ちゃちな感じは一切ない。当然お値段はビックリするくらい高額だろうと思い値札を見ると、なんと…………一体二千円なり。人によっては高いと思うかもしれないが、このクオリティで二千円は破格、圧倒的破格!置いているのは二体しかないが、もちろん両方購入決定です。まてよ、もしかしたら他のシリーズもあるのかも?と思い先程の店員さんに聞いてみた。
「あの、この商品って他のシリーズもあるんですか?」
「こちらの商品は二つのデザインのみです。ここだけの話ですが、実はあまり人気がなくて第三弾が白紙になりそうと関係者から聞いた事があります」
「嘘やろ……」
余りの衝撃に思わず膝を折ってしまった。こんなに可愛いくて格好良いのに人気がないだと?この世界の人間は目が腐っているんじゃないか?クッソ、なんとかシリーズが存続して欲しいが俺の力ではどうする事も出来ない。やれることと言えばツボッターで呟くくらいか。って言っても俺のフォロワーなんて知り合いしかいないし、これっぽっちも影響なんて与えないけどやらないよりはマシだ。というわけで早速商品を購入した後に両手にフィギュアを持って記念写真撮影。撮影者は楓に頼んだんだけど、『ハル君凄い満面の笑みだね』なんて言われてしまった。ちょっと恥ずかしかったけど、まあそれは良いとして早速アップしてみた。今までツボッターでは文章しかアップしていなくて画像、しかも顔を映した写真なんか初めてだから緊張しちゃったけど反応はあるかな?無反応だったら悲しいな……。なんて思っていたのもつかの間。瞬く間にリツボッートとイイネがついた。その速度は半端なく見る見るうちに数字が増えていく。ちょっと怖くなったのでそっとスマホをしまいました。今のは見なかったことにしよう。精神衛生上その方がいい。恐怖体験をしている内に女性陣の買い物も終わったみたいだ。ここでの用は済んだし次へ行きましょうかとなり退店してまたぶらぶらと歩き出した。
時間は流れて本日の宿泊施設に到着。各々に割り当てられた部屋に移動して夕食までゆったりと過ごす事に。ちなみに俺は一人部屋です。みんなは相部屋なんだけど、流石に年頃の男女が同室というのはマズイとの事で俺だけ一人部屋~!普通は男はオオカミと言う言葉の通り男性が女性にイタズラをするっていうのを想像すると思うが、この世界では違う。女性が男性を襲うのだ。それはもう積極的に、煽情的に誘うのだよ。高い知能を持った肉食獣になると言えば分かりやすいだろうか?そういったシチュエーションが大好物の紳士もいるだろうが、俺は自分からお誘いして致したいタイプなんで逆レイプはちょっと……。まあ、流石にオートロックがある部屋に不法侵入して襲うなんて事をする輩はいないだろう。はぁ~、今日は色々あって疲れたな。夕飯を食べたらササッとシャワーを浴びて寝る事にしよう。明日は修学旅行のメインと言っていい場所に行くし、気力体力を充実させなきゃ存分に楽しめないからな。ふと時計を見ると夕食の時間まであと十分程となっていたので、部屋を出て食堂へと向かった。途中あまりにお腹が空いていたためグゥ~~と鳴ったのを先生、結衣、楓に聞かれてしまい恥ずかしい思いをした事は内緒でお願いします。いや、マジでね。




