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この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
高校編
6/163

No6

たどり着いた更衣室は豪華だった。豪華だった。大事なことなので二回言いました。いや、マジで凄いんだって!まず、部屋の広さは教室二つ分くらいあってソファーやベッド、果てはテレビや本まであるしまつ。自販機もあるんだが、無料で飲み放題、お菓子も食べ放題。正直やり過ぎでひきます……。百歩譲って飲み食べ放題はいいとしても、ソファーとかベッドはいらないだろ。何に使うんだよ……ナニに使うのか?はぁ、下らない事考えてないでさっさと着替えよ。


体育館にはクラスメイトが集まっていた。どうやら俺が最後らしい。急いでみんながいる所まで向かい先生に

「遅れてすみませんでした」

「はい。これで全員ですね。次からは遅刻しないよう気をつけてくださいね」

「分かりました」

「では、今日の授業はバレーをします。まず六人グループを作って下さい」

先生の号令の下各々が仲のいい人たちで集まってグループを作り始めた。俺はどうしようかなと思いつつ周りを見ていたら先生が一言

「甲野君は見学なのであちらで座っていて下さい」

は?いきなり見学とか言われても意味が分からないんですが?もしかして体調不良とか思われてる?

「あの、俺別に怪我とか体調が悪いとかはないので見学じゃなくても大丈夫です」

「男子は怪我をしたら大変なので基本的には見学という事になります。どうしてもという事であれば参加可能ですが」

どうするか……。う~ん、運動得意ではないけど一人だけ見学ってのも居心地が悪い。高校に入って初の体育の授業だし参加しとくか。

「あの、参加したいです。もちろん怪我には十分気を付けるので」

「そうですか。じゃあ空いているグループに入れてもらいましょう」

その瞬間女子の目の色が変わった。自分のグループから抜ける人続出。

「先生!わたしたち人数が足りないので甲野君に入ってもらっても良いですか?」

「あっ!こっちも人数足りないので入って欲しいです」

「う~ん、甲野君はどのグループに入りたいですか?」

うわっ、こっちに振んないで。先生が決めていいですよとも言えずどこにしようと考えていると、一斉にこっちを見て圧を送ってきた。ぐっ、凄まじい圧力!なんとしても自分の所に来て欲しいという熱い思いが力となって襲ってくる!だが、負けるわけにはいかない!そんな中ひと際強い力を感じそちらを見たら結衣・楓のグループだった。やっぱり仲いい子がいるところの方が気が楽だしあそこにしよう。

「じゃあ、あのグループに入れてもらっていいですか?」

「やった~!甲野君うちらを選んでくれてありがとう」

その光景を見てがっくし肩を落とす選ばれなかった面々。すまん、闘いとは非情なのだよ。


さてさて、いよいよバレーの試合が始まった訳だが、総じてレベルが高い。というかみんな身体能力高くね?不思議に思い聞いてみた。

「う~ん、詳しくは分かりませんが、昔からそうだったみたいですよ。一説には男性が少ないため女性が強くならないと生きられないからと聞いたことがあります」

ふむ。守ってくれる男性が少ないから自分自身が強くならないと生きていくのが難しい。必然的に強い女性が生き残り弱い人は淘汰される。そうして今に至るという事か。こういう所でも前の生きていた世界とは違うのだと実感させられるな。そんな事を考えている間に試合は進み俺たちの番になった。正直ついていける気がしないが、邪魔にならない程度には頑張ろう。いざ、試合開始!

「結衣、そっちいったよ!お願い」

「わかった」

「よし、ナイストス。いくよ~!」

「やった!真美ちゃんナイスアタック」

う~ん、素晴らしい!今の流れも良かったが、俺が言いたいのはそこじゃない。

()()()()()!もうぶるんぶるんしてるんですよ。走るたび、ジャンプするたび揺れる揺れる。そして膝に手を当てて前屈みになっているからお尻が、お尻が凄い!

あぁ、ここが楽園か。ここがシャングリラか。我が人生に一片の悔い無し!!

あっ、試合ですか?おっぱいとお尻に夢中でよく覚えていません。一応勝ったみたいです。良かったですね。


その後も他の人の試合を見つつ時間は過ぎていき授業は終了。ちなみにTシャツからチラ見えする脇ってエロいですね。体育が大好きになりました。


体育の授業は四時間目だったので終わればお昼に突入。なので着替えて教室に戻らずそのまま食堂へ。席を探していると聞き覚えのある声で呼びかけられたので、声の方へ振り向くと

「甲野君ここ空いているよ」

生徒会長の有馬先輩が手を振っていた。いつもの面子でゾロゾロと移動して着席。

「先輩はいつも学食なんですか?」

「ううん。お弁当と学食半々くらいかな」

「そうなんですね。購買とかはあまり行かないんですか?」

「そうだね。購買はパン系がメインだからほとんど利用しないよ。私お米派だから。おっと、冷めない内に食べよう」

「いただきます」

うん。今日も美味しい。食べながら前に話していたカフェにいつ行こうか結衣と楓に聞いてみたら

「ハル君の都合のいい日で大丈夫だよ」

「私も同じ」

「うん?なんの話をしているの?」

「ハル君お勧めのカフェに行く事になっているんです。それでいつ行こうかって」

「そうなんだ。あの、もし良かったら私も一緒に行ってもいいかな?」

「俺は構いませんよ。二人はどう?」

「OKです」

「いいですよ」

「ありがとう」

俺の都合が良い日でOKとの事だが今週末に葵と一緒に行くしそこに合わせるか。

「じゃあ、今週末でもいい?妹と行く予定でさ。嫌じゃなければ一緒にどう?」

「へぇ~、ハル君妹さんいたんだ」

「あぁ、身内贔屓になるけど礼儀正しいし良い子だよ」

「そっか。じゃあ、こっちこそ妹さんが嫌じゃなければ一緒に行きたいな」

「そうね。もし駄目だったら違う日にすればいいし」

「甲野君の妹さん見てみたいし是非一緒に行きたいな」

「じゃあ、家に帰ったら聞いてみますね。結果は明日学校で伝えるって事で」

そんな会話をしつつ、昼休みは過ぎて行った。


自室から居間に降りると葵がソファで寛いでいたのでカフェの件を聞いてみよう。

「葵いまちょっといいか?」

「はい大丈夫ですけど何かありましたか?」

「あのさ、今週末にカフェに行くだろ。それで、クラスメイトと先輩も一緒に行っていいかな?」

「えっ……、なんでそんな事になったんですか?」

「俺のオススメのカフェがあるって話したら今度行こうってなってさ。それで、どうせなら一緒の日にみんなで行こうかなと思って」

「う~~ん、兄さんがそうしたいなら構いませんが……」

「葵が嫌なら他の人とは日を改めて行くから大丈夫だよ」

どうしよう?せっかくの兄さんとのデートに余計な女が付いてくるなんて……正直イヤだ。でも、断ったら兄さんに迷惑がかかるしここは私が折れるしかないか……。それにどんな人たちなのか確認して、問題ないか見極めないと。

「いえ、先輩方と一緒で大丈夫です」

「そっか。ありがとう。じゃあ時間とか決まったら教えるね」

「はい。お願いします」


時間やその他諸々を話し合って決めて、いよいよ当日。待ち合わせ場所は近場の駅なので、そこまで移動するため歩きながら隣の妹を見て

「なんか今日はいつもと雰囲気というか感じが違うな」

「少しメイクをしてみたのと、髪型を変えたのでそのせいかもしれません」

「うん、いつも可愛いけど今日は二倍マシで可愛い」

「あっ……、ありがとうございます。嬉しいです」

そう言いながら頬を染めて目をそらす様子がまた可愛い。結衣や楓、先輩もいつもとは違う感じなんだろうか?そんな事を考えながら駅を目指してテクテク歩く。


に、兄さんに可愛いって言われた!あぁ、もう今日は最高の日です!メイクもヘアセットも大変だったけど頑張って良かった。それに兄さんもいつもより大人っぽい服で格好いいです。脳内メモリーに保存しなきゃ。あっ、もちろん永久保存です!


電車に乗り待ち合わせ場所に到着。もう来ているかなと辺りを見回したらいた。手を挙げながら近づいて

「ごめん。まった?」

「ううん。今来たところだよ」

なんて、定番のやり取りをしつつみんなの格好を見てみた。結衣はショートパンツにカーディガン。胸部装甲が分厚いためボタンが弾けそう。

楓はミニスカに黒ストッキング。上着はワンポイントにリボンが付いたブラウス。うん。清楚な雰囲気と合っている。先輩はワンピースで薄手のジャケットを羽織っている。綺麗系のコーディネートで纏めている感じ。そして、みんな薄っすらとだがメイクをしている。それも合わさっていつもとは違って印象が全然違う。正直に言おう。めっちゃ可愛い!こんな子たちとカフェに行くとか最高かよ。

ドキドキしてきた……。

「じゃあ、行こうか」

「「「「うん」」」」



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