No52
今日はショッピングモールに買い物に来ています。実はパジャマが破れてしまいましてね。あれは夜部屋で寛いでいる時だった。喉が渇いた為リビングに行こうと椅子から立ち上がった時に机の角にズボンを引っかけてしまいビリッとやってしまいました。これが裂け目が小さければまだ良かったんだが、結構大きく破けてしまいこれ以上の続投は不可能と判断し残念ながら破棄という決断を下しました。南無三!パジャマは毎日着替えているので、一枚無くなると一日は下着のみで寝る事になる。それは嫌なので早急に買いに行く事になり、冒頭に戻るというわけよ。ちなみにだが、みなさんは寝る時はどんな格好で寝ているのだろうか?パンツとTシャツ・パンツのみ・裸族・パジャマ・スウェット等だろうか?聞いておいてなんだが、男の意見はあまり聞きたくないです。想像してみろよ。俺寝る時は裸族なんだぜ!あの開放感が堪らないーー!!とか野太い声で言われたら、あっ…………はい。ってなるだろ?あっ、駄目だ。鳥肌立ってきたからこの話はここでお終い。話を戻そう。今回の買い物にはいつもの面子&優ちゃんという構成になっている。いつもの面子が分からない?さては、今までの日記を読んでいないな?しょうがないから教えましょう。結衣・楓・有馬先輩・葵・真白さんだ。先生は私用がある為今回参加はしていない。各々の格好については長くなるので割愛。真白さんに関してはいつもの和服では無く、洋服姿という事だけ伝えておこう。まず行くのは紳士服売り場だ。去年も来た事があるが、とにかくデカいショッピングモールで大勢の人で混雑している。そんな中紳士服売り場は閑散としていた。ほんとに人がいないんよ。販売員がちらほらいるだけで客の姿が見えない。まあ、リアル店舗で買い物する男性は殆どいないから当たり前っちゃ当たり前なんだが、前世から考えるとなんとも……。そんな感じなので俺達の目立つ事、目立つ事。四方八方からの視線が気になるが、ちゃっちゃと買って退散しますか。
「え~と、パジャマはどこら辺に置いているのかな?」
「ここら辺は服しかないから、あっちじゃない?」
「どこに何があるか案内でもあればいいんだけどね」
「女性用の売り場だと大体どこになにがあるのか分かるのですが、男性用だとさっぱりでお力になれず申し訳ありません」
結衣、楓、真白さんの順に意見を言ってくれた
「真白さんが謝る事じゃないですよ。取り合えず結衣の言った方に行こうか」
みんなで移動して少し探してみるとありました。パジャマが。
「おっ、色んな種類があるんだ。どれにしようか迷うな」
「これなんてどうかな?光沢が凄いし、なんか格好良くない?」
「結衣さんや。それシルク素材だよね?お値段が凄い事になってるし、そういうのは髭を生やしたダンディーなおじ様しか似合わない代物だよ」
「じゃあ、これはどうかな?可愛いキャラクターがプリントされてるし」
「あ~、確かに可愛らしいですが、ちょっと子供っぽ過ぎませんか?もうちょっと大人な感じのチョイスでお願いします先輩」
「シンプルで、程よく大人っぽい感じ&お値段も手頃な物を選べばいいのかな?」
「そうだね。楓の言った感じで探してみようか」
こうして物色していくが、なかなかこれといった物が見つからない。惜しいのはあったんだけど、これ!というのが無い。ここは妥協して適当なやつを買おうかと思ったその時声がかけられた。
「兄さん。これとかどうですか?」
「うん?どれどれ………………。デザイン良し!お値段良し!素材もコットンか。うん、これにするよ。ありがとな葵」
「いえ、兄さんの為ですから。それに私が選んだパジャマを着て欲しかったし」
最後の言葉は小声で聞こえなかったが、まあ良いだろう。こうして無事パジャマ購入に至ったんだが、せっかくなので下着も少し買おうかと思い女性陣には少し待っていてもらう事にした。優ちゃんも一緒に行こうぜって誘ったんだが、顔を赤くしながらアワアワして「僕は大丈夫です。遠慮します~」なんて言われてしまったぜ。この時の女性陣の冷たい視線は心に刺さった。完全にセクハラ親父を見る目だったよ。というわけで一人トボトボと売り場に行き買いました。あっ、俺はトランクス派なのでよろしく。ボクサーパンツとかブリーフとかの人もいるだろうが、なんだかんだトランクスが一番だと思う今日この頃。男の買い物なんて早いもので、三十分くらいで終わってしまった。これが女性になると途端に長くなる。なにがそんなに楽しいのかあっちのお店、こっちのお店と移動して色々と見まくる。そして買わないなんて事もあるし。いや、待てよ!今まで買うために見て回ってたんじゃないのかよ?とツッコミを入れたくなるよね。幸い俺の知り合いの女性はパパッと決めて購入するのでその点では楽で良かったと思うよ。え~、といことで目的も果たしたので帰りますなんて事にはならず。ぶらぶらとモールを見て回ろうか。
最初に向かったのは結衣が買いたいものがあるとかでファンシーショップに行きます。なにを買うんだろう?なんて思っていたが、なんと例のヤツの新作が出たとかでそれ目当てとか。あのキモかわ系のゆるキャラモリモリ君ですよ。なにそれ?と言う方はNo7を参照して頂きたい。でだ、その新作って言うのがビキニパンツ一丁でムキムキの筋肉を見せつけるポーズをしながら微笑んでいる人形だった。しかも顔はファンシーっていうね。ここまでくると、可愛いとか可愛くないとかじゃなく気持ち悪い。本当に気持ち悪い。なんでこれを商品化しようとしたのか小一時間ほど問い詰めたくなる程気持ち悪い。なのに結衣ときたら大はしゃぎで嬉しそうにしているんだから、マジでどうなってんだろうね?ちなみにかなり売れているらしくて、POPとかデカいし、お客さんも結構買っている所を見るとほんとに人気あるんだなぁ~と思いました。以上!時計を見ると少しお昼を過ぎた辺り。ここで少し遅めのランチタイムとなりました。入ったお店はファミレスで、お値段は安くて学生にも優しかったけど、味の方はまあ……、お分かりの通りです。そもそもファミレスに味を期待する方が間違っているという意見もあるが、ちょっとは期待しちゃうじゃん。初めて入るお店だったしさ。で、結果はさっき言った通り。俺も知らぬ間に学食やら家の食事やらで舌が肥えていたらしい。前世ではコンビニ弁当か出来合いの総菜ばっか食ってたくせに変わるものだな、本当。ゆったりとランチタイムを過ごした後は、またブラブラとお店を冷やかしつつ時間を過ごす事に。
みんなでゾロゾロとあーでもないこーでもないとお喋りして歩いていると、ふと女性陣の足が止まった。なんかあったのかな?と思い口を開こうとした所で、有馬先輩があるお店を指しながらこう言ってきた。
「ねぇ、あのお店によってもいいかな?丁度新しいのが欲しかったの」
「いいですよ。せっかくだし私も新しいの買おうかな」
「あ~、じゃあ俺は近くのベンチに座って待ってます」
「えっ?一緒に行かないの?」
「いやいや、流石にそれは無理ですよ。みんなも男の俺が一緒とか嫌でしょ?」
「そんな事無いよ(無いですよ)」
口を揃えてそう答えを返してきた。って言ってもさ、女性用下着売り場に男が行くのは流石にマズいでしょ。これがカップルとかならまあ……、なんとかなるのかもしれないけど。そもそも俺が言った所で何をするわけでもないし、お客さんや店員さんの視線が痛くて非常に居た堪れない状況になるのは必至。ここは逃げの一手しかないわけ。
「でもさ、男の俺が行ってもね。手伝える事も無いし」
「手伝える事……。じゃあ、私に似合う下着を選んで欲しいな」
「なっ!?」
「あっ!それいいですね。私もお願いしようかな~」
「先輩と結衣だけズルイ。私もお願いできるかな?」
「どうせなら、女性陣全員のを選んでもらったらどうでしょうか?」
「葵ちゃんナイスアイデア」
「あの……、俺に拒否権はあるのでしょうか?」
「ダメ……なの……」
有馬先輩の上目遣い&ウルウルとさせた瞳攻撃で俺はあえなく撃沈。
「分かりました。でも、あんまりセンスはないんでそこの所はご了承下さい」
「了解」
こうして下着屋さんに入った訳だけど、とにかく種類が多い。サイズ毎に分かれているのは当たり前で、デザインも豊富、素材もコットンからシルクから化繊等々様々な下着が所狭しと並べられている。お値段もピンキリで安い物から高級な物まであって男物とは全然違うんだなって思いました。男なんて三枚セットで九百八十円とかだからね。しかもパンツだけでOKという手軽さ。かたや女性はパンツとブラジャーの二つが必要だからお金もかかるし、大変なんだろうなぁ。
「それぞれ何枚か選んでくるから、その中からハル君が好きなのを選んでね」
「おっ、それはありがたい。こんなに沢山ある中で選んでって言われたら、泣いている所だよ」
「あははは。そう言うだろうと思った。じゃあちょっと待っててね」
こうして一人待つ事になった。一人?と思ったあなた。よく気付きましたね!そう、優ちゃんも女性陣と一緒に下着を選んでいるのです。まあ、見た目美少女がトランクス履いてたら違和感半端ないし問題はないんだけどね。むしろ、ちょっとエッチな感じのを履いていて欲しいみたいな願望まである。そんな妄想をしている間に選び終わったらしくみんなが戻ってきた。さて、ここからは結論のみ述べよう。やり取りに関しては非常に長くなってしまうので、大変申し訳ないが割愛させてもらう。
結衣:可愛い系
楓:少しセクシー系
有馬先輩:エロい系
真白さん:清楚系
葵:少し大人っぽい系
優ちゃん:シンプルなデザイン
となっている。ただ、結衣に関してはブラジャーのサイズが大きい為可愛いのが無いと嘆いていたのが印象深い。チラッと目に入ったサイズにはビビった。去年の夏に海に行った際おっぱいでけぇ~って思ったけど、そこから予想していたブラサイズより大きかった。
ある意味驚きと役得感があった下着選びは終わり、何店舗か冷やかしながら歩き気付けば夕方に差し掛かっていた。午前中からいるから結構な時間を過ごした事になる。各々買いたい物も買ったし、今日はこの辺でお開きかな。
「そろそろいい時間だし帰ろうか」
「はい。本当に楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいますね」
「そうですね。でも真白さんに楽しんでもらえてよかったです」
「よろしければまた誘って下さいね」
「もちろん」
みんなで今日の感想を言い合いながら駅へと向かい歩く。夕日で長く伸びた影は七人分。時折重なるように動く様はまるで影絵の様だなと思いながら夕焼けに染まる空を眺めた。




