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この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
高校編
52/163

No51

「さて、一番初めに見るのは体育館です。まあ立派な事。天井にはいくつもの天窓があり、今も陽の光が差し込んでいます。柔剣道場やウェイトトレーニング施設などもあるとの事で凄いですね」

「資料によれば冷暖房完備で夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるらしいですよ。私が学生の時は扉を全開にして外の風を取り込んで夏場はやり過ごし、冬場は最初にランニングをして体を温めてから授業を始めたものです。特に冬は運動後に搔いた汗がすぐに冷える為風邪をひかない様に手早く着替えなくちゃいけなくて大変だったんですよ」

「分かります。ジェットヒーターとかはお金がかかるから、滅多に使わせてもらえなかったんですよね」

「そうですね。その点蒼律学園はしっかりと設備が整っている為そんな心配は必要ないというのは羨ましいです」

「お次は柔剣道場とウェイトトレーニング施設を見てみましょうか」

「おぉ、これまた凄いですね。スポーツクラブも真っ青なほど充実していますね」

「ランニングマシンやエアロバイクといった有酸素運動系のマシンが多いのはやはり女子生徒が多いからなんでしょうか?坂東さんはどう思いますか?」

「その通りだと思いますよ。やはり体形維持・向上は必須ですからね。万が一にも太るなんて事はあってはならない訳ですし」

「確かに。ではウェイトトレーニング系はあまり使われていないんでしょうか?」

「必要最低限だと思いますよ。あまりやり過ぎて筋肉質になるのは避けたいですし。あくまで体を引き締める程度で押さえているんじゃないですか?ムキムキの女性とか絶対にモテないですし」

「なるほど。ありがとうございます。え~、時間も押しているとの事で次に行きたいと思います」

ゾロゾロとまたも移動開始。辿り着いたのはどこの学校にもあるあそこだ。

「次に紹介するのは図書館です」

「またありきたりな場所に来ましたね」

「まあまあ、そう言わずに見てみましょうよ。ほう!もう言い飽きましたが広いですね。そして蔵書の数が凄い。とこぞの市立図書館かと言うくらい書架がズラ~と並んでいます。まさに圧巻」

「私は本の虫なのでこの環境は羨ましいですね」

「そうなんですか?初めて知りました」

「言ってないですからね。……へ~、最近の学校は雑誌やラノベなんかも置いているんですね。昔では考えられなかったですよ」

「お堅い書籍しかないっていうのが当たり前でしたからね。こういった点でも時代を感じますね」

「このまま進むといずれ同人誌なんかも置かれるかもしれませんね」

「それはどうでしょうか?R指定のない同人誌なら可能性は有るかもしれませんね。ところで坂東さん。本を読む際に飲み物や軽食を取る事はありませんか?」

「ありますね。カフェなんかでゆったりと読書する事も多いですし」

「なんとこの図書館にはカフェが併設されているんです。しかも全て無料」

「はぁーー?!有り得ない、羨ましい。こちとら毎度千円以上お金を払ってカフェを利用しているのに無料?はぁーー?!」

「どうどう。落ち着いて下さい。あくまで学校の施設の一つという事で、お金は取らないみたいですよ。しかし無料だからと言って品質が悪いわけでは無く、厳選した素材を使用したメニューを提供していますとの事」

「くっそ……。分かってはいたけど、金のかけ方がえげつねぇ」

「本音が駄々洩れですよ。そんなやさぐれた坂東さんに朗報です。いよいよ次は目玉企画の男子生徒へのインタビューにいきますよ~!」

「キタ━(゜∀゜)━!」

「顔文字返答は止めて下さい。という事で行きましょうか」


「本日インタビューに応じて下さったのは二年生の甲野悠さんです。よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

「まずお聞きしたいのが、甲野さんは毎日登校しているとの事ですが本当なのでしょうか?」

「本当です。学生である以上毎日登校するのは当たり前ですから」

「ですが、男性は月一登校で問題ないはずです。なにか理由があるのでは?」

「う~ん……。これといった理由はないですね。強いて挙げるとすれば学校って色んな人と交流できるし、高校時代は一生で一回しかないですから。そんな所です」

「凄いアクティブですね。私甲野さんみたいな男性は初めてです」

「そうですね。大体の男性は引きこもってますからね。ここまで積極的に外の人と交流を持とうとするのは凄いですね。貴重、あまりにも貴重ですよこれは」

「棘がある言い方がありましたが、概ね坂東さんの言う通りですね。では次の質問にいこうと思います」

この後は特に当たり障りのない質問が続いて、俺が答えるという流れで進んでいった。そしていよいよ終わりが近づいてきた頃ある意味で恐れていた質問が飛び出してしまった。

「では最後の質問に移りたいと思います。甲野さん、今お付き合いしている方はいますか?」

「いません。フリーです」

「ほう!では今まで彼女が居た事はありますか?」

「残念ながら年齢=彼女いない歴です……」

「おうっふ。これは……、信じられない。男性が、しかも甲野さんみたいなイケメンがいままで彼女が居た事がないとは……、マジ?」

「えっと、マジです」

「ちなみに好きな女性のタイプって教えてもらってもいいですか?」

「外見よりも中身重視ですね。性格が合っていたり、一緒に居て気が楽というかフィーリングが合う人がいいです。あとは、礼儀作法がしっかりしていて言葉遣いが綺麗な人がいいですね」

「これは意外ですね。高校生くらいだと可愛い子が好きですって人が多いと思っていたんですが。大人と言うか酸いも甘いも知った恋愛強者の発言ですよね」

「そうですか?美人は三日で飽きるなんて言葉もあるくらいですし、長く一緒にいるならやはり内面が合う人の方がいいです」

「それは一理ありますね。あと、礼儀作法がしっかりしていて言葉遣いが綺麗な人がいいとの事ですが、その点を重視する理由はなんでしょうか?」

「自分がマナーにうるさいというのと、例えば箸の持ち方だったり、目上の人への対応だったりがなっていない人は見ていて不快になるからです。言葉遣いも同様でネットスラングを現実で使ったり、汚い言葉やセンシティブな言葉を無暗に使うのは不快を通り越して(おぞ)ましさすら感じます」

「ふむふむ。マナーや言葉遣いといった当たり前の事が出来ていない人は確かに見ていて嫌ですよね。では、年上・年下どちらが好みなのでしょうか?」

「年齢は特に気になりませんね。流石に幼女とかは熟女は恋愛対象外ですが」

「ということは多くの人にチャンスがあるわけですね。これは朗報ですね。女性の皆さん今が立ち上がる時ですよ!イケメンゲットの可能性が私にもあるわけよね。うひひ、頑張ろ」

「おい、最後本音漏れているぞ。まったくアナウンサー失格じゃないか」

「そういう坂東さんだってガッツポーズしてたじゃないですか」

「いや……、とうとう私にも春が来るのかって嬉しくなっちゃって」

「いや、まだ付き合った訳でもないのに何言っているんですか?」

「うっさいわ」

「えっ?はいはい。口うるさいディレクターに進めろって言われたので、最後の質問に移りたいと思います。甲野さんは将来どの様になりたいですか?」

「将来ですか……。何かをやりたい、こういう風になりたいといった物は特にはありません。ありきたりですけど、仕事から帰ってきたら子供と奥さんに笑顔でお帰りなさいって迎えられる家庭を築けたらとは思いますね」

「………………」

「………………」

「あの、大丈夫ですか?」

「はっ!?なにやら幻聴が聞こえてしまったようでぼっーとしてました。あの、確認したいんですが甲野さんがお仕事をして奥さんは家庭に入るという風に聞こえたんですが……」

「はい。その通りです」

「ファーーーー!!?なにそれ?なにそれ?そんなのロマンス小説か妄想でしかないと思っていたのに現実になるとはーー!」

「ちょ、落ち着きなさいよ」

「坂東さんだってガックガック震えているじゃないですか」

「いや、あまりの衝撃に震えが止まらないんだよ。これ夢じゃないよね?」

「現実です。紛れもなく現実です。こんな素晴らしい男性が存在していたなんて」

「でも、男性が外で仕事して奥さんは家庭を守るって古い考えなので受け入れてくれる女性は少ないんじゃないかと思っています。亭主関白みたいで嫌がる人も多いでしょうし」

「亭主関白!かぁ~、最高!嫌がる女性はいません。これは断言できます!現にロマンス小説や漫画等でもそう言った男性が登場する頻度は高いですし。一度は誰しもが憧れる存在ですよ」

「そうなんですか?なら少しは安心かな」

「はぁ~、もうね甲野さん全女性の理想を体現した男性ですよ。はっきり言ってこれでモテないとか嘘。鈍感系主人公じゃあるまいし」

「いやいや、本当に告白とかされた事ないんですよ」

「………………周りの女性の目は腐っているのかな?こんな超超優良物件に手を出さないとか頭おかしいのかな?」

「どうなんでしょうね。俺からはなんとも……」

「はぁ?!もう時間なの?くっ、非常に残念ですが、インタビューはここまでとなります。甲野さんありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました」

最初は緊張しまくりでぎこちなかったけど、アナウンサーさんの質問の仕方が上手で次第に緊張も解けていき、良い感じに受け答え出来たと思う。あとはOAされるのを気長に待つとしますか。こうして、俺の人生初のTV出演は幕を閉じた。


これはOA後の話なんだが、物凄い視聴率を叩き出しらしい。そして反響も凄かった。SNSで盛に盛り上がって、自分の所でも放送して欲しいと嘆願書や半ば脅しに近いメールをTV局に送る人続出。結果全国で放送されて一躍俺は時の人となってしまった。といっても今までの生活と特に変わる事はなく日常を過ごしている。陰で刑事さんや、ファンクラブの面々、家族や友人知人が色々と動いていてくれたのを知ったのはかなり月日が流れてからだった。当然お礼をしましたよ。有名になったら苦労するんだよ、本当に……。

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