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この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
高校編
51/163

No50

「取材ですか?」

「そうなの。実はTV局から打診があってね」

「へぇ~。今までもそう言った事はあったんですか?」

「いえ、今回が初めてよ」

「その話ってもう受けるって決まっているんですか?」

「ん~、実はその事で少し話がしたくて呼び出したの」

「んんっ?俺にも関係があるかんじですか?」

「先方からの要望でね、ただ学校の案内みたいなのだとつまらないから、男子生徒にも取材させて欲しいって言われてね。というかそっちがメインみたいな話ぶりで……」

「なるほど。まあそっちの方が視聴率稼げそうですしね。話の内容からすると、その取材対象の男性って俺って事ですよね?」

「うん。あのね、嫌なら断ってくれていいからね。私としても無理強いはしないし、先方にもしっかりその旨伝えておくから」

さてどうするか……。色々な事件に巻き込まれている身としては安全の為にも遠慮した方がいいというのは分かっている。だけど、人生初のTV出演と言う魅力があまりにも強い。つよつよですよ。もちろんTV局側も配慮はしてくれるだろうが、う~む。ここは一旦持ち帰ってみんなに意見を聞いてから答えるか。

「申し訳ないんですが、今すぐの返答は難しいです。少し考えたいので時間を貰ってもいいですか?」

「構わないわよ。だけど、TV局への返答期限もあるから少しだけ早めに答えをもらいたいかな」

「ありがとうございます。なるべく時間を掛けずにお返事します」

やり取りの後、自身の考えを決める為他の人にアドバイスを求める旅に出た。


各々の意見を纏めるとこんな感じだ。ちなみに、アドバイスを求めた際のやり取りに関しては長くなるので割愛させてもらう。各人の答えから場面を想像してみても面白いのではないかな?

葵:「兄さんのしたいようにするのが一番ですよ」

結衣:「なんか面白そうだし、受けてみたらどうかな?」

楓:「う~ん、心配な面もあるけど安全がしっかり確保されているなら受けるのもありかな」

有馬先輩:「元生徒会長としては学校の為にもなるし受けて欲しいかな。私個人でいうならあまりお勧めはしない。甲野君の事が広く知れ渡るわけだからね」

優ちゃん:「僕は反対です。男性をただの視聴率稼ぎにしか思っていないのが透けて見えますし」

真白さん:「(わたくし)は受けた方が良いと思います。悠様の事を広く知ってもらういい機会ですし」

アリスさん:「どっちでもいいんじゃない?私だったら面倒だから断るけど」

約一名かなりいい加減な意見だったがまあ、らしいといえばらしいのでOKということで。こうして意見を聞いた上で改めて考えてみよう。デメリットは俺の事が多くの人に知られる、何かしらの事件に巻き込まれる確率が少し上がるといった所か。メリットは人生初のTV出演、学校にとって利益になるといった所か。メリットデメリットを天秤にかけてみると比重は大きく傾いている。そう!取材を受けるという方向に。よっし!これ以上うだうだ考えていてもしょーもないし、明日先生に伝えるとすっか。


翌日担任である谷口先生に取材を受けますと答えた。その時の表情はほっとしつつも、心配気な雰囲気もあって、ああ、先生も上の人から色々と言われていたんだろうなと思わずにはいられなかった。社会人である以上役職が上の人には逆らえないからね。俺も何度無理難題を押し付けられて、血の涙を流した事か。過去の情景が頭に浮かび思わず、額を押さえてしまった。

「甲野君大丈夫?体調悪いの?」

「あっ、大丈夫です。ただ、昔の嫌な事を思い出してしまって」

「そう。なにかあったら相談してね。力になるから」

「ありがとうございます。その時はお願いします」

やばい、やばい。先生に無駄な心配をさせてしまった。ほら~、めっちゃ心配気な顔してるじゃんかよ。見た目が合法ロリだから罪悪感半端ないんだけど……。お詫びとして今度美味しいスイーツでも渡すかな。とまあ、なんやかんやで俺のTV出演が決まった訳だ。おっと、美容室に髪切りに行かなきゃな。少しでもイケメンに見える様にしとかなきゃ。あと、軽く化粧とかした方がいいのか?制服もクリーニングに出しとかなきゃ。もう大はしゃぎである。中身オッサンのくせに子供の様にうっきうっきで取材当日に向けて準備を始めた。



another view point(TV局サイド)


「はい、はい、では取材はOKという事ですね。分かりました。警備体制については別途協議という事で……はい。取材内容についてはこちらで案を出しますので確認して頂いて擦り合わせていきましょう。そちらでなにか要望などありましたら、ご連絡いただければすぐに対応いたしますので。はい……、では失礼致します」

受話器を置きふぅ……、と吐息を零してしまった。断りの連絡だったらどうしようとドキドキしていたから本当によかった。まずはみんなに報告しなければ。

「みんな、ちょっと集まって頂戴」

「なんですか?」

「たった今連絡があって学校への取材OKを貰えました」

「おぉ~~!!凄い!絶対に断られると思っていたのに」

「ねっ。男子生徒への個別取材とか普通絶対にNGだもんね」

「OKの理由は聞いたんですか?」

「それがね、件の男子生徒が乗り気らしくてね」

「マジですか?冗談ではなく?」

「マジもマジ。大マジよ。ということで、これから警備や取材内容、撮影スタッフの選別などをしていきます。今やっている仕事は早急に終わらせて下さい」

「でも、手持ちの仕事結構時間かかるんですが……」

「早く終わらせて下さい。無理なら今回の撮影には参加出来ないので」

「ぐぅ……。こうなりゃ四徹覚悟でやるしかないか。ねぇ、栄養ドリンクとエナジードリンクってストックまだあったっけ?」

「一箱ずつあるよ。四徹なら十分でしょ?」

「よっし!やったるでー!!」

「あっ、そうだ。今回の事は他言無用ですので気を付けて下さい。他部署の人にも話す事は厳禁です。またSNS等で発信するのも駄目です」

「分かりました」

「それでは、各自準備に取り掛かって下さい。これは我が局の総力を挙げて挑む案件ですので」


another view pointEND


やってきました、取材当日。朝から何回も鏡で身だしなみチェックをして、葵にも確認してもらった所で登校。取材は十時から始まり午後一で終わりという流れになっている。学校につくとどこか浮ついた空気が流れているのを感じた。なんだかんだみんな、楽しみにしていたんだな。周りに目をやると、スカートがいつもより短かったり、アクセサリーを付けていたり、髪型が違ったりと各々さり気無く気合を入れている。う~む、良きかな、良きかな。だが!一番気合が入っているのは俺だという自負はある。なにせ、数日前からこの日の為に準備してきたんだからな。フハハハハハ~~!!


場面は移り変わり校門前ではTV局のスタッフが大勢いて、ピリピリとした緊張感の中撮影が始まろうとしていた。当然周りには多くの警備員が配置されていて鉄壁の守りを構築している。

「お茶の間の皆さんこんにちは。本日はスタジオを離れて、ここ私立蒼律学園にお邪魔したいと思います。本校は進学校としてとても有名なので知っている人は多いのではないでしょうか。ですが、内部がどうなっているかまではほとんどの人が知らないでしょう。レポーターの私とお馴染みの坂東さんで秘密のベールを取っちゃいますよ~」

「はっちゃけてますね。聞きしに及んだ進学校の秘密を明かす事が出来るという事で私も頑張ります。あと忖度は一切しないので、ありのままをお伝えすることを約束します」

「坂東さんらしいですね。その点は学校側も了承済みなので()()()()()問題ないでしょう。では早速行ってみましょう~」

「まずは校庭ですね。兎に角広い。なんですかこれは?いくら中高一貫だからって広すぎませんか?」

「確かにやり過ぎ感は否めませんね。ですが、増改築を見込んだ敷地面積なのではないですか?現時点でも多数の建物がありますが、将来はさらに増えるんでしょうかね?」

「だとしたら流石としか言えませんね。お金が有り余っているんでしょうか?」

「まあ、経営母体が大企業ですからね。湯水のごとく使えるんじゃないですか?私にも一億くらいくれないですかね?」

「いや~、それは流石に無理じゃないですか?というか坂東さんも高給取りじゃないですか」

「まあまあの金額は稼いでいますが、お金ってあって困るものじゃないですしね。あればあるだけ良い」

「確かに。この世の真理ですね。……えっ?会話が生々しすぎる?おっと失礼しました。ディレクターからお叱りを受けてしまいました。てへぺろ。さあ、気を取り直して校舎へと向かいましょう」

撮影スタッフ、警備員がゾロゾロと移動して高等部の校舎へと向かってくるのを教室の窓から眺めながら、思った。思っていたよりTV局のスタッフ多すぎ……と。

「さて、やってきたのは高等部の校舎です。立派な建物ですね~。四階建てで昇降口から屋上まで全面ガラス張りになっていてとてもお洒落。横幅もどれくらいあるんでしょうか?とにかくデカいです」

「調べた所によると有名な建築家がデザインしたみたいですよ。施工もスーパーゼネコンが請け負ったとか。はっきりいってアホかと言いたい。物事には限度があるし、そもそも学生なんてボロい校舎で十分なんですよ。こう……、落書きとか沢山ある感じで」

「それって底辺公立校じゃないですか。私立でそれはありえないですよ。あれ?もしかして坂東さん公立出身なんですか?」

「いえ、私立出身です。ですが、私が通っていた学校はもっと貧相でした」

「あぁ~、私もそうだったかも。まあ、比べる相手が悪すぎますよ。蒼律学園って昔から有名でしたし、学力的にも家柄的にも私たちは無理だったでしょうし」

「いやいや、あなたと同じにしないで下さい。学力は問題なかったんですよ。ただ、お金の面でどうしても無理だったって言う話で」

「ちょ、坂東さん。私が馬鹿みたいに言わないでもらえます。これでも結構頭良いんですよ」

「そっすか」

「完全に馬鹿にしていますよね?……喧嘩するな、さっさと話を進めろ?もう口うるさいディレクターですね。わ~かりましたよ。では校内へお邪魔しますか」

「靴は土足でいいのかな?上履きに履き替えるのかな?」

「スリッパが用意されているみたいですよ。ちなみにそんな質問をするという事は坂東さんが通っていた高校は土足だったんですか?」

「そうですね。欧米スタイルでした」

「私の所は上履きに履き替えてましたね。今の学校は割合はどのくらいなんですかね?半々くらいでしょうか?」

「う~ん……、調べていないので何とも言えませんが、履き替えの方が多いんじゃないですか?土足だと清掃の手間もかかりますし」

「なるほど。おっと、話が逸れましたがまずは一階から見て回りましょう」

いよいよ校内へと侵入してきた。うぉ~、緊張してきた~!!


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