No35
前回の日記でも書いたが、今年は商店街の人や、学校の仲の良い面々とクリスマスパーティーをする事になっている。いきなり言われても、なぜやる事になったのか疑問に思うだろう。なので開催に至った経緯をまずは説明しよう。そう、こんな会話からスタートしたんだ。
「クリスマスなんですが、いつもお世話になっている商店街の人たちも交えてなにかやりたいな~と思ってて、なにかいい案ありませんか?」
「唐突だね。クリスマスねぇ~……。まあ、普通だったら美味しい料理を食べて、プレゼント交換と言った所じゃないかな?」
「ですよね。アリスさんはどう思いますか?」
「ん~……。特にない」
「………………」
「おい~!黙るのはやめてくれ」
「まったく、お前ときたら。真面目にアイデア出ししろ」
「はぁ~。そうだね……、こういうのはどうかな?参加者はクリスマスに沿ったコスプレをする」
「ほぅ!それいいかもですね」
「だろ。よし、私はアイデアだしたから、次は佐伯お願い」
「開催時間は夜なのかい?」
「まだ決めてはいませんが、夕方~夜の時間にやりたいなと思っています」
「それなら、秘蔵のお酒を出そうじゃないか」
「おぉ~。それは大人の人は楽しめそうですね」
「うん。色々な種類を用意するつもりだから、満足できると思うよ」
「よっし。じゃあ骨子は決まったので、細かい所をどうするか……か」
「開催場所はうちの店を使うといい」
「いいんですか?二十五日って平日ですよ?」
「問題ない。甲野君にはいつも頑張ってもらっているから、労いも兼ねてね」
「店長!ありがとうございます!」
「ははは。気にしないでくれ。さて、開催場所はうちの店で時間は夕方~夜。参加者は私と伊藤、甲野君、商店街の面々といった感じかな?」
「あの、俺の家族と学校の人も誘いたいと思っているんですけど、いいですか?」
「構わないよ。主催者は甲野君なんだから、呼びたい人を誘えばいい」
「ありがとうございます」
「ちょっといいかな?」
「どうしました?アリスさん」
「なんで私まで参加する事になっているんだ?パーティーとか面倒なんだけど」
「伊藤には料理やケーキ作りをしてもらいたいし、強制参加だよ」
「横暴だ!職権乱用だ!パワハラだ!佐伯~覚えてろよーー」
「そんな小物の悪役みたいなこと言われても、決めた事だし諦めろ」
「うぅぅ~、甲野君~佐伯がイジメる~~」
「くっ……。そんな上目遣い&潤んだ瞳で見られても俺には……」
「助けて。私をイジメから救って」
「あ~、も~。分かりました、分かりましたよ。じゃあ、アリスさんには参加してくれたら三十分のスペシャルマッサージをしてあげます」
「なんだ……と……。それ本当?」
「はい。マジです」
「よし!やる気出てきた。腕によりをかけて美味しい料理とケーキを作るよ」
「ほんとにお前は単純だな」
「そこ、うるさいよ!」
「じゃあ、俺は商店街の人と家族と学校の友達に声を掛けますね」
「「よろしく」」
斯くしてパーティー開催と相成った訳だ。
次は声がけした時の様子を振り返ってみよう。
十一月の終わりに差し掛かった頃、商店街にお店のお使いで訪れた時の事だ。
「こんばんは。お店で使う雑貨を買いに来ました」
「ハルちゃん、お久しぶり。元気にしてた?」
「はい。おばさんはお元気でしたか?」
「元気だよ。あっと、雑貨を買いに来たんだったね。何が必要なの?」
「紙ナプキンと、キッチンペーパーです」
「用意するから少し待っててね」
しばらくして戻ってきたおばさんにお金を払い、無事商品の購入完了。さて、次はクリスマスパーティーのお誘いをしますか。
「あの、クリスマスなんですけどもう予定入っていますか?」
「いや、何もないよ。いつも通り仕事だね~」
「そうですか。実は二十五日に俺主催でクリスマスパーティーをやるんですけど、良かったら参加しませんか?」
「本当!?」
「はい。時間は夕方~夜で場所はCafe & Bar Meteorです」
「うん。その時間ならお店を早仕舞いすれば参加できるね。会費はいくら?」
「お金は頂きません。普段お世話になっているので、この機会に少しでもお返しできればと思って」
「でも……、流石にそんな訳にはいかないよ」
「いえいえ。お気持ちだけで十分です。じゃあ、当日楽しみにしていて下さい」
「分かったよ。寒くなって来たし、風邪とか引かないようにね」
「はい」
こんなやり取りを各お店を回ってした。あっ、全てのお店で商品を買ってはいないからね。話だけして終わりってのが殆どだからね。こうして、商店街の仲の良い人はほぼ全員が参加となった。洋菓子店とか、飲食店とかの人は稼ぎ時の為泣く泣く参加を見送る事になってしまったが。合掌。( 一一)
続いては学校でのやり取りだ。
「結衣と楓はクリスマスは予定入っているの?」
「「予定はなにも入っていないよ」」
「そっか。あのさ、Cafe & Bar Meteorでクリスマスパーティーやるんだけど、良かったら参加しない?」
「「参加します」」
「見事なハモリ、ありがとうございます。じゃあ二人は参加ね。時間は夕方~夜で、会費とかは無し。ただし、クリスマスに沿ったコスプレをしてきてね」
「コスプレ?サンタさんの格好すればいいの?」
「それは自由だよ。サンタでもいいし、トナカイでもいいし、なんならプレゼントを入れる靴下でもいいよ」
「靴下はちょっと……」
「結衣なら似合いそう。フフッッ」
「楓ちゃんそれを言ったらお終いだよ!靴下なんて絶対嫌だよ~!しかも笑いながら似合いそうって」
「ごめん、ごめん」
「も~~」
「ねぇ、私もクリスマスは予定ないんだけど?」
「「「うわっぁ!?」」」
「そんなに驚かないでよ~。それより私もクリスマスは予定ないんだけど?」
「あの、先生。二回言わなくても分かりますから」
「大事な事だから二回言ってみた」
「はぁ~。じゃあ先生も参加しますか?」
「ちょっと、ぞんざいに扱いすぎじゃない?」
「いえいえ。そんな事はありませんよ。で、参加します?」
「します。時間とか場所は聞いていたから大丈夫よ」
「分かりました。じゃあ具体的に何時からスタートって決まったら連絡します」
「「「お願いします」」」
さて、あとは有馬先輩にも声を掛けなきゃな。という訳で上級生のクラスに移動開始。扉から中を見回しているかどうか確認していると、声を掛けられた。
「あっ、悠君どしたの?」
「えっと、有馬先輩を探していまして」
「んっ、ちょっと待ってね。今呼んでくるから」
クラスの人がわざわざ呼んできてくれるらしい。ありがたや。声を掛けられた先輩はすぐにこちらに目をやると、嬉しそうに笑顔を浮かべてやってきた。もう~、可愛らしいったらないね!
「甲野君どうしたの?なにかあった?」
「えっとですね、先輩はクリスマスは予定もう入っていますか?」
「いや、未定だよ」
「そうですか。あの、Cafe & Bar Meteorでクリスマスパーティーをやるんですが、良かったら参加しませんか?」
「時間は何時からスタートするのかな?うち門限が厳しくて、あまり遅いと少しだけ参加して帰る事になると思うんだ」
「夕方~夜を予定しています。具体的な時間は未定なんですが、少し早めに始めた方がいいですね」
「ごめんね。そうしてくれると助かる」
「分かりました。では、詳細が決まったら連絡します」
「うん。お願いね」
こうして、有馬先輩の参加も決定した。残すは家族のみ。
タイミングとして家族全員が集まる夕飯時に話をする事にした。朝だとみんな準備に忙しい為中止。さて、説明は簡潔にいきましょう。
「二十五日にMeteorでクリスマスパーティーやるんだけど二人も来ない?」
「私はもちろん参加します」
「お母さんは仕事で無理だわ~。ごめんね悠」
「うんん。気にしないで。じゃあ葵のみ参加ね。ちなみに参加者はクリスマスにちなんだコスプレをする事になっているから考えといてね」
「分かりました。定番のトナカイとかでも良いですか?」
「んっ。構わないよ」
はい。以上で終了です。いや~、やっぱり身内だと話が早くて助かる。さて、これで一通りの面子には声を掛けたしあとは、本番に向けて準備するのみ。
時間は少し流れて二十四日。本日はクリスマスイヴですが、ここで質問です。今日は何がある日でしょうか?……………………答えは終業式でした。明日から冬休みに突入だぜ~!!ヒャッホーーー!!!!とまあ、喜びの爆発はここまでとして、地域によっては二十五日だったり二十六日だったりすると思う。また、公立・私立でも違うだろう。あくまでうちの学校は二十四日に終業式という事だ。え~、これ以上書くことは無い為、学校帰りまで場面を飛ばさせてもらう。いよいよ明日がクリパという事で今日は店内を飾るグッズを買いに行こうと思います。繁華街に電車で移動してお店へレッツゴー。同行者は葵のみ。
「おお~!ここが、東急ハンゾか。このビル丸々一棟がハンゾなんでしょ?」
「そうです。ここで揃わないものは無いと言われるほどの品揃えなんですよ」
「ほへぇ~。じゃあさ、ロフ〇と比べると東急ハンゾの方が上って事?」
「難しいですが、同じ位じゃないでしょうか?ロ〇トもかなり品揃え良いですし」
「じゃあ、問題なし。なるべく多くの商品を取り扱ってる方で買いたくてさ」
「そうなんですね。じゃあ行きましょうか」
こうして買い物が始まった。クリスマスツリーとキラキラのガーランドやオーナメントを大量購入。あとは、サンタのコスプレグッズを探したんだがどれも女性用……。いくら細身の俺でも厳しい。いやさ、前世の女性用サイズだったら着れたんだよ。ただこの世界女性はマジでスタイル良すぎだから無理なだけだし。と心の中で言い訳をしつつどうしたもんかと思案中。
「兄さんが着れるサイズは無いですね。仕立て直しをするにしても、時間が少ないですし……。帽子と付け髭だけ買って、服はそれっぽいので誤魔化すしかないと思います」
「う~ん。それだと物足りないんだよね。やっぱりサンタになりきりたいじゃん」
「気持ちは分かりますが……。こればっかりは」
二人してう~ん、う~んと悩んでいると、近くに店員さんがやってきて一言。
「なにかお困りでしょうか?」
「あの、このサンタコスプレの衣装が俺に合うサイズがなくてどうしようかと」
「そうですね。今ある以上のサイズは用意していないので……、あの聞き間違いかもしれませんので確認しますが、お客様が着用されるんですか?」
「はい。俺が着ます」
そう言った瞬間少し離れてインカムで何やらやり取りをしだした。その時の様子は興奮と意地でも無理を押し通すという気迫に満ちていた。ほんの数分程度でやり取りは終わりこちらに戻ってくるなり
「お客様。仕立て部門が総力を挙げてお直しさせて頂きます。明日の昼には仕上がる予定です」
「大変嬉しいんですが、可能なんですか?」
「はい!今確認した所なんの問題も無いそうです。他の仕事をすっ飛ばして取り掛かると言っていました」
「あっ……、はい。ありがとうございます」
「いえいえ。これくらいどうってことないですよ」
コスプレ衣装は無事ゲット出来ました。てかさ、他の仕事をすっ飛ばすとか大丈夫なの?偉い人に怒られたりしないの?一抹の不安を抱いたが、俺が口を出す事ではない為胸の内にしまった。して、これで必要な物は大体買い終わったのでMeteorに移動して荷物を置いたら終わり。さっさと終わらせますか。
日も落ちて寒さに震える中歩を進めた。




