No3
目覚ましの音で眠りから覚め、二度寝の誘惑に抗いつつ洗面所へ。顔を洗ったら眠気も覚めたし、朝食を摂りに居間へレッツらゴーっと。テーブルには母親と妹が椅子に座って待っていたので、遅れたことを謝りつつ食事が始まった。
メニューはご飯・味噌汁・卵焼き・味付け海苔・おひたしと和食でした。前世と言っていいのか分からないが、この世界に来る前はカロリーメ〇トでササッと済ませていたので朝からしっかりとした食事が出来ることに感動して少し泣きそうになってしまった。しかも滅茶苦茶美味い!美味い!大事なことなので二回言いました。感動の朝食を食べ終わったら着替えて学校へGO。
昨日葵と話して通学(行き)は一緒に行こうと話したので学校まで葵と他愛無い話をしつつ駅まで歩いていった。電車にガタゴト揺られながら学校の最寄り駅で降りた後は暫し歩いたのち学校に到着。校門をくぐり抜けて昇降口で上履きに履き替え自分のクラスの前で一度深呼吸。
扉を開けて「おはようございます」と挨拶した後クラスにいた人全員がこっちを見て口々に「おはよう」と返してくれて少しほっとした。昨日の自己紹介で失敗したのでちょっと緊張してたんだ。自席に座ったら隣と前の席の子がおはようと話しかけてきたので、少し話す事にした。
「えっと、俺は甲野悠です。よろしく」
「私は前田結衣です。よろしくね」
「私は上原楓です。よろしくお願いします」
前の席の子が前田結衣・横の席の子が上原楓か。見た目は前田さんは小柄でおっぱいでかい。所謂ロリ巨乳 髪型はボブカット・可愛い系。上原さんは女子にしてはやや背は高め・胸は普乳・髪型は黒髪ロング・清楚系美人。うん。ぱっと見の第一印象はこんな感じかな。っと会話しなきゃな。
「前田さんと上原さんは電車通学?」
「私も楓も電車通学だよ。満員電車に乗ると埋もれちゃって毎日大変」
「結衣は小柄だからね。諦めるしかないんじゃない?」
「う~~、これから背伸びるかもしれないじゃん!」
「うん。まあ……頑張って……」
「二人は昔からの友達なの?高校で出会ったとかではなく?」
「ええ。結衣とは小学校の頃から友達です」
「そうなんだ。じゃあ前田さんと上原さんは小・中・高と一緒なんだ」
「うん。所謂腐れ縁ってやつだね~。あっ、あと私は結衣でいいよ」
「私も楓と呼んで下さい」
「あ~、うん。じゃあ名前で呼ばせてもらうね。俺のことも名前でいいよ」
「わかった。じゃあハルカ君?ハル君? う~ん、語感的にはハル君かな」
「私もハル君の方が呼びやすいかな」
「じゃあハル君で」
俺の呼び方が決まったあたりで始業のチャイムが鳴り先生が教室に入ってきたので
「「また話そうね」」
結衣と楓がそう言った後に前を向いた。
HRは学生手帳に書いてある事を守るようにとか、今後の予定とかを聞いて終了。小休憩を挟んで授業が始まったが、結構レベルは高いが躓くような所は無かったので一安心。でも、余裕をかませる程ではないので勉強はしっかりしようと決めた。
チャイムが鳴り午前の授業は終了。お昼になった訳だが、母親が弁当を作ってくれると言ってくれたが流石に遠慮した。仕事が忙しいみたいだし、朝も早くから出勤するからこれ以上負担を掛けたくなくって。という事で昼食は学食に行くことにした。席を立とうとしたら結衣が
「ハル君はお昼はお弁当?学食?」
と聞いてきたので
「学食に行こうかと思っているよ。どんな感じか気になるし」
「そっか。じゃあ私も一緒に行っていい?」
「うん。楓はどうする?一緒に行く?」
「んっと、行きます」
三人で連れ立って学食に向かう事にしたんだが、なぜかクラスの半分くらいがゾロゾロとついてきた。大名行列みたいで目立つんですが……ちょっと恥ずかしい。
歩くこと数分、別棟にある学食は豪華だった。広い空間・沢山のメニュー・カフェなんかも併設されていて高校の学食じゃないよね。どこぞのセレブ学校よって心の中でツッコミを入れてしまったよ。券売機で食券を買って、おばちゃんからカレーを受け取り席に到着。ちなみに俺はカレー、結衣は親子丼、楓はミートソースパスタです。手を合わせて三人一緒に
「「「いただきます」」」
さてどんなもんかと一口食べてみると、爆発した。旨味が口の中を縦横無尽に暴れ回り、味覚をこれでもかと刺激する。それはまさに爆発!その暴力的なまでの旨味・刺激が喉を通り胃に落ちた時、おは〇けした!その様は食戟のソ〇マさながら。一緒に食べている二人もお〇だけしているのでは、と思い見てみると
「うん。美味しい」
「パスタも美味しい。何回も食べてるけど飽きないわ」
普通だった……。少し期待してたのに……。でも何回も食べてるってどういう事?
「何回も食べてるって事は二人ともこの学食に来たことあるの?」
「いえ。初めてですよ。ただ中学も学食があってメニューも同じなので」
なるほどね。そういうことか。中学なら給食かと思っていたけど学食なんだな。しっかしこんな美味い食事を食べられるなんて幸せだな~。くっ、気づいたら食べ終えていた……。幸せな時間はあっという間だな……。そんなこんなで昼食を終えて午後の授業開始。眠気と闘いながらの授業が終わりやっと放課後になった。
今日はすぐに帰れるわけでなく、先生から呼び出しを受けているんだよね。あっ、入学早々悪い事をした訳ではなく男子生徒という事でなにやら説明があるらしい。生徒指導室に到着したのでノックをして入室すると担任に促されて着席。
「今日来てもらったのは男子生徒である甲野君に説明することがあるからです。これは規則で決まっているので疲れている所悪いけど最後まで付き合ってね」
「はい。俺も気になっていることがあるので後で質問させてもらいますね」
「分かりました。まずはこの学校はクラスが成績によってA~Eクラスに分けられています。Aが一番上で順に下がっていきます。このクラス分けは半期に一回行われます。ですが、甲野君は成績の如何に拘らずAクラスになります」
「本当ですか?例えばテストで全教科0点でもAクラスという事ですか?」
「はい。言い方は悪いですが、男子生徒を一つのクラスに纏めることで女生徒のやる気を引き出す為です」
「あっ~、要は男がいるクラスに入る為に勉強を頑張らせようって事ですか」
「うっ……、甲野君には本当に申し訳ないんですが、その通りです……」
「大丈夫ですよ。それよりも男子を一つのクラスに纏めるって言ってましたが、俺以外に男子がいるんですか?昨日、今日と見ていませんが?」
「います。基本的に男子生徒は月一回学校に来てくれれば問題ないんです。勉強に関しては自宅学習ですね。なので甲野君みたいに毎日登校するのは凄く珍しいんですよ。先生としては大歓迎ですが」
「は~、なんか優遇が凄いですね」
「貴重な男性ですからね。当然です。そのほかに関しても説明していきますね」
その後色々と話を聞いたんだが、ほんと凄いね。前世の価値観ではちょっと引くくらい男性が優遇されるんだね。でも、慣れていかなきゃいかんよな。
いっそ俺はハーレム王になる!みたいに振り切った方がいいのかな?さて、先生との話し合いも終わり帰路についたんだが、小腹が空いたんでコンビニに寄ることにした。お菓子かホットスナックか迷った末ファ〇チキっぽいのにした。レジで注文して待っている間他のお客さんからチラチラと視線が飛んできた。そっちの方を見てみると恥ずかしそうに顔をそらしたり、頬を赤らめたりといった反応。
すわっ、もしかしてチャック開いてる!?って思ってこっそり確認したが無問題。そんな事をしてたら店員さんが来てお会計。お釣りをもらう際紙も一緒に渡されたんだがもしかして……。お店を出て紙を確認したら連絡先が書かれていました。こんなこと本当にあるんだね。漫画とかドラマだけの話だと思っていたよ。可愛い子だったけど、連絡…………は保留にしよう。一応家族にもどうするのが一番いいか聞いてみるか。
夕食を食べながらコンビニであった事を話してみたんだが
「お母さんは連絡しない方が良いと思うわ。良く知らない相手だしなにかあったら怖いし」
「私も同じ意見です。兄さんにもしもの事があったらと思うと……、連絡が書かれた紙は捨ててください」
と二人とも真剣な表情でそう言ってきたので申し訳ないが紙は捨てることにした。
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「兄さんが知らない女から連絡先を貰うなんて……、不覚でした。先に帰らずに待っていればこんなことにならなかったのに」
「悠は女性に対する警戒心が薄いから色々注意しないと駄目よ。変な虫がつかないようにしないと」
「うん。これからは今まで以上に気を付けるよ。はぁ~、早く高校に上がりたいよ。そうすればもっと兄さんと一緒にいられるのに」
「あと一年の辛抱よ。Aクラス目指しているんでしょ?勉強頑張りなさいね。私も悠の為にお仕事頑張らなきゃね」
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