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この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
高校編
24/163

No23

どうしても、キリが良い所まで話を進めたかったので六話纏めて投稿しています。

次回から大体二~三話投稿に戻ります。

みんなで海に遊びに行ってから数日が経った。日焼けはヒリヒリ感は無くなったが、少し皮が剥けてきてて気持ち悪い。なんか絵面的にこう……、受け入れられない感じ。さて、そんな状況の俺だが今は勉強中です。夏休みはただ遊んでいれば良いわけでは無く宿題というものがあるのです。しかもうちの学校は進学校なので量が半端ない!ヒイヒイ言いながらやっています。ちなみに宿題を夏休み前半で終わらせるタイプと夏休み終了間際に泣きながら徹夜で終わらせるタイプがいると思うが、俺は前者だ。嫌な事を先に終わらせれば気持ち的に楽だし、後半は思う存分遊べるからね。という訳で猛勉強中なんだが、息抜きも必要だよね?

最近ハマっているゲームをして疲れた脳を癒しています。結衣に教えて貰ったんだけど、Bpex Legendsという作品をプレイしている。どんなゲームなのか凄く簡単に説明しよう。銃でドンパチして最後の一人orチームになれば勝ちという内容だ。どうだ?シンプルだろう~。遊ぶときは結衣とボイスチャットをしながらやっている。始めたばかりの初心者なので、死ぬ、死ぬ。もうね、あっさり殺されちゃうの。どこから攻撃されているのかも分からずに死ぬこともあるくらい……。

その度に結衣が慰めてくれるから心が折れずに続けられているだけどね。そんな事もありつつ今も遊んでいるんだけど、おかしな行動をするプレイヤーがいて思わず???となってしまったんだが結衣曰く煽り行為らしい。ダウンされた俺の前で屈伸したり、周りをクルクル回りながら一発ずつ撃ったり。意味を教えられて、嫌なプレイヤーだな~と思っていたんだ、その時は。だが!他のマッチでも同じ人がいてソイツにまた煽られて激おこですよ!結衣も怒っていたが、チート行為でもない為現状どうする事も出来ないらしい。所謂害悪プレイヤーと呼ばれるヤツらみたいで、どこにでも一定数湧くみたい。その日は気分が悪い為すっぱり止めました。でもずっとモヤモヤしていて夕飯の時に家族に愚痴ったら少しスッキリした。

でも、これが発端となって大きな出来事になるとはこの時は露程も思わなかった。詳細は割愛させてもらうが、後にB事変と呼ばれる事になるゲーム業界を揺るがす大事件とだけ言わせて頂こう。



そんな感じで勉強をしつつ偶にゲームをして過ごしていたが、この街で一番大きい神社の夏祭りが今日開催される。今日ばかりは勉強はしないで目一杯遊ぼうと思っている。浴衣に着替えて、下駄も出していつでも行ける準備を整えてから居間に向かうと浴衣姿の葵がいた。梅柄の伝統的なデザインで葵の雰囲気とよく合っている。なんかフリルとかついた浴衣もあるみたいだが、そんなのは邪道だと思う。古い考えだけど、和服に関しては伝統的なデザインが一番であって下手に現代風にアレンジしたものはどうかと思う。

「おぉ~、似合ってて可愛い」

「ありがとうございます。兄さんにそう言って貰えて嬉しいです」

「楚々としていて、洋服とは全然違う印象だね」

「和服だと気持ちが引き締まる気がするのと、姿勢がピシッとなるのでそれでいつもとは違って見えるのかもしれません」

「なるほど。言われてみれば確かにそうだな」

「はい。それと私の方は準備出来ましたが、兄さんはどうですか?」

「んっ。俺もOK。じゃあ行こうか」

「はい」

こうして、夏祭り会場に向けて出発した。



電車に乗りゴトゴト揺られて最寄り駅を降りて徒歩十数分。神社が見えてきました。他の面子とは入り口で待ち合わせしている為少し早足で向かっている。

「おっ、みんな居たね」

「そうですね。全員揃っているみたいです」

少し遠目で確認したので手を振って合図を出してみる。みんな揃って手をブンブン振り返してくれた。少し歩いて到着。

「みんなお待たせ。待たせちゃったみたいでごめんね」

「ごめんなさい」

五分前には着いたんだが遅れた事には変わりないので謝らないとね。

「全然大丈夫だよ」

「私達も今着いた所なので」

「そうだよ。だから気にする事はないよ」

「ええ。それよりも小走りで来たけど葵ちゃんは鼻緒で靴擦れとかしてない?」

結衣・楓・先輩・先生の順で声を掛けてくれた。葵の心配までしてくれるなんて先生優しい。

「ご心配ありがとうございます。靴擦れはしていないので大丈夫です」

「そう。よかった」

さて、改めて全員の姿を確認したが、当然みんな浴衣だ。偶にいるんだが、前合わせが逆になっている人がいてはぁ!?と思う事があるんだけどみんな右前で着ていて最大の懸念事項が解消されてホッとした。日本人なら前合わせぐらい分かっていて当然と思う人種なので悪しからず。

「みんな浴衣似合っていて綺麗です。髪も普段とは違ってアップにしているから印象が全然違うし、とても良いです」

語彙力(ごいりょく)が全く仕事をしていない感想を言ってしまったがそれに対して

「この日の為に浴衣を新調したんだ。ハル君にそう言って貰えて嬉しい」

「私の浴衣は母のお下がりなので、柄とか古いかなって思うんだけどどうかな?」

「わざわざ新しいの買うなんて気合入ってるね~。って言っても俺も結衣と同じで新しいの買ったんだけどね。楓の浴衣のデザインは俺は好きだよ。今風の感じよりそういった昔ながらのデザインの方が好きだし」

「よかった。ありがとう」

「ねぇ、私はどうかな?」

「先輩は……、色気がありますね。結った髪も相まってエロ、もとい妖艶です、最高です」

「そっか。最高か……嬉しい」

さて残る最後の一人はというと

「先生はなんというか……、可愛らしいですね。愛でたくなります」

さすがに、どう見ても子供にしか見えないとは言えない……、言えない……

「うん。可愛いか……。ねぇ、大人の魅力とか増してたりしない?」

大人の魅力!?そんなの普段から無いよ!合法ロリが何言ってるの?と思ったが、ここはにこやかな笑顔でこう言おう。

「先生は普段から魅力的ですが、今日は一・五倍くらいマシマシです」

「だよね!だよね~!やった」

そう言ってぴょこぴょこ飛び跳ねる様はまさに子供。そして、お気づきだろうか?俺は魅力的と言っただけで別に大人の魅力があるよとは言っていない。日本語って便利ですよね。さて、品評会も終わった事だし早速行きますか。



境内へと続く通路にずらっと屋台が並んでいる。綿飴、たこ焼き、かき氷、林檎飴、イカ焼き等々定番の物から、キュウリ一本漬け、ツイスターポテト等変わり種まで幅広く出揃っている。よくもまあこんなに新しい食べ物を考えつくなと感心してしまう。そんな俺をよそに女性陣は早速あれこれ買いに行くようだ。

「兄さん、(はぐ)れるといけないので手を繋ぎませんか?」

「そうだな。人多いしそうするか」

右手に葵のホッソリとして少し冷たい手が触れた。軽くキュッと握ると、同じように返してくれる。まるで恋人みたいだなと思いつつ先を行くみんなを追いかけた。屋台で買った食べ物をモグモグ食べながら歩く。行儀が悪いが、お祭りなので許して欲しい。

「おっ、このフランクフルト美味しい」

「買おうか迷ったけど美味しいなら買えばよかった……」

「口付けちゃったのでよければ食べる?」

「えっ?!」

「あ~、悪い。やっぱ嫌だよな。気にしないでくれ」

「ううん。そうじゃなくて本当に良いのかな?」

「ああ。構わないよ。楓が嫌じゃなければガブッといっちゃって」

そう言うと恐る恐るかぶりついた。太くて長い物をパクッとする姿に

キタ━(゜∀゜)━!と思ってしまうのは男なら仕方ないよね?それを見ていた他の女子も一口頂戴と言ってきて同じように食べる。あれか?俺の理性を試しているのか?特に口に付いたケチャップをペロッと舐める様はグッときた。かなりマニアックだが、目の前で()()()にやられると…………最高過ぎて死ねる。ロリ先生も背徳的な感じがあって本当にありがとうございました。あっ、俺ロリコンじゃないからね?本当に違うんだからね!勘違いしないでよね!そんな、デンジャラス体験もありつつ練り歩いていると、射的を発見。男の子なら好きな人が多いのではないのだろうか?俺も例に漏れず好きです。早速お金を払いチャレンジ!

「フッ。俺の四四マグナムが火を噴くぜ」

オモチャの銃を構えながら格好つけていると

「それライフルだからダーテ〇ハリーじゃなくて山猫〇眠らないの方がいいんじゃないかな?景品を撃ち抜くし、スナイパー映画の方がしっくりくると思うな」

「な……んだと……。もしかして先生映画好きですか?しかも古い作品の」

「えぇ。映画はよく見るわ。それにしても、甲野君よくそのネタ知っていたわね」

やべ!前世の記憶で喋ったけど、この世界では俺まだ十六だしどう言い訳しよう?………………閃いた!

「いや~、ネットを徘徊していた時にたまたま、たまたま知りましてね」

「そう。まあネットには色んな情報があるし、それなら納得」

さて気を取り直して射的開始。狙うはストラップ。ショボいって?だってぬいぐるみとか箱物とか落とせないし……。なので確実に狙えるであろうストラップを取りに行く!ドヤァ!!しっかりと狙いを定めて、台から身を乗り出し腕を伸ばして…………撃つ。パンッ!と小気味いい音を立ててコルクの弾丸が発射されて……外れた。まあ、最初は遊びだし。弾の軌道を確認する為の試射だし。第二射……外れ、三・四……外れ、外れ。そして最後の一発になった。この銃弾に全てをかける!頼む!当たってくれ~!!……………………パンッ。外れた。シ~ンと静まり返る周りの面々。格好良く決めたかったのに全弾外れ。全俺が泣いた。俯き小さく肩を震わせる俺にそっと手が置かれた。

「兄さん、こういう時もあります。ドンマイです」

その言葉にゆっくりと顔を上げた。目に涙を溜めて、唇を噛んで今にも泣きそうな顔を。俺を見てどう声を掛けていいのか分からないのか、オロオロしだす女性陣と店主。

「ごめんストラップ取りたかったけど無理だった。は、は……、は…………」

そんな俺を哀れに思ったのか、居た堪れないくなったのか屋台の店主が

「あの。よかったら差し上げますよ。頑張ったで賞という事で特別に」

「いいんですか?」

「はい。せっかくだし人数分あげますよ」

そう言って六人分のストラップもとい景品を貰った。

ありがたや~、ありがたや~。

店主に何度もお礼を言った後次の屋台へと移動を開始した。

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