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この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
大学編
141/163

No140

皆様お久し振りでございます。今回は久し振りにち〇散歩ならぬハル散歩回です。

以前のハル散歩は高校生の時だったでしょうか?あれから数年が経ち私も大人になったので色々と見え方や感じ方も変わっているので違う景色をお伝え出来ると思います。それではスタート。


季節は夏真っ盛り。兎に角暑くて人が多い場所……繁華街なんかには行きたくないので涼を求めてまずは河川敷に行きました。透き通る川と草木の香りが心地よい中目的地も無くブラブラと歩いていると目に入るのは様々な人々。ピクニックをしている人、絵を描いている人、ランニングをしている人等々。その中でも真っ先に目に入ってきたのは川遊びをしている子供達だ。キャーキャーはしゃぎながら水を掛け合ったり、泳いだりしている。なんとも微笑ましい光景だが当然それだけでは無い。格好が水着では無く普段着なんですよ!大人であれば水着もしくは多少濡れても大丈夫な恰好で遊ぶが子供となるとそんなのは一切無い。いつもと何ら変わらない服で水遊びをしている為スッケスケで丸見え状態。未成熟のちっぱい、ポコッとしたお腹、まん丸のお尻、惜しげも無く出された脚。『まったく、小学生は最高だぜ!!』という名言があるが、今の状況を鑑みると少し違う。正確には『まったく、幼女は最高だぜ!!』となる。明らかに幼稚園に通っている位の子もいるからだ。うーん…………グヘヘヘ。純正ロリがただ遊んでいるだけなのになんでこんなに昂るんだろうか?もしかしたら男にはロリ属性がDNAに刻み込まれているのかもしれないな。やや遠めからジーっと見ている姿はまさに不審者。お巡りさんこの人です!って通報されてもおかしくないし、確実に事案だろう。

【河川敷にて幼女をジッと見ている不審者が発生しました。見かけたら近寄らずに周りの大人に知らせて下さい。また、話しかけられても無視して逃げて下さい】

なんて親御さんや学校に連絡が行ってもおかしくないし、この辺りでお暇しようかと思ったその時事態は一変した。

「あー、男の人がいる~」

「ほんとーだー」

「かっこいいー」

「はなしかけてみよーよ。いっしょにあそべるかも~」

そう、幼女たちに存在を気付かれてしまったのだ。マイガッ!これで俺の人生は終了かと諦めの境地になりかかったが、よくよく幼女達の言葉を振り返ってみると結構好意的じゃね?変態だとか気持ち悪いとか言われたわけじゃないしこれはワンチャンあるのか……も?

テコテコと可愛らしく歩きながらこちらに近づいてくる幼女。そして……。

「「「「こんにちは~」」」」

「こんにちは」

「ねぇねぇ、おにいさんもいっしょにみずあそびしよ?」

「ありがとう。でも水着も持って来てないし少し難しいかな」

「むずかしいの?あそんでくれないの?」

やべ。泣きそうになってる。えっと、こういう場合はどうすればいいんだ?宥めるか説得するか……。どちらにしても泣かれるのは非常にマズい。くっ、こういう時に彼女が居れば違ったのに。

「娘が無理を言ってごめんなさいね。ほらっ、行くわよ」

「いーやー。おにいさんとあそぶのー」

「お兄さんにも予定があるし、我儘言っちゃいけません」

「うー……」

お母さんの登場でなんとか難を逃れたが、俺にしがみ付き唸り声を上げている幼女。一難去ってまた一難とはまさにこの事を言うのだろう。子供っていうのは一度決めたら意地でも曲げないからここは俺が折れるのが手っ取り早いのかな。お母さんも困っているし。

「えっと、少しでよければ一緒に遊んであげられるよ」

「!!ほんとー?」

「ああ」

「やったー!」

「あの、本当によろしいんですか?ご予定もあるでしょうしご無理なさらなくても大丈夫ですよ」

「構いませんよ。時間も少し余裕があるので。長い間遊ぶのは無理ですけど」

「ありがとうございます。それではお願いします」

母親公認の元幼女達との戯れ開始。

いやー、なんていうか俺に娘が出来たらこんな感じなのかなって思うよ。天真爛漫でひたすらに今を楽しんでいる姿は輝いて見えるし、元気を貰える。優しく見守りつつ、危ない事をしそうになったら注意したり、俺が知っている川遊びを教えたり。実を言うと前世の俺はあまり子供は得意ではなかったんだ。我を押し通して、駄目だと知れば泣きわめく。注意しても一切聞かずに危ない事をして怪我をして大変な事になり、こちらが被害を被っても親は『子供のしたことですから』で終わり。ハッキリ言って躾がなっていないし、親もまともな思考回路をしていない人が多いので辟易して嫌になった事は数知れず。

とまあ十把一絡げに考えるのも良くないとは思っているんだけど、そういう親御さんや子供が多い事多い事。翻ってこの世界では所謂最底辺の生活をしている人でも常識やマナー、言葉遣い等は確りしているし子供も分別を弁えている。それだけ社会が成熟しているともいえるし、そういった基本的な事が出来ていないと生きて行く事すら難しいという事でもある。果たしてどちらが良いのか?という答えは人によって違うと思う。頭の片隅でそんな事を考えながら幼女達と楽しく遊んでいると時間はあっという間に過ぎていくわけで……。気付けば一時間程経っていたのでこれでお暇する事に。

「そろそろ時間なのでこれでお暇させてもらいますね」

「ありがとうございました。子供達も最高の思い出になったと思います」

「いえいえ。こちらこそ楽しい時間でした」

親御さんと挨拶を交わしてさて移動しようかと歩き出したその時。

「いーやーだー!!もっとあそぶのー!」

「おにいさんともっといっしょにいたいー!」

「わたしおにいさんとけっこんするー!」

「おにいさんのこどもになるの~!」

子供たちが一斉に駄々を捏ね始めてしまった。しかも俺の身体にヒシッとしがみ付きながら。

こうなってしまった子供は手が付けられないのは百も承知。俺がなにかアクションをする前に親御さんにお任せしようと目を向けると困り顔を浮かべていた。……うん、気持ちは分かります。でも早めに何とかして欲しいかな。割とマジで。

「こら。お兄さんも困っているし我儘を言わないの」

「でも~」

「でももなにもありません。そんな我儘ばかり言っていたらお兄さんに嫌われちゃうわよ」

「「「「!!!」」」」

嫌われるという一言でパッと離れる幼女達。この年頃だと誰かに嫌われるっていうのは一大事だからな~。俺もガキの頃女の子に○○君なんて嫌い!って言われた時は数日は落ち込んで泣いてたし、その言葉の威力は絶大だ。

「うぅ、おにいさん。またこんどあそんでくれる?」

「そうだねぇ。また会えたなら一緒に遊ぼう」

「うん!」

ははっ。さっきまでとは打って変わってなんとも可愛らしい笑顔だこと。これならすんなり別れる事が出来るな。では、さらばだー。


幼女達と別れて後再び河川敷を歩いているが、こうして景色を眺めていると心が落ち着く。木々のざわめき、時折吹き抜ける風の音、川のせせらぎ、僅かに香る土の臭い。都会のコンクリートジャングルも嫌いでは無いが、こうして自然の中にいると人間が本来いるべき場所はここだという思いが溢れてくる。科学技術の発展と共に人間は利便性を手に入れたが、その代償にとても大切な物を失ってしまったのかもしれない。……なんて詩人みたいなことを考えているとスケッチブックを片手に佇んでいる人を発見。

何を書いているんだろうと気になって近づいて見ると、どうやら風景画を描いているようだった。といっても本格的な物では無くスケッチなので鉛筆でシャシャッと描いている感じ。少し遠目から見ても上手いのが分かるし、特徴も良く捉えていて相当な実力の持ち主と思われる。年の頃は二十代前半くらいだろうか?画家の卵か美大生と言った所かな。ファッションもベレー帽を被っていて画家っぽさがあるしいい感じ。そのまま少し眺めていると不意に女性がこちらに振り向き笑顔を浮かべながら話しかけてきた。

「こんにちは」

「こんにちは」

「もしかして私の絵を見ていましたか?」

「はい。凄い上手だなと思ってつい見入ってしまいました。それと集中している所を邪魔してしまったようですみません」

「いえいえ。構いませんよ。絵は人に見てもらって初めて形になるものですから」

「なるほど。見た所風景画を描いているようですが、そちらが専門なのですか?」

「基本的にはそうですね。偶に人物画も描いたりはしますが」

「へー。となると将来は画家になるんですか?」

「出来ればそうなりたいですけど、この世界は実力だけでは無く、運とコネがもっとも重要なのでなれるかは分からないですね」

「大変な業界なんですね」

「はい。仮に画家になれたとしても個展なんかを開けるまでになる人は極一部。大抵は鳴かず飛ばずで他の仕事をしつつ絵を描く感じになっています。正直夢も希望もお金も将来性も無い頭のネジが外れた人が選ぶ職業だと思っていますよ」

「それは……。なんというか……厳しいですね」

「あはは。ですよね。それでも絵が好きで、多くの人に自分の描いた作品を見て欲しい、知って欲しい、好きになって欲しいから目指せるんだと思います。例え報われないとしても」

「古今問わず生きている間に作品が評価されずに死後有名になった人も多いですし、それを思うと生まれる時代が違えばと思ってしまいますね」

「ですね。そう言った人の作品は生きていた時代の人達には早すぎたんでしょう。作品のもつ魅力を理解できる程の土壌が育っていなかった。これに尽きますね」

「往々にして芸術分野だけでなく様々な分野、特に創作系はその傾向が強いので難しい所ですね。先進的過ぎるものは受け入れられない人が多いですし、理解できないものを人間は拒絶しますから」

「その通りです。結果後世になって初めて理解され、評価されるという芸術家がどれだけいる事か」

本当に難しい問題だと思う。例えばピカソの絵を心から素晴らしいと言える人がどれだけいるだろうか?多くの人は理解不能とか、有名な人が素晴らしいって言っているから名画なんだとかそんな感想だろう。誰からも納得され、理解され、評価される作品など有りはしないから構わないけどモヤッとしたものはあるよね。その点二次元の絵っていうのは多くの人に愛されて受け入れられているし、芸術という観点で見るとかなり異質で特異と言えるのではないだろうか。問題点としてはどれもこれも判を押したようなデザインで、没個性的かつ誤魔化しがきく所かな。人体構造を無視した絵とか、全体的に見たらそれなりだけど部分的に見たら破綻していたりとか色々あるし……。本当に上手な人なんてプロでも数える位しかいないし、業界全体の質の低下は免れない状態で将来的には酷い事になるんじゃないかな。

「どうかしましたか?」

「あっ、失礼。少し考え事をしていました」

「そうですか。ぼーっとしていたので心配してしまいました」

「これはすみませんでした。これ以上お邪魔をしてもあれですし、これで失礼しますね」

「はい。私も色々お話しできて楽しかったです」

「それではまたどこかで」

「はい。さようなら」

うーん、思わず芸術談議に花を咲かせてしまったぜ。残暑と言うには幾分暑い中一陣の風が吹き抜ける。火照った肌を僅かに冷ましてくれたが、まだまだ日は高いのですぐに体温が上がる事だろう。

熱中症に気を付けながら新しい発見を探して散歩の続きと行こうか。


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