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この世界で俺は……  作者: ねこネコ猫
大学編
110/163

No109

現在時刻は朝の九時となっております。身支度は全て整えて朝食も済んでいるので、準備万端。休日なので家でダラダラと過ごすのも悪くないが今日はやる事があるんです。実はPCのディスプレイを増設しようと思っていて電気店に買いに行く予定です。今は二枚使っているんだけど、大学に通い始めてからやる事が増えた為足りなくなってしまったんだよね。同時に幾つもの資料を見たり、作業を進行していると圧倒的に画面が不足して作業効率が下がるので喫緊の問題として早期に対処する事になりました。わざわざ買いに行かなくてもネット通販で済ませればいいんじゃないという意見もあるだろうが、やっぱり実物を見て買いたいんだよね。見た感じとか実際の映像はどう見えるか等々現物を見なくては分からない事が多いからさ。つーわけで早速買いに行きましょう。あっ、ちなみに同行者はおりません。わたくし一人です。別に寂しくなんかないんだからね!



電気店といえばビックカ〇ラ、ヨドバ〇カメラ、ヤマダデ〇キ等が有名どころだろうか。ぶっちゃけ言うとどこも似たり寄ったりで大差が無いしどこでも良いんだよね。ただ、何となくこの店が好きかもってのはある訳で俺はヨド〇シカメラが好きかな。店員さんも親切だし、値引き交渉も嫌な顔をしないで対応してくれるしね。なんで結構好んで利用しているんで、今回もお世話になろうと思います。

さて、店舗は駅前にドーンと構えていまして非常に利便性が高い。しかも駅構内から店舗まで通路が繋がっているので天気が悪い日でも気にせず行けるという快適さ。んで、今はその通路をテコテコ歩いているんだけど少し遠くに特徴的な二人組がいるんだが。一人は着物を着ていて凛とした雰囲気を漂わせている人、もう一人はツインテドリルヘアーというインパクト絶大の女性です。いやー、見覚えがあるなー。特にあのヘアスタイルは忘れたくても忘れられないし、時折ここまで聞こえるオーホホホホッっていう高笑いがね……あの人で確定と思わせるんですよ。問題は声を掛けるか否かだが、二人の邪魔をしちゃ悪いしひっそりと見つからないように移動しようか。決して目立つ二人組と関わりたくない訳じゃないからね。

そうと決まればダンボールに入って移動……じゃなくて距離を空けて歩こう。

……が、いざ行動開始となった瞬間に着物姿の美人が勢い良くこちらを振り向いたではないか。そして、迷うことなくこちらに向かって静々と歩いてくる姿は妙な迫力がある。てか、なんでバレたの?第六感的なものなのか、はたまた巫女として神託でも降りたのか分からんがもう腹を括るしかない。

「悠様お久しぶりです。お元気でしたか?」

「こんにちは、真白さん。元気でしたよ」

「おーほほほ!!お久しぶりですわね悠さん!」

「はい、金城さんもお久しぶりです。壮健でしたか?」

「もちろんですわ!(わたくし)が体調を崩すなど有り得ませんわ~!」

「あはは。ですよね~」

「あの、悠様はどちらに行かれるのですか?」

「俺はヨ〇バシカメラにディスプレイを買いに行こうかと思ってます」

「そうなんですね。ご一緒してもよろしいですか?」

「構いませんが、特に楽しくも無いと思いますよ」

「そんな事はありませんよ。悠様と一緒に居られるだけで幸せですし、楽しいですから」

「分かりました。えっと、真白さんはこう言っているけど金城さんはどうかな?」

「私も構いませんわ」

「了解。じゃあ行きましょうか」

「はい」

「ええ」

こうして真白さん&金城さんを連れ立って買い物に行く事になりました。若干騒がしくなるけど一人よりも断然いいし、美人と一緒に歩けるだけで最高ってもんよ。


さてさて、三人揃ってディスプレイ売り場まで来たんだがどうにも各メーカーが新型を発売して間もないらしくズラーっと新製品が陳列されている。お値段も下は数万~上は数十万まで幅広く取り揃えられている。前世では主流はフルHDで4Kも持っている人が増えてきた所という感じだったが、この世界では主流は4Kで8Kが今後数年でメインに置き換わるかな?という感じだ。当然10Kも存在しそれは滅茶苦茶高い!まだまだ一般市民には手が届かない値段なので今回は買うつもりは無い。で、今使っているのが4Kディスプレイなのでそちらを買おうと思います。まあ、数年すれば全て8Kに置き換える予定なんだけどね。

「うーん、どれも良いなぁ。迷う」

(わたくし)は機械にあまり強くないので的確なアドバイスが出来ませんが、悠様はどういった商品を求めていらっしゃるのですか?」

「えっと、サイズは43型で解像度は4K、値段は八万円以内のディスプレイかな」

「なるほど?」

「真白さん、あなた全然わかっていませんわね?」

「そ、そんな事は……あります。申し訳ありません。私ではお手伝いする事が出来ません……」

「いえいえ、気持ちだけで十分ですよ」

「ふっふっふ、ここは私にお任せ下さいですわ~!」

「あー……、金城さんはPC関係に明るいの?」

「多少の知識はありますわ。というか今の時代PCや各種デバイスを扱えなければ仕事どころか日常生活すらできないでしょう?」

「確かに。特に日本では顕著だよね。…………もしかして真白さんって必須デバイスも使えないって事は無いよね?」

「それは大丈夫です。生活に必須の機械はなんとか扱えます。ですが、それ以外の機械になるとちょっと……」

「なるほどね。うん、じゃあ金城さん色々アドバイスお願いします」

「任せて下さいですわ!」

アドバイザーとして金城さんを迎えて色々と意見を交わした結果良い物を選ぶことが出来た。俺の要望も全て叶えているし大満足です。しかも金城さん自分で多少の知識はあるって言っていたけどとんでもない。滅茶苦茶詳しいし、説明も上手でこちらの質問にも懇切丁寧に答えてくれるし大いに助けになったよ。また、今みたいに新しく何かを買う際には頼りにさせてもらおうかななんて思ったり。

さて、無事買い物も終わったしこれでお開きかな。

「真白さん達はこれからどうするんですか?」

「そうですね、私達はこれから映画を観に行きます」

「ほぅ。良いですね」

「悠様も宜しければご一緒にいかがですか?」

「お誘いは嬉しいんですけど午後から予定がありまして」

「そうですか。ではまたの機会に取っておきますね」

「はい。その際は是非に」

「それでは失礼致します」

「悠さん、ごきげんよう~ですわ!」

「はい。今日は有難うございました」

こうして真白さんと金城さんと思わぬ出会いを果たした買い物は終わりを告げて家路へ歩を進める。さて、午後からは来客があるしお菓子とか買って帰るかな。



家に着くと玄関には見慣れぬ靴が揃えて置いてあった。あぁ、もう来てたんだなと思いつつ居間の方へ向かうと扉越しに可愛らしい声が聞こえてくる。

「ただいまー」

「あっ、兄さんお帰りなさい」

「悠さん、お邪魔しています」

「優ちゃんいらっしゃい。ゆっくりしていってね」

「はい。ありがとうございます」

「それと、これお菓子とジュースね」

「わざわざありがとうございます。丁度買いに行こうかなと思っていたんです」

「そっか。ならタイミングが良かったな」

「はい」

さて、渡すものも渡したし俺はこれでおさらばしようかな。そう思い踵を返そうとした所待ったの声がかかる。

「あの、良かったら兄さんも一緒にお話ししませんか?」

「いいの?()()二人のお邪魔にならない?」

「邪魔なんてとんでもない。寧ろ兄さんも一緒の方がいいです」

「そうですよ。僕も悠さんとお喋りしたいです」

「それなら少しだけお邪魔しようかな」

「「やった」」

うーん、声を揃えて言う姿はなんとも可愛らしい。

「そういえば優ちゃんって家にくるのは初めてだよね」

「はい。前から葵ちゃんからお誘いはされていたんですが、中々タイミングが合わなくって。でも、ようやく遊びに来ることが出来ました」

「そっか。じゃあ大いに楽しんでいってね。それとなんかいつもと服とか髪型が違うね」

「あっ、はい。折角なので新しい感じにチャレンジしてみました。どうですか?」

「ふむ……」

いつもはストレートのダウンスタイルだが、今日はお団子からの編み下ろしとなっている。見た目も可愛いけど凄い手間暇がかかりそう。そして服装は生足ショートパンツ+レースブラウスに大きめのパーカーというコーディネートになっている。確かに普段とは異なっているが、センスが良い上スタイル抜群なのでよく似合っている。総じてクッソ可愛い。男の娘万歳!

「一言でいうなら似合ってて可愛いよ」

「あ、ありがとうございます。悠さんに気に入ってもらえるかドキドキしてたので嬉しいです」

「優ちゃんは美人さんなんだからもっと自信を持って良いと思うよ」

「ふふっ、お世辞でも嬉しいです」

「いやいや、本心だよ」

などとイチャイチャしていると隣から悲し気な声色が耳に届く。

「……兄さん、私も頑張ったんですがどうでしょうか?」

「いつもと変わらず美人で可愛いよ。それとポニテも似合っているし、より柔らかい雰囲気になって好きだな」

「よかった。兄さんが好きというならたまにポニーテールにしますね」

「よろしく頼む。特にうなじのラインがグッとだからそこを強調してくれると尚更良いね」

「頑張ってみますね」

やや変態チックな発言にも葵は笑顔で答えてくれる。こんな最高の妹がいるだろうか?恐らく二次元にしか存在しないだろう。そんな存在が現実に居て俺の妹という事実。どうだ、羨ましいだろう!!

とまあ、そんな邪悪な考えは置いておいて優ちゃんも変わったよな。最初に会った頃なんて籠の中の鳥状態だったのに今では学校に通い、こうして友人の家に遊びに来るまでになったんだから感慨深いものがある。表情も明るくなったし、学校でも楽しくやっているみたいで安心だよ。真司の弟という事もあるが、友達としてこれからも末永くお付き合いしていきたいと思うし、その為に幾らでも力を貸そう。なんて柄にも無い事を考えてしまう。さあ、目一杯今日という日を楽しもうか!

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