コント【異世界から来た魔王】
ゲラゲラコンテスト3の応募作品です。
よろしくお願いいたします。
魔王…魔
お嬢様…嬢
警察官…警
魔「やっと見つけた…我が妻よ!勇者に命を奪われたそなたの魂を探し続けて早や十年。まさか異世界に生まれ変わっていたとは思いもしなかったぞ」
嬢「言っている意味が分かりません」
魔「そなたを迎えに来たのだ!」
嬢「ああ、新しい運転手でしたか」
魔「アタラシイウンテンシュとは何だ?いつものようにご主人様と呼んでくれ」
嬢「いつものようにと言われましても初対面ですよ?」
魔「初対面?まさか生前の記憶が残って無い…のか…?」
嬢「それにご主人様とは父の事ですよ?」
魔「ティティだと!?ティティとは勇者の名前!そなた…勇者に洗脳されていたのか!?」
嬢「どうやらあなたは新しい運転手では無いみたいですね」
魔「我は魔王。そなたの夫だ!」
嬢「なるほど、理解しました」
魔「おおお!思い出したか?我が妻よ!」
嬢「ロリコンの変態ですね?」
魔「ロリ…コ…ん?意味は分からぬが屈辱的な何かを感じる」
嬢「きゃーたすけてーおまわりさーん(棒読み)」
警「ちょっと、ちょっと~!交番の前で大声出さないでよ!もう直ぐ勤務交代の時間なんだからさ~」
嬢「児童ゆうかいの現行犯です、たいほして下さい」
令嬢が警官の後ろに隠れる。
魔「貴様は誰だ!?我が妻をたぶらかす勇者の一味か!?」
警「うわ~!折角見て見ぬ振りしてたのに」
嬢「仕事しろよ、税金どろぼう!」
警「嫌だよ~この後、合コンなんだよね~」
嬢「くさってますね…父にたのんでクビにしてもらいましょうか?」
警「こわっ!小学生に脅された!」
魔「何を楽しそうに話をしている!我が妻から離れろ!消し炭にされたいのか!?」
警「えええ~?楽しそうに見える?脅されてるのに」
嬢「そこのオジさん。このくさった税金どろぼう、消し炭にしてください」
魔「おおお!我が妻の可愛いお願い、聞いてやらんことも無い!」
警「消し炭にする事が可愛いお願いなの?」
嬢「ツッコむとこ、そこじゃ無い」
魔「消えて無くなれ!ダークファイヤ!」
嬢「…」
警「…」
魔「何故…何故ダークファイヤが出ない…」
嬢「ツッコみなさいよ」
警「嫌だよ、関わりたくない案件」
嬢「これ以上あんなはずかしいセリフ聞きたくないです。回収して」
警「無理~!調書とか取るのやだ~!残業したくない~!」
嬢「だだっ子か!?」
魔「そうか分かったぞ!この世界には魔法を行使する魔素が無いのだ!」
嬢「消し炭にならなくて良かったですね?」
警「その設定まだ付き合わなきゃ駄目?」
魔「はっ!なんたることだ…魔素が無ければ魔王城に帰れないではないか!?」
嬢「ロリコン変態ホームレス男がおまわりさんに保護を求めています」
警「押し付けないで!」
魔「ああ!そうだ、念の為に魔石を用意していたのだった」
魔王がゴソゴソと懐を探る。
魔「これで貴様を消し炭に出来る!」
嬢「消し炭にされますよ?(笑)」
警「それは困るな(笑)」
魔「消えて無くなれ!ダークファイヤ!」
嬢「わ~お!掲示板が燃えましたね」
警「コントロール皆無だね」
嬢「ツッコむとこ、そこじゃ無い」
警「本物の魔王って事?」
嬢「だって掲示板、消し炭ですよ?」
魔「くそっ!外したか!今度こそは…ダークファイヤ!」
嬢「…」
警「…」
魔「しまった!魔石は一回しか使えないのだった!」
嬢「放火の現行犯です、たいほして下さい」
警「後、十分で交代だから様子を見よう」
嬢「清々しいほどにブレませんね」
魔「かくなる上は魔王城に戻り大量の魔石を取りに行こう!」
嬢「先にそうするべきでしたね」
警「いつ気付くかな?」
魔「あああ!魔石が無いと魔王城に帰れないのだった!」
嬢「以外と早く気付きましたね」
警「ところでお嬢ちゃん、こんな所で何してたの?」
嬢「迷子なんです。保護して下さい」
魔「あああ!帰れない~!!」
警「あああ!帰りたい~!!」
読んで頂きありがとうございます。
別作品、コント【異世界から来た勇者】も読んで頂けたら幸いです。