暗い部屋
この部屋に閉じ込められて、どれ程の時間が経っただろう。
狭いベッドしかない部屋に監禁され私は途方に暮れていた。
実際には監禁なのだろうか?
それすらわからない…
私を閉じ込めた者は現れず、拉致された時の記憶はなく、ただただこの部屋に居続けているからだ。
壁は黒ずみ、部屋の中の空気は重く軋んでいる。
何も起こらない
それがどうしようもなく不安で、おかしな安心を生んでいる。
最初は大声をあげ、壁と扉を蹴り飛ばしていたが
それは無駄なのだと、なんとなく悟った
部屋そのものから無意味だと提示されている気がする。
怪しい男たちが入ってきて、私を拷問するのではないか?
何かの取引を強制されるのか?
そんな不安で堪らなかった時間もとうに過ぎた。
行動する事が何もない
辛い時間だ、ここは この感じは
私が以前入った病院の一室を思い起こさせる。
私の腕には時計がある、その時計は確かに時を刻んでいる
間違いなければ、気付いてからもう72時間以上経っている
それが、この部屋が異常であるという事を示していた。
私は食事をしていない
なのに、腹は全く空かず、喉は乾いたが
水を飲まなくても平気なのだ。
トイレにはもちろん行っていない。
この部屋は、暗い。