父親の存在
プレゼントを異世界に贈るには、異世界郵便局にプレゼントを届けなければいけない。
手続きが面倒なのだが。
私は王女の権威を利用し(本当はダメ)、無料でプレゼントを贈った。
数日後。
「おい、美雪。」
父上が怖い顔をして近づいてきた。
「父上、何ですか?」
「お前、異世界郵便局に圧力をかけて、タダでプレゼントを贈ったんだろう?」
父上が私に差し出したのは、一通の手紙だった。
おそらく、異世界郵便局が送り付けたのだろう。
「なぜ権力を利用する事を嫌うお前が、そこまでしてプレゼントを贈ろうとする?」
「・・・異世界から、時空のゆがみのせいで飛ばされた少年がいて、私は少年の事が心配だったから、プレゼントをあげようと思ったの。」
「この馬鹿娘っ!!」
頬がカッと熱くなった。
少しふらついてしまったが、直ぐに体勢を立て直した。
「華、美雪を部屋に閉じ込めろ。」
「嫌ッ。」
私は侍女の華の手を振りほどいた。
父上が言う部屋とは、八畳の部屋。
トイレの際は出てもかまわないのだが、必ず侍女たちが見張っている。
食事は麦飯と汁物のみ。
王女であるにも関わらず、麦飯と汁物とは何て貧乏くさい食事だろうか。
そう思いながら、私は精一杯、華の手を振りほどく。
しかし、華は既に三十路。
対する私は15歳。
私は華に引っ張られ、部屋に閉じ込められた。
「父上など、大嫌いだ。」
私はそう呟き、父上の写真を燃やした。
私の恋に邪魔なのは、父親の存在だ。
美雪、反抗期に突入。