6 この世界
もう、このまま寝てしまおうかとも思う。
でも、そこに声が飛んできた。
「ありゃ、勇者さん。ご休憩かい?」
俺は目を開けて、声の飛んできた方向を見ると1人のなろう民がいた。
「ん! ゆ、勇者って・・・俺のこと!?!?!?」
思わずそう叫んでいた。行っている意味がわからないが、
そのなろう民は愉快そうに「ああ、そうさ!」と簡単に頷きやがった。
俺は呆気にとられていた。
呆気に取られつつも、何故このような所にいるのか聞いてみた。
「見事な切り口だったから、どんな人が切っているのか見てみたくなってやってきたんだ!」
また、あっさりと言われてしまった。
唖然としてみていると、このなろう民は私の顔をみてニヤリと笑い2つの物を渡してきた。私はそれを受け取ると先程まで色あせていた世界に少しだけ色が戻った。
何だこれは!? 驚きと困惑が俺の中に襲っているとまた1人俺の方にやってきた。
彼の服装を見ると歴戦の戦士と言える格好をしていた。
彼もまた気さくに、「よう!」と10年来の友達の様に手を上げてやってくる。
彼は感心する様に、
「よくもこれだけ書(刈)ったな!」
と、声音から賞賛の言葉が降り注いだ。
俺はそのを見ていて少し照れた。
でもってその戦士はいくつもの物を拾って持ってきてくれていた。
その数は合計で20個、それをありがとうと言いおっかなびっくりで受け取ると、また俺の世界に色がもどる。
俺は思わず呟いていた。
「何だ・・・これ・・・」
2人の民は笑った。
「あははははは、初めての人かい?」
「ふははははは、初めての奴か?」
2人の人は同じことを言う。でも、どちらも楽しそうに聞いてくる。
俺は、思わず、ああ。と頷いている。
2人は互いに驚かせた事が楽しかったのかハイタッチしている。
2人の知っていることに俺は何なのか聞きたくなって聞いていた。
すると、普通のなろう民と戦士風のなろう民が、目でやり取りをした後戦士風のなろう民が答えた。
「今のは冒険者になったものしか食べられない。冒険者の魔法の兵糧丸みたいなものさ。」
と、厳つい顔して左側で縦に傷がある戦士は言う。が俺は驚く先程まで顔なんて見えなかったのに、今は見えるから。
そこにもう1人のなろう民が話す。
「今の君には世界がどう見える?」