愛した先にたどり着く自分
プロローグ
「お前が悪いんだ。なにもかも。」
血の滴る鉄パイプを持つ私に、その男性は命乞いをしてきた。
「私が悪かった!虐待していたことを認める!だから!殺さないでくれ!見逃してくれたら、私は自首をする!」
そんなことを言われて私も少しは、心が動いた。認めてくれてその上自首をしてくれると言うのだから
「わかったわ、私はお前を許してあげる。」
私は顔に笑みを浮かべ相手を安心させた。
「あ、ありがとう…ほんとに申し訳なかった、息子にもあやま…な、何をしているだ…」
男性の顔は、みるみる安堵した顔とは一変して、恐怖に充ちた顔に変わっていく。
私はその顔に見て、楽しみながら手に持った鉄パイプを振りかざした。鉄パイプの先は月を指している
「許してあげる。て、言っただけよ。忘れない、綺麗な月が出る時お前が惨めに死んで行ったことを思い出してあげる」
ガタガタと歯を鳴らし恐怖に充ちた男を私は、なんの躊躇もなく、砕いて動けなくなった男性を、腕、あばら、腹部、じわりじわりと私は男性をいたぶり殺した。
動かなくなり、人形のようにぐったりとなった男性をこれでもかと言うくらい、滅多打ちにしたのだ、返り血を浴びていくうちに私はだんだんと、興奮していきさらに殴りまくった、気がつくと男性は人の形を残してはいなかったのだ。私は、証拠隠滅のため肉片になった男性を少しづつ引きちぎりながら、川に流した。
「やった…やったぞ…愛斗君…やったよ私。ふふ…ふ…あははははは!」
殺害に使った、鉄パイプは5メートルほった穴に埋め隠した。
私を祝福するかのように、月光は私を照らしてくれた、私は恋人の愛斗君の元に走って会いに向かう、家に着き、部屋に向かうと待っていたのは…
ギシ…ギシ…
天井からぶら下がる愛斗君…
机には遺書があり…私は…私は…なんのために…やつを殺したんだ…ぶら下がる愛斗君を私は床に下ろし、彼の体から汚物を拭き取り、ベッドに横にしてあげた。
だが、その顔に苦痛はなくどことなくアンドに充ちた顔をしていたのだ。
「愛斗君…やっと幸せになれたのね…良かった…愛斗君」
私は彼を優しく撫でた。愛してる愛斗君、色んな愛斗君。死んでても可愛くて愛おしい愛斗君。そんなあなたが死を選ぶなら私は、反対しないよ。
「そっか…愛斗君を食べちゃえば彼は私とひとつになれる。永遠に私たちは2人でいられる…愛してる愛斗君をずっと近くに感じられる…」
私は、彼を切り刻みその場で食べ始めた、最初は気持ち悪かったが、直ぐに愛斗君の美味しさの虜になった。食べられない内蔵や硬い筋肉部分は切り刻みトイレに流した。
残った骨もハンマーで砕き。私はツボに入れて自宅に持って帰った。
部屋に戻った頃にはもう朝になっていて、直ぐに私は血塗れのジャージを袋につめ、シャワーを浴び学校へ。ジャージは学校の焼却炉に投げ入れ燃やすことにした。
1日を終えいつもの様に、隣の愛斗君がいたクラスへ行くしかし、そこに彼はいるはずはない。
「愛斗君いる?」
「榊、今日休みだよ?」
クラスの男子が私に答えてくれた。知ってるよ?だって、愛斗君は私の中にいるんだから、私は分かりつつも、愛斗君のいるクラスへ行ったのだから、私はあくまで無関係者。そう装うためにね…
「そっか…心配だな…」
私は心配したふりをしつつ教室を去った。
今までにない、幸福感に四六時中満たされている私は、足取り軽く帰路に着く三百六十五日彼は私だけの物。そう考えるだけで、私は興奮してしまうのだ。しかし、生活をしていくうちに1つの問題が生じ始め、それは食生活に現れた。
自分で作る夕飯が美味しく感じなくなったのだ、愛斗君の肉…いや…人の肉が美味しい。そう思えてしまう。そして愛斗君のおじさんをリンチした時の高揚感も忘れられないのだ。
手が震える、また、滅多打ちにしたい。そんな気持ちも現れ始めた。
そんなある日、私に告白してきた男子がいた、同級生の山中 優君、彼は愛斗君に似ていた、私は少し渋りながらもokをして、交際をした。デートを重ね彼とも距離が近くなり、お泊まりもするようになった。しかし…私は気づいたら彼を撲殺し食していた。
「あ、また…でもいっか…私を好きな人が私に食べられるなんて本望だよね」
いつしか、私は付き合う男性を殴り殺し快感に満たされ、そして食し食用までも満たしていた、それが最高に幸せだった。そんな生活をし始め、7年の歳月がたった22歳のある日
呂律が回らなくなったのだ、最初は疲れから来たものかと思ったが、次の日には体が動かなくすらなったのだ、布団から動けない一人暮らしで両親もいないから助けは来ない。次第に薄れていく意識の中、私は今まで出会った彼氏を思い出していた。
愛斗君…今そっちに行くね…
その日私は、息を引き取った。