バシャとバタ足(短歌集) ー種類別版ー
~自然詠~
小雨降る
6月20日水曜日
ビチャビチャ足を鳴らし登校
パリピーな狗尾草は
路走る車に
身体激しく揺する
ピヒャピヒャと
激しく空を飛び回る燕達見て
「ヤレヤレ」と鳩
久々の空から
光差し出して
ヤマトシジミが嬉しく舞った
クロアゲハ路を渡るよ
ルンルンと
家も車も擦り抜け遊ぶ
ピュープーと
激しく風が乱れ吹き
落ち葉も花も強く受けられ
晴々な嵐を吹かす
不完全に閉めた窓から
笛が鳴らす
水無月の終わりを告げる
蝉の声
寂しく思うこの一ヶ月
炎天下
バスに乗れず歩く僕
激しい風が温かみ思う
世が歪む程の暑さを
耐えて耐え
ベンチ濡らしてバスを待ってる
白い山
空に漂う真夏日に
体広げる怪獣のよう
燕達
君らも祭りの準備かな
セカセカ舞ってセカセカ啼く
寂しくと夕焼け小焼け
流れゆく静かな田舎
感じてる僕
夏に咲く
タンポポを見て皺寄せる
神の気紛れ哉と歩いてく
蕺よ
君は本来便利なる草と呼ぶ可き
何故其処に咲く
山吹の天道虫が
窓を這い蹲り
夕日眺めていたり
外は暑い
中は寒い
真夏日の激しい温度目を回される
蝉達の合唱会が
今外で楽しく歌う
何の曲哉
まだ続く
猛暑日の日々日々
子狐の鬣剃っておこうかなと
桃色に色つく
都営住宅を窓から眺む
アンニュイな僕
巣の中に
四匹のツバメの子供達
餌をくれと強請る可愛さ
おや?此処に関東蒲公英
日陰にて伸引咲くよ
ヤマトシジミと
大泣きをしてこの町荒らし上げ
駄々を捏ねては
傷付け逃げた
~ 人事詠 ~
前々と詰める乗客
スカスカの後ろの席に
閑古鳥鳴く
バシャバシャと
バタ足してる友人等
晴天照らし飛沫輝く
街道で
柱に負けた乗用車
訳が知りたく何度も見てた
42の瞳ぞろぞろ
予約した中学らに
一同ビビる
バス来ない
10分待つもまだ来ない
そうなると逆に心配なる
ファッションに関する授業
皆皆で私服着こなす
異例な景色
公園で
水鉄砲を撃ち合って遊ぶ子供達
僕い乍ら
「落ち着いてやれば良い」と上司たち
優しく声掛け
泣きそうになる
新のお盆
知らず家族は墓参りして悔い残す
それが今日や
話し合い
僕は蚊帳の外
柔成と椅子に座り只々聞いた
中学の頃の先輩
久々と
会って名前もまだ覚えてる
夏休み来るのはなんか嬉しいが
なんか嫌だな
紙を渡され
猛暑日に
夏祭りやるとは疲々になりそうだなと
少し冷や汗
人、人、人
室内でやる夏祭り
都会のように潰々になる
びっしょりと汗を掻いてる
弟に無理矢理配慮し
車揺れる
変わりゆく保育園を
フェンス超しで眺めてみては
懐古を思う
夏祭り来るたび友が恋しいと
弟が言う
汗を流して
美容院で
髪型変えしキノコヘアと思ってると
クールに分け目
薄毛気味の父、スポーツ刈りをして
カッコイイのか…
少し悩むな…
オスプレイ
夕焼当たり
楽遊と飛ぶ姿見て応援をする
~ 自身詠 ~
足震え
この地踏むのがまだ心の準備できず
泣きたくなった
検定の練習用紙
握りしめ
「必ず受かる」そう信じてた
この歌よ
普く普く広がれよ
心打たれ増えろよ増えよ
プールバッグ背負う17
夏休みみたいな気分
今感じる
そろそろと自由律短歌
復活をしたいと願う
自分らしく
時過ぎる度に辛さが
日に日にと溜まる頃には
重く感じる
ワープロを受かるため紙にメモ綴り
無理に頭を
フル回転
一枚で
30円のハッシュドポテト
袋に十個詰めてる僕
我儘な
僕なんで此の世界では
塵と同じと思う17
クーラーで
部屋中冬にさせられて
夏だが毛布無しは震える
実習の為に
一心努力して
「まだ足りない」と自ら責める
霧雨の様に僕にも
目に見えぬ心の涙
毎日流す
流した汗冷たく冷やす
バスの中
クーラー当たる心までも
辛み辛み辛み抱えるこの命
進むべきかな
立ち止まるべき
2Hだけの風景
画用紙に薄ら写る
悔しみ思い
全員が髪切り終える
その間
キッズコーナー眺めていたり
温泉を浸かり
国名思い出るだけ思い出し
長く居座る
何も無く
猫さえ最早小父さんになってしまって
僕も小父さん
~ 旅行詠 ~
ポンポコなお好み焼き屋
我が祖母がお墨付きなる
また足運ぶ
獅子呻るような轟音
響き出し飛んだ物体
嗚呼横田基地
チリチリチンドコドコドン
ヨイショッショ
真夏日にて祭々だ
炎天下
車を洗う我が家族
濡れて濡れては僕のTシャツ
改札の前でマルシェが
ワイワイとやってて
僕は少密買った
学園の夏祭りに
行こう行こう
僕の学校どんな感じ
地元にてワイワイやるよ
夏祭り
近隣の人嗚呼楽しそう
多種多様の車眺めて
バスを待つ
鳥を眺めて都バスを待った
窓見れば
未知なる青梅目に映る
レトロな街に数々の山
曇り空
蒸し暑い雲浴び乍ら
温泉向かうこの水曜日
塩梅に
外の気温と湯の温度
丁度よく合い一息吐いた
ガパオライス一口銜え
嗚呼旨い
もう一口矢張り旨い