輝く豚菜(短歌集)ー種類別版ー
~ 自身詠 ~
世の中に
散々心汚されて
一人がこんな幸せだとは
啄木の命日に合わせ
息絶えることを思う
若き僕やら
小雨の降る皐月に僕
半袖を無駄に着こなす
恥じらい捨てて
化粧室
僕を見捨てて暗い儘
「死神来たか」勝手に思う
家帰るまで高校の生徒だと
かっこ付けてる
若き僕やら
半年も綴ったの
自由律短歌
僕の心と共に退化か
「とくとく」の漢字分からず
スマホに頼った
これが現代人か
毎日が
楽しい日々と思えたなら
イラストうんと描けてたのに
闇深い
噫闇深い
僕の心黒く塗ったの何処に居るの!
曇天に清々しく軽食する
ポカリスエット
カロリーメイト
影映る寝ぐせに気付き
引っ込めと一心に直す
御茶目な僕
日に日にと
データ量減るスマホ
嗚呼君よどこで食い込んだんた?
学校で
自らのキャラを打ち壊す
其れしか気持ち癒せなくて
財布には
83073
ちょっとリッチと勝手に思う
綿菓子を
小僧の様に頬張って
我を忘れる高校の僕
「キジバトの様に自由に飛べたなら…」
悩みを背負う
青春の僕
電波時計止まり
僕の集中も停止されてて
気持ちフリーズ
幸福の女神よ僕に降り注げ
涕流れる
その前に来て
ぼんやりと椅子に腰掛け
何もかも忘れて
宇宙行きそうになる
吾夢を追いに追い駆け
未だ手には名誉も何も
得ぬ儘復追い
データ量
共に僕の気持ち迄日に日に減ってく
噫人生よ
せめてなら
僕がいたこと残せれるものさえあれば
早世もいい
今日の夢
怖い奴に追っ駆けられ
目覚めも悪く「嗚呼もう怠い」
ぼんやりな悩み抱え
生きてては
薬で図り目を閉じる哉
顔押さえ落ち込んだ時
窓見れば
憂鬱気味な曇りが見えた
剽軽になりつづ生きる
悲しみに満ちた僕は
昔を思う
「好きな事だけは死んでも離すな!」
CMに勇気
付けられる僕
プレッシャーは
怖いものではないと僕頭入れるも
まだ震える
焼そばの湯切りで作る
ほろ苦いカフェオレ飲んで
何とも言えぬ
久々にマウス震わせ
イラストを一心に描いた
机片付け
実習を極度に皺を寄せてるが
行くの決めたの
理不尽な僕
「毎日が休日ならばいいのにな…」
王を夢見て
汗流す日々
何時しかと
罪に手を出す日を恐れ
だからストレス溜め続けてる
心震え
ホームのベンチ腰掛けて「良い子になろう」
でもできるか?
一人旅する気持ちを身にしめて
快速の電車
来るのを待った
「トーストを食えば良かった」
駅のホーム一人で思う
…明日食べよう
昼休みに何を話そう
分からずに
ずっとだんまりイスに座る
頑張って
僕の口から声搾り出して
返事を必死に返す
小学の頃に言われた
「家帰るまでは遠足」
今思い出す
「本日は朝食食べてきた!」と僕
でも考えると
当たり前や
子狐が筋肉質になる絵で
自爆を起こした
一人寂しく
静かなる
昼休みに僕この短歌一首詠んでも
まだ寂しい
上司との最後の会話
タメ口で
「マジ泣きそう」と言った後悔
「僕なんかゴミ以下なんだ!」
そう思う僕にグーパン
お見舞いしたい
PIXIVを始めてから
早一年
だが悲愴にも筆が進まぬ
優しさが分かってくれず
落ち込むが
これぞ英雄なのかと思う
だらだらと心に汗が
どっぷりと流し
ネクタイ無いこと試す
悲しみが直ぐには消えず
どれほどの弱音を吐けば
飛ばせるのかな
~ 人事詠 ~
バスの中
必死にメイク熟す女性
揺れに耐えて視線に耐えて
「彼は僕を恋してるかな」
トラウマを癒やす様に
自らフォロー
「細鹿尾菜生やしている」と
友人を一寸揶揄う
女性教師
友人や教師に託し
友から逃げ
罪悪感を抱えて帰る
tiktok見ては評論し合って
笑う友人
叫ぶ友人
小学の時から一緒の
友人は
こんな剽軽なるとは知らず
キックボード乗りこなす子等
擦れ違い
無い思い出浮かぶ17
「もう出来た?」
「終えたらくれよ」
日が経つ度頭抱えるPOP作成
頭抱えPOPを作る
悩み《なや》に悩んで綴る
「サラダ記念日」
単純に見えた
歌集読み上げる度謎増える
「サラダ記念日」
給食が
機械のトラブル起きて今延長される
おお空前
近所にて
コミセンまつりがやがやとやっております
太陽の下
故郷の味が染みてる
おじさんの作る焼そば
トレーがキラリ
オウオウと吃逆してる父親や
僕と似ている
これも遺伝か
唯一の駅の朝は人集り
昼は寂しく
屯する晩
「人間に生まれてよかった」
「何故僕は人になった」
悩む弟
友が言う
「俺もホントに悪かった」
ありがとう、でも心痛いの
日曜の憂鬱
癒やしてくれるのは
8時にやるイッテQだけ
一心に走りし
僕は4と書く旗の前で
芝生に腰掛け
芝生にてボールを飛ばす
友人等
茶色い球がユーフォーになる
ジャージーの生徒ら叫ぶ綱引きや
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!
必死な男子
声合わせ
「セッセッセイヤ!セセセイヤ!」
皆で綱引き掛け合う言葉
一心に描いた
記念日のイラストに
「おめでとう」とコメントが来た
訂正の数だけ鬱が増してゆく
何故お礼状
こんなに辛い?
兄弟で孤独なバス停
静かにと雨宿りして
来るの待った
プールサイド
清掃する生徒たち
体操服が涼しく濡れる
夕焼に当たり
背伸びを一つする
疲れた体動かし帰る
弟とその友人が
バス停でじゃれあう二人
それを見る僕
小難しい話聞かされ困る僕
相槌打ち
何とかしよう…
教室の人と
廊下の人との
カードゲームの試合を見ていた
~ 自然詠 ~
昼頃に
雨が降るとテレビが言う
信じて僕は晴天に傘
折り畳み傘が奏でる
rainmelody
乱数の歌耳に響く
雹で皆振り向いた5月10日に
昼下がりにて
跳ねる米粒
太陽に照らされ光る
車達
新車も中古も美しく見え
矢車草
君も伸引しているか
皐月の光浴びる今日も
豚菜豚菜
豚菜咲く路走るバス
日に照らされ煌めく豚菜
白十字見せる華は
毒溜み哉
輝く様に咲いた此の道
コカ・コーラ片手に散歩
鮮やかな雑草の道
寂しく歩く
「お前らも元気になれよ」
僅かなる飲み物
土に優しく注ぐ
閑古鳥鳴いてる声と
キジバトの鳴いてる声が
侘しく合った
歩いてて空を見上げても
歩いてて空を見上げても
地面の色や
深夜降る雨から一転
日が差した
僕の心もそうであればな…
曖昧な天気の果ては晴れだった
僕の人生
そうであればな…
斑鳩や鴉等が
夕焼けに何気と来てる
箱根ヶ崎駅
日が差すも空は曇りや
母親が不思議そうに
スマホ見比べる
偶然か?
天気に合わせ僕の気持ち変わりに変わる
天気男か?
この道を踏み入れる度
牧場の雰囲気思う
それは何故
水彩の夕日眺めて
寂しさを思う頃
猫が懐き癒えて
唐楓の路を歩く
雨の中
濡れた革靴重み感じる
風揺らぐ
狗尾草の路歩き
僕だけ揺れず寂しさが増す
複雑で忙しく飛ぶ燕達
今日は祭りか
曇りの下で
白毛布被ったような
空の下
不思議そうにと眺めてる僕
<PBR
霧雨で雫を纏う
紫陽花の道に傘差し
伸引歩く
~ 動物詠 ~
車走る
そんな所で飛び回る燕等がいる
青梅街道
ダンゴムシ
ホーム横断
テケテクと可愛く歩く姿眺める
階段に縮こまってる
燕の雛
助けたいけど歯痒さあり
猫愛し
猫を撫で上げ擦り付かれ
猫に幸せくれた17
コーラ飲む
すると飼い猫僕の足優しく擦る
嗚呼幸せや
雨の降る
土曜日に猫仄々と
「撫でて」と強請る可愛さに負け
~ 旅行詠 ~
川越に行く電車揺れて
新世界広がる車窓
八高線
高麗川を
「こうらいかわ」と誤読する若人思い
少しにやける
実習で
ビルには入りし見下ろすと
一味違う風景映る
常盤色掲げるザ・モールみずほで
はなまるうどん
鱈腹食べる
田舎町だがモールの中
大都会
休日にて物思う僕
珍しいオレンヂライン
乗り込んで
3つの線路贅沢してる
人前で荷物が走る
武蔵野線
今迄に無い迫力感じ
チカチカと点滅してる
「拝島」の電子掲示板
少し眺める
~ 社会詠 ~
白黒の道に
一人で実習をしに
この都会一歩踏み入れ