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ニフェーデービル(短歌集) -種類別版-

-　短歌　-

去《さ》らば家《いえ》

私《わたし》は旅《たび》に出発《しゅっぱつ》だ

寂《さみ》しい思《おも》う静《しず》かな部屋《へや》が

グラデーション

掛《か》かる黄昏《たそがれ》

修旅《しゅうたび》のオープニングを漂《ただよ》わせるよ

ハンカチを忘《わす》れコンビニ駆《か》け込《こ》んで

150円《えん》

無駄《むだ》にしてしまい

流《なが》れ行《ゆ》く景色《けしき》見《み》ながら

ギュウギュウの通勤列車《つうきんれっしゃ》

忍耐《にんたい》する

国分寺《こくぶんじ》

そこから先《さき》は窓《まど》見《み》れぬ

見《み》えるは人《ひと》の顔《かお》、体《からだ》のみ

疾走《しっそう》に見《み》とれ緊張《きんちょう》失《うしな》って

楽《たの》しみ一段《いちだん》

増《ま》してゆくよ

初《はじ》めての飛行機《ひこうき》に僕《ぼく》

興奮《こうふん》を一心抑《いっしんおさ》え

飛《と》び立《た》つの待《ま》つ

僕《ぼく》たちを乗《の》せた飛行機《ひこうき》

何処《いづこ》へと

窓眺《まどなが》めれば町《まち》、山《やま》、海《うみ》と

ドキドキと

中々(なかなか)飛《と》ばぬ飛行機《ひこうき》は

滑走路《かっそうろ》でドッキリ仕掛《しか》ける

予想外《よそうがい》！

こんな早《はや》くも走《はし》るとは！！

轟音《ごうおん》鳴《な》らしFly away！！！

雲達《くもたち》が

水《みず》に浮《う》かんだ泡《あわ》のよう

それ程高《ほどたか》く飛《と》んでしまった

一《いち》か八《ばち》か

着陸前《ちゃくりくまえ》の写真《しゃしん》撮《と》る

揺《ゆ》れに耐《た》えながらいいもの撮《と》るぞ

「この客室《きゃくしつ》、綺麗《きれい》過《す》ぎて寝《ね》れない」と

友人《ゆうじん》が言《い》う

僕《ぼく》も思《おも》うよ

友人《ゆうじん》の一人《ひとり》中々(なかなか)

起《お》きないよ

「時間《じかん》じゃないから平気《へいき》」と言《い》われ

雨降《あめふ》りの中(なか)僕達《ぼくたち》はバスに乗《の》り

祈念公園《きねんこうえん》

今《いま》向《む》かってる

紅《くれない》の大地《だいち》と化《か》した

この島《しま》は

今灰色《いまはいいろ》の大地《だいち》になった

美《うつく》しき

青《あお》い海(うみ)昔《むかし》赤《あか》い海《うみ》

悲《かな》しき海(うみ)静《しず》かに語《かた》る

礎《いしずえ》の形《かたち》は波《なみ》を表《あらわ》して

永遠《とわ》の平和《へいわ》を

永遠《えいえん》祈《いの》る

写真《しゃしん》見《み》て

美《うつく》しいほど残酷《ざんこく》と葛藤思《かっとうおも》い

資料(しりょう)眺《なが》める

並《なら》べられた古《ふる》いビンみて

戦争《せんそう》の恐《おそろ》ろしさ知《し》る

苦《くる》しみを知《し》る

首里城《しゅりじょう》の欠片《かけら》が酷《ひど》く残《のこ》ってて

歴史《れきし》壊《こわ》され

そして復元《ふくげん》と

証言《しょうげん》を不思議《ふしぎ》と見《み》てた

小説《しょうせつ》が苦手《にがて》な僕《ぼく》が

そう思《おも》ったの

悲《かな》しみと残忍《ざんにん》さ綴《つづ》る

証言《しょうげん》を読《よ》み終《お》えたとき

何《なに》かが変《か》わる

子供《こども》さえ

容赦《ようしゃ》なく襲《おそ》う戦争《せんそう》は

傷跡《きずあと》、空気《くうき》だけが残《のこ》った

女《おんな》の子《こ》さえも殺《ころ》され

悲《かな》しみの洞窟《どうくつ》となった

ひめゆりの塔《とう》

マダガスカルオオゴキブリは

あまりにも大《おお》きすぎて

らしくもないな

今頃《いまころ》の

東京《とうきょう》にいる家族《かぞく》は

トラブルなどに気《き》を付《つ》けてるかな

ウノ遊《あそ》び

色々(いろいろ)言《い》われ落《お》ち込《こ》んで外《そと》で降《ふ》る雨《あめ》

そのようになる

「おやすみ」と一応《いちおう》言《い》うよ

騒《さわ》がしい中《なか》で意地《いじ》でも

寝《ね》てやるからな！

窓《まど》の隙間《すきま》から聞《き》こえてくる信号機《しんごうき》

今日《きょう》は曇《くも》りだ

楽《たの》しめれるか

「元気《げんき》ないね、大丈夫《だいじょうぶ》？」と

言《い》われても原因作《げんいんつく》ったの

君《きみ》たちだから！

バシャバシャと

魚《さかな》を撮《と》って撮《と》りまくり

名前《なまえ》知《し》らずに記念《きね》に残《のこ》す

クロナマコ

緊張《きんちょう》のあまり硬《かた》くなり

まるで黒《くろ》い胡瓜《きゅうり》の様《よう》に

パイナップル？

いやいやこれはアダンだよ

木《き》になるパインあれぞアダンだ(?)

バスの旅《たび》ここで終《おわ》わり

楽《たの》しい日《ひ》それらに向《む》けて

「ニフェーデービル！」

「おんのじ」の言葉《ことば》を残《のこ》して置《お》きたいな

地元《じもと》の方言《ほうげん》

「大丈夫《だいじょうぶ》」だよ！

ワイワイとお楽《たの》しみ会始《かいはじ》まって

ギャーギャー騒《さわ》ぎ

ガヤガヤ終《お》わる

この旅《たび》は今日《きょう》で閉《し》まる

貴重《きちょう》なる僅《わず》かな時間《じかん》

大事《だいじ》に使《つか》う

早速《さっそく》も爆買《ばくか》いしちゃった

値引《ねび》きされ思《おも》わず買《か》った

公設市場《こうせついちば》

三羽《さんば》をなめていました

意外《いがい》にも深《ふか》くてムズい

参《まい》りました

サトウキビ味《あじ》のアイスは

蜜《みつ》(?)の味《あじ》

とろーりとしたそんな食感《しょっかん》

案外《あんがい》と

アニメイトは面白《おもしろ》い

立川《たちかわ》とかは凄《すご》いだろうな

雨《あめ》の中《なか》

飛行機《ひこうき》空《そら》へ向《む》かってる

町《まち》、雲《くも》、雲《くも》、雲《くも》、雲《くも》、雲《くも》、晴《は》れ

もう慣《な》れた

スピードなんぞ驚《おどろ》かない

周《まわ》りギャーギャー騒《さわ》いでるよ

飲《の》み物《もの》が欲《ほしい》しいだけなのに

言《い》えぬ儘《まま》

ストーカーように見《み》てしまったな…

嫌《いや》な事《こと》

全《すべ》てアップルジュースに

ぶち込《こ》み飲《の》んで忘《わす》れればいいな

東京《とうきょう》に帰《かえ》れる気持《きも》ち

沖縄《おきなわ》を離《はな》れる気持《きも》ち

混《ま》じって帰《かえ》る

暗闇《くらやみ》を

ガタンコドンと走《はし》りだし

穴守《あなもり》稲荷《いなり》で外《そと》の世界《せかい》へ

早《はや》すぎる！

大鳥居《おおとりい》着《つ》くの早《はや》すぎる

だった数秒《すうびょう》近《ちか》過《す》ぎないか？

看板《かんばん》が眩《まぶ》しく照《て》らす

新宿《しんじゅく》を後《あと》にし行《ゆ》くは

立川駅《たちかわえき》だ

青《あお》い海(うみ)思《おも》い出《だ》す度《たび》

涙腺《るいせん》が壊《こわ》れそうで

歯痒《はかゆ》いの今《いま》、

聞《き》き慣《な》れたバスのアナウンス

実家《じっか》のような安心《あんしん》

漂《たたよ》わせる

-　自由律短歌　-

～五也短歌～

日《ひ》が川《かわ》照《て》らし

一段《いちだん》と美《うつく》しくなり

僕《ぼく》心《こころ》惹《ひ》かれてく

上《うえ》から見《み》れば羊雲《ひつじぐも》

地上《ちじょう》居《い》るよう

感覚《かんかく》が狂《くる》いそう

ライブハウスで

ワイワイと歌《うた》って踊《おど》り

思《おも》い出《で》の一《ひと》つなる

不気味《ぶきみ》なほどの静《しず》けさは

沖縄戦《おきなわせん》の傷跡《きずあと》か？

囁《ささや》きか？

生々(なまなま)しくと書《か》かれてた

この証言《しょうげん》を

一心《いっしん》に読《よ》んだ僕《ぼく》

恥《は》ずかしがり屋《や》クモヒトデ

隙間《すきま》に潜《ひそ》む

でもそこが可愛《かわい》いの！

「ニフェーデービル！」

その言葉《ことば》忘《わす》れぬように短歌《たんか》書《か》く

「ありがとう」

ブルーシールは美味《おい》しいな

バニラを食《た》べてそう思《おも》い

そう感《かん》じ

去《さ》らば沖縄《おきなわ》

思《おも》い出《で》を乗《の》せて飛《と》び立《た》つ

ありがとう、さようなら

クラシック聞《き》き

空《そら》の旅(たび)少《すこ》し楽《たの》しむ

感《かん》じてる寂《さみ》しさを

準備満《じゅんびまん》タン！

沢山《たくさん》の土産《みやげ》を用意《ようい》しましたよ！

おお叫《さけ》べ

～上がり短歌～

あんな

綺麗《きれい》な空《そら》なのに写真《しゃしん》撮《と》れぬ

嗚呼《ああ》もどかしい

朝《あさ》からテンションが高《たか》すぎる

何時迄《いつまで》持《も》つか

疲《つか》れたりしない？

おお何《なん》と

ジンベイザメが大《おお》きい

デカすぎる

明日《あした》

修旅《しゅうたび》終《お》わっちゃう

悲《かな》しいけど受《う》けるしかない

眠《ねむ》い寝《ね》たいよ

君《きみ》たちのせいなんだよ

騒《さわ》ぎやがって

寂《さみ》しい僕《ぼく》を乗《の》せ福生駅《ふっさえき》へ

ガタンゴトンと

轟《とどろ》く轟《とどろ》く

～同音短歌～

ジャスを聴《き》き暇潰《ひまつぶ》す

でも無理《むり》だ

全然《ぜんぜん》と退屈《たいくつ》だ

旅先《たびさき》の夕食《ゆうしょく》はてんこ盛《も》り

気《き》が付《つ》けば

満腹《まんぷく》や

朝《あさ》目覚《めざ》め窓《まど》を見《み》る

まだ暗《くら》い

夜《よる》なのか？否朝《いやあさ》だ

ありがとう

沖縄《おきなわ》よ良《よ》かったら来《き》てみてよ

我《わ》が地元《じもと》

～凹み短歌～

モノレール揺《ゆ》られる

あらま！

綺麗《きれい》な景色《けしき》だ

人《ひと》は酷《ひど》い

だけれどもここまで戻《もど》ったよ！

人《ひと》は凄《すご》い

「ただいまみんな」

おお君《きみ》よ

「おかえり」

～盛り短歌～

あらま

晩飯《ばんめし》カレーだよ！

嬉《うれ》しい！旨《うま》い！

～その他～(新しい定型『ギザギザ短歌』)

起《お》こしたも人《ひと》、受《う》けたも人《ひと》

悲《かな》しむも人《ひと》

直《なお》すも人《ひと》、守《まも》るのも人《ひと》