第13話 俺のペットは優秀でした
ステータスは変更の可能性があります。こんなもんか、と読み流してくださって構いません。
現在、俺達は星空亭の食堂にいる。ユアは遊んでくると言って何処かへ行ってしまい、セレナは椅子に座って苦笑いを浮かべている。
俺とセレナとユアは既に朝食を取り終えたのだが、テーブルには未だに大量の料理が並んでいる状況だ。
「いったいどうしたら、こんなにたくさん食べられるのでしょうか……」
積み上げられた皿を見ながら、セレナがそうつぶやいた。
なんと、この状況を作り出したのはシルヴィだ。シルヴィがこんなに大食いだとは思わなかったよ。実は腹ペコキャラだったようだ。
朝もなかなか起きなかったらしいし、かなりぐうたらな性格なのかもしれない。
食費がすごいことになりそうだが、金はいくらでもあるし、ペットである彼女には可能な限り、腹いっぱい食べさせてやるつもりだ。
「お腹いっぱい……ごちそうさま」
1食の食費に何万かかるのやら……。やっと満腹になったようなので、残った料理はストレージの中に放り込んだ。
ストレージ内は時間を止められるから、この機能を使えば何時でもできたてホヤホヤの料理が食べられる。暇を見つけてストックしておこう。
料理を収納しながら2人のステータスを鑑定してみると、驚くべきことがわかった。
セレナは魔力が高いだけだったのだが、シルヴィのステータスが……
・名前:シルヴィ
・年齢:468
・性別:女性
・種族:神狼
・職業:カケルのペット
・体力:54000
・魔力:98000
・筋力:32000
・スキル:形態変化Ⅳ、ブレス、物理耐性、魔法耐性、即死耐性、状態異常耐性、威圧、魔力変換、再生、神眼、危機察知、火属性魔法、雷属性魔法、光属性魔法、無詠唱、生活魔法
・形態変化Ⅳ:神狼、獣人、部分獣化、人間の4形態に変化する事ができる。
・魔力変換:魔力操作の上位互換、魔力に実体を持たせたり、一時的にステータスへと変換できる。
・神眼:魔力を可視化できる。鑑定も可能。
・ブレス:ドラゴンなどの強力な魔物だけが使用できる攻撃スキル。あらゆる存在にダメージを与えることができる。
まあ……なんだ。優秀なペットだと言うことは分かったよ。とりあえず、使えそうなスキルだけは貰っておこうかな。
セレナからもシルヴィの持っていなかった『気配察知』のスキルを貰っておいた。
「さて、実は2人にプレゼントがあるんだ」
「へぇ……カケルさんにしては珍しいですね」
「なんだよ俺にしてはって……はい、セレナたんにはこれ」
ストレージから長さ1メートル程の銀色の杖を取り出して、セレナに手渡した。杖の先の方には水晶のような形状の、深い青色の魔石が嵌め込まれている。
・名称:殴杖ストライク
・効果:魔力変換率200%、魔力物理変換、不壊
魔力を物理攻撃に変換できるし、壊れることもない。杖は殴るための武器なのだ。
魔力変換率は素手で魔法を発動した場合に比べて、どれだけ威力が上昇するかを表している。
「きれいな杖ですね。ありがとうございます」
「そのうち結婚指輪もプレゼントするよ」
「いりません」
くっ……まだ親密度が足りないようだ。
「次はシルヴィにプレゼントだ」
今度は猫耳フードが付いた白いパーカーと、黒の短いスカートを取り出した。パーカーはチャックもポケットもないシンプルなものだ。
続けて俺は、黒のニーソを取り出した。これだけは何がなんでも外せない。シルヴィが履けば、丁度フトモモの真ん中ぐらいの長さになるはずだ。
下着は……上下白でいいよな。俺はストレージを使い、一瞬でシルヴィを着替えさせた。
身体強化をしていた俺の目はこの一瞬で、桜色のつぼみが乗った美しい双丘をばっちし捉えた。脳内メモリにしっかり保存しておこう。
「―――ぶべらっ!?」
セレナが杖をスイングし、そのまま俺の顔面に打ち込まれた。―――心を読まれた!?
「すみませんなんとなくイラッとしたので」
なるほど、俺への愛が質量として溢れ出したんだな。
「セレナたんの愛が重い」
「もう一発欲しいですか?」
笑顔でアンコールしようとするセレナだが、目が笑っていない。
「い、いや……遠慮しとくよ。ハハハ……」
俺のせいでセレナが、ツンデレからヤンデレになるところだった……いや、それはそれでいいかもしれない。愛の形は人それぞれだしな。
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ユアも帰ってきて全員揃った俺達は、シルヴィの冒険者登録をするためにギルドを訪れている。ライラルの街を出るために身分証が必要だからだ。
別に首輪を付けて奴隷ということにすれば大丈夫なのだが、セレナに怒られたので仕方なく冒険者登録をさせることになった。
シルヴィの登録を無事に終えて、ギルドを出ようと受付を離れると、金属製の鎧を身に纏った兵士が、ギルドに駆け込んできて大声を上げた。
「大変だ!! 魔族の大群がこの街に向かっている!! あと数十分で街に到着すると予想される!!」
ギルド内の冒険者達から、どよめきが起こった。
「魔族の大群だと!?」
「いったいどうして魔族が……」
「この街はおしまいだ!!」
面白そうなイベントが始まったみたいだ。
そろそろ設定話を挟みたいです。




