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異世界に喚ばれて  作者: 狐東レン
11/18

第11話 なんですかダークインフェルノって

タイトルが2列になってしまった……

 道具屋を出た後、俺は換金かんきん屋へ行き、ゴブリンの巣で入手した物や、武器防具などを換金した。

 金についてはセレナからある程度聞いておいたため、スムーズに換金できた。


 俺が換金をしている間に、セレナとユアには宿を探してもらっている。風呂付きの宿を探すように頼んだけど、果たしてこの街にあるのだろうか。


 換金を終えてふところうるおったことだし、待ち合わせ場所に行く前にショッピングといこうか。


 また買い物かと思うかもしれないが、異世界の買い物は楽しいのだ。

 生活も文化も異なるから、日用品や食料なんかも違うし、日本では見かけない店だってたくさんある。


 実験に続き、買い物は俺の趣味の1つになったと言ってもいいだろう……女子か!

 寂しい1人ツッコミはさておき、趣味には金がかかるものが多い。


 さいわい金を稼ぐ手段ならたくさんあるし、ストレージがあるからいくらあっても困らない。


 この世界なら権力だって金で買えるだろう。億万長者でも目指してみようかな。


 そんな悪役が考えそうなことを考えていると、ある店にたどり着いた。


 奴隷どれい商、建物はテントなどではなく普通の屋敷。その名の指すとおり奴隷の売買をしているはずだ。


 奴隷商には新たな出会いがある。異世界ファンタジーの常識だ。いざ突撃!


「いらっしゃいませ、私は奴隷商人のアデルと申します。奴隷商へのお越しは初めてでしょうか?」

「俺はカケル、奴隷商は初めてだ」

「ではこちらへどうぞ」


 アデルの見た目は30代、あちこちに装飾の入った服を着ている。

 すらすらと会話できるあたり、接客には慣れているようだ。


 アデルについて行くと、接客室に通された。高そうな装飾品や家具などが目立つ。儲かっているのだろう。


「どのような奴隷をお探しでしょうか?」

「実はまだ決めてないんだ。どんな奴隷がいるんだ?」

「戦闘、愛玩あいがん、家事、労働、荷物持ち。種族ですと人間、亜人、獣人、エルフ、ドワーフの奴隷を扱っております」

「ふむ……」


 戦闘、労働、荷物持ちはいらないな。家事は……セレナが料理をできたら問題ない。

 消去法だと必然的に愛玩か……実にけしからん(素晴らしい)


 いやしかし、愛玩奴隷なんて買ったらセレナが妬いてしまうかもしれない……仕方ない、帰ろう。


「今日のところは帰らせてもらうよ」

「かしこまりました。ちなみに……いくらご用意していたかお聞きしても?」

「手持ちが300万で、換金屋に行けば……そうだな、明日にでも何億かは用意できると思うぞ」


 ストレージにあるものを色々と売り払えば、それぐらいすぐに集められるはずだ。


「お客様、少しお時間いただけますか?」


 アデルが悪い笑みを浮かべてそう言った。なんか裏の取り引きみたいでかっこいいな、時間はたぶん大丈夫だ。


「いいだろう、話を聞こうじゃないか」




───────────────




 セレナです。今はカケルさんに頼まれて、ユアちゃんと一緒にお風呂付きの宿屋を探しています。

 私も久しぶりにお風呂に入りたいので、頑張って探しています。


 ユアちゃんと2人きりになるのは初めてですが、ちゃんと面倒を見ることができるでしょうか。

 カケルさんに比べれば私の方がマシだという自信はありますけどね。




 しばらく探し回りましたが、なかなか見つけられません。


「情報屋へ行って聞いてみましょうか」

「はいなのー」


 というわけで、やって来ました情報屋。情報屋を訪れるなんて何週間ぶりでしょうか。

 ここでは情報に応じた値段で、情報を買うことができます。場所を聞く程度なら、大した出費ではないでしょう。


 情報屋に入ると、個室へと通されました。ユアちゃんには非実体化してもらっています。


「この街の、お風呂付きの宿屋についてお願いします」

「500ベルです」


 代金を払い、いくつかの宿屋の場所と値段などを教えてもらいました。

 ついでに聞いておきたいこともあったので、さらに追加で情報を買います。


「カケルという名の冒険者についてお願いします」

「10万ベルです」


 今まで何度か調べたことがありますが、冒険者は誰でも10万ベルです。この値段が高いのか安いのかは、私には判断できませんが。


 情報屋は手元の資料を漁り、すぐに目当ての情報を見つけ出しました。


「Dランク新人冒険者、黒髪黒目の10代後半の男性、武器は刀を2本、女性と2人でCランクの冒険者パーティ''ダークインフェルノ''に所属、幼い女の子を連れている。以上です」


 なんですかダークインフェルノって。後でカケルさんに問い詰めなければいけませんね。




 情報屋を出た私達は、さっそく宿屋を訪れました。あと二部屋しか空いていなかったので、ギリギリセーフでした。


「ユアちゃん、お腹空いてませんか?」

「ちょっとだけ空いたの」

「なら、ちょっと寄り道してから行きましょうか」


 色々な場所に寄り道してから、待ち合わせ場所に到着しました。結構時間がかかってしまいましたが、カケルさんはまだ来ていません。そろそろ夕方です。迷子になっていなければいいのですが。


 ユアちゃんと2人でおしゃべりをしながら、先程買ったお菓子を食べて待つことにしました。



 しばらくすると、カケルさんも到着しました……首輪をつけた少女と一緒に。

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