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檻と囚人
リメイクにリメイクを重ねて結局エタって、また再開したヤツ。
ここは檻の世界。
この世界には檻しか存在しない。
この世界には彼と彼女しか存在しない。
彼は檻だ。檻は彼だ。
この世界は檻であり、彼である。
それ以上でもなく、それ以下でもない。
彼は檻以外の何者と説明する事はできない。
彼を檻以外の物体と表現する事はできない。
彼は静だ。彼は時間だ。
彼は鋼だ。彼は空間だ。
彼は黒だ。彼は世界だ。
彼女は囚人だ。囚人は彼女だ。
檻に閉じ込めらている者は彼女である。
それ以上でもなく、それ以下でもない。
彼女は一糸とまとわぬ可憐な少女の囚人である。
彼女はこの世界で色彩を持つ唯一の存在である。
彼女は動だ。彼女は肉体だ。
彼女は智だ。彼女は精神だ。
彼女は色だ。彼女は生命だ。
この世界は彼が彼女を閉じ込めるためだけの世界。
何のためだろうか。懲罰か。隔離か。隠蔽か。色欲か。独占か。守護か。
全てが正しい答えである。しかし、それらを一つの言葉で言い表す事ができる。
愛である。