シャオルーンの章 -7#学ぶべきこと山の如し-
ヴァンさんのお屋敷で目が覚めて安静にする事数日
怪我による顔の腫れもある程度引いた頃合いを見て
その日のお昼過ぎ、ぼくは早速とばかりにユゥトレイさんの宿を訪れていた
「おめでとうシャオルーンくん!
晴れて正式にレゾンさんのお弟子さんになったんだってね!」
「弟子といっても雑用係ですけど、あの
ごめんなさいユゥトさん、折角色々良くして頂いたのに
こんな形で・・・」
「何言ってるの、ハインリヒさんからは前もって数日って話だったもの
たった一日とは流石に思わなかったけど」
「そ、そうだったんですか?」
「それにシャオルーンくんってば
『会いたい』って愚痴こぼす位レゾンさんに未練ありまくりだったじゃない
捨てられた子犬みたいにすっごく切ない目をしてたし
それを見れば誰だって”ここで働くのも長くないな”って思うわよ」
「そ・・・そうだったんですか」
暴漢に襲われる事態がなければ早朝の仕事を手伝う予定だったから
怪我で出られなくて迷惑をかけたんじゃないかと心配してたけど杞憂だったらしい
ある程度は想定済みだったと言うユゥトさんと話してて感じたのは
ぼく自身が、収まるべきところに収まるべくして収まった・・・という
作為的なものを感じさせる違和感だった
Finis talE
~最果ての地より~
シャオルーンの章 -7#学ぶべきこと山の如し-
「ところで、怪我の方は大丈夫なの?
暴漢に襲われて髪も切られたって聞いたけど」
「あ、はい、それはなんとか・・・って
ユゥトさんぼくがロアを持ってるって知ってたんですか?」
「そんなのシャオルーンくんの身なり見れば誰だって分かるじゃない
最果ての町でロアを持っている人は多いのよ
”黒髪者は地に座す闇を覆い隠す”って言うでしょう?
隠さなきゃいけないほどの黒い髪を持ってる人は善人として縁起が良いの
第一種導力を一般的知識として備えている人が殆どだし
私だってほんの少しだけど素養は持ってるのよ?ホラ」
と言って見せてくれたのは
肩まである灰色の髪の中に混じっていた数十本ほど黒く染まっている毛先
それは目を凝らし、髪をかき分けてやっと見つけられるレベルのもので
「わぁ、ほんとだ!これもロアに分類されるんですね」
「肩から下が全部真っ黒のハインリヒさんや
全身隠さないといけないシャオルーンくんほどじゃないけどね」
「じゃあユゥトさんもお国に管理されてるんですか?」
「国に?ああ、それはもっと素養のある人じゃないと管理対象にはならないの
私みたいなロアを持ってる人は多いし
導力としての採用価値はないから国からの扱いは一般人と一緒
でも、どの程度にしても髪を持って生まれることはお目出度い事なのよ」
「へぇ~・・・ロアといっても色々あるんですね」
「私としては全身隠さなきゃいけないほどのロアを持ってるのに
何も知らないシャオルーンくんの方が驚きだわ
一般人の私ですらこれぐらいの事知ってるのに、今までよく無事で旅してこられたわね」
「自分でもそう思います、これからヴァンさ・・・じゃなかった
”ご主人様”の所で色々と学んでいくつもりなので」
「ご主人様?」
「お屋敷勤めをするなら名前で呼んではいけないってイースさんに言われました」
「その呼び方だと弟子というより稚児っぽいから止めた方が良いと思うわ
レゾンさんの悪い噂が益々本当っぽく聞こえちゃう」
「悪い噂・・・って、酒場のお客さんが言ってた『少年趣味』の事ですか
分かりました、じゃあ・・・イースさんと同じ呼び方でいいのかなぁ
同じ呼び方したら怒られそうな気がするんですけど」
「そうね、あのハインリヒさんの事だから怒ると思うわ
彼が『先生』って呼ぶならシャオルーンくんは『お師匠さま』でいいんじゃない?」
「そうですね・・・そうします、ありがとうございますユゥトさん」
「ふふっ ところで・・・ここへは挨拶に来ただけかしら?
用事を済ませなくても大丈夫なのかな、新米のお弟子さん」
「あっそうでした!このメモにあるものをお願いしますっ
よく分かりましたね、ぼくがお使いで来たって」
「丁度レゾンさんの所へ物資を届ける日だったからもしかしてと思ったのよ」
色々話してたら本題を忘れる所だった、出掛けにイースさんに託されたメモ用紙を渡すと
ふんふんと言いながら書かれた内容に目を走らせたユゥトさんが
「五分で用意するからそこに掛けて待っててね」とカウンターの奥へと姿を消す
言われた通り広間の椅子に浅く座って待っていると
客室に続く階段から先日お会いしたガルウィン夫妻が下りてきた
「おや、そこにいるのはシャオルーンじゃないか」
「あ、こんにちは」
「こんにちは、ロア狩りに襲われたと聞いたけれど怪我はしなかったの?大丈夫?」
「はい、師匠が助けてくれたので大丈夫です」
本当はゴールドさんが助けてくれたっぽいけど
その後で更に危害を加えられた事実があったのでなんとなく認めたくない気持ちだった
目覚めて、ヴァンさんの顔を見て初めて心から助かったと思ったので
ぼくの中では本当の意味で助けてくれたのはヴァンさんという結論になっている
「おおっ!師匠ってことは、やっぱりレゾン師の弟子になったのか!
いやぁ良かったなぁ、良かった良かった!」
ガルウィンさんが体全体で笑いながら、嬉しそうにぼくの背中をばしばしと叩く
豪快な行動を奥さんが「ちょっとあなたっ」と慌てて止めたけど
脇腹の怪我に響いたぼくはちょっとばかり痛みに呻いてしまった
「なんだ、やっぱり怪我しとったんか!まぁ出歩けるぐらい元気なら大丈夫だろう
しかし今はロア狩りが横行しとるからなぁ、昨夜も二人襲われたそうだ
レゾン師の下に居るなら安心だが、夜は極力出歩いたらイカンぞ」
「そうね、町の治安部隊がレゾンさんに依頼してもう一週間になるけれど
複数犯らしくてまだ解決できてないみたいですもの
シャオルーンくんも十分に気を付けてね」
「はい・・・」
”依頼して一週間”
ヴァンさんってそういう仕事をして生計を立ててたんだ
特定の仕事に就いてない感じはしてたけど、自営業だったんだ
ぼくがこの町に来たのは三日前だから
かなり危ないタイミングでここに来ちゃったって事だよね
導力に詳しいヴァンさんに助けてもらえてつくづく運が良かったと思う
(あ、)
そっか、だから初対面の時に『余計に放っておけなくなった』って言ってたんだ
すごく困った様子だったのも、ロア狩りの件があったからかもしれない
犯罪が頻発してる時期に知識を持たないぼくが来てしまったから・・・
散歩のため宿を出ていく夫婦の後姿を見送りながら考える
何も知らなかったとはいえ
ヴァンさんの申し出を断るなんてぼくは本当にバカな事をしてたんだ
イースさんが怒るのも無理はない・・・
(こともないか)
イースさんは常軌を逸脱するほどヴァンさんびいきって噂されてるし、実際その通りだ
宿に案内される道中強く詰られた時の事を思い返しても
絶対に私怨が混ざっていたと断言できる
申し出を断っても断らなくてもどっちにしたってイースさんは怒ってた
(うん、絶対怒ってた)
何しろ『ぼくは一日でイースさんは四年』みたいだし
本人に言ったら絶対に不興を買うような事を考えつつ
得意げな顔でひとり力強く頷いてると
目の前に両手で抱えなければならないほどに大きな麻袋が垂れ下がってきた
「お待たせ、割れ物も入ってるからコケて落とさないようにね」
「はいっ えっと、そういえばお代は」
「お勘定ならいつも前払いで済んでるから大丈夫よ
これからお使いはシャオルーンくんがする事になるのよね
改めて宜しくねっシャオルーンくん!」
「はいっこちらこそ宜しくお願いします、ユゥトさん!」
療養に入ってからずっと気がかりだったユゥトさんとの話も済んで
内心スッキリした気分で宿を出る
両手に抱えた荷物の所為でこれまで以上に視界が悪いけど
ヨロつきながらも転ばないよう気を付けながらお屋敷を目指して歩き始めた
「・・・お師匠さま」
ヴァンさんの姿を思い浮かべつつ呼ぶ練習とかしてみる
うん、ご主人様というよりはしっくり来る
この呼び方ならヴァンさんも「ご主人様」と呼ばれた時に見せたような
複雑な表情はしないだろう
「・・・えへへ」
なんだか嬉しくなって、無意識に歩く速度が増す
このお使いが終わったら本格的に導力についての勉強が開始される
ヴァンさんから直に教えてもらえるのだと思うと早く帰りたくて仕方がなかった
浮足立った気持ちで豪奢な門をくぐり、落ち葉だらけのポーチを通り
傍らに荷物を置き、玄関の扉を開き、再び荷物を持ち上げて室内に入り
また傍らに荷物を置いて玄関の扉を静かに閉めると
被っていたフードを脱いで荷物を持ち上げて通路を進む
(・・・)
体が小さいし、力もないから今はまだ無駄な動作が多いけど
ぼくだってイースさん・・・いや、せめてゴールドさんぐらい大きくなれば
今の動作だって片手で荷物を軽々持って、もう片方の手で優雅に扉を開閉し
”ただいま戻りました、ヴァン様”
な~んて、キリッと格好良くスマートな動作でスタイリッシュに言い放ってみたり
そんな未来を締まりのない顔で想像しながら
ヴァンさんが居るであろう扉の前で立ち止まる
さっき玄関でやったような動作をしないと扉を開けることができない
片手で挑戦してみようかと思ったけど割れ物が入ってるって言ってたから
(危ないことは極力避けて行動しなきゃ)
仕方なく荷物を傍らに置いた所で扉を隔てた向こう側から会話が聞こえてきた
『似てるけど完全に同じじゃないよ、だからヴァンは関係ない』
『間違いないんだな』
『そもそもあんなもの生み出すなんて人間にはできっこないよ
できるとすれば俺みたいな地人や天人ぐらいのもんさ』
『イースも同じことを言ってたな、人間には不可能だと』
『ふぅん・・・やっぱり知識だけは並外れてるね
学導院でそこまで知ってる奴はいないし、クロス領内でお前以上の賢人は存在しない
・・・アイツがアロス出身なのは確定的だな』
『俺とお前みたいな特例がクロス側のどこかに存在してるのかもしれないぞ』
『それは無いね、断言できるよ
地人で人間の世界に干渉してるのは俺だけ・・・
あるとしたら天人だよ、例の大樹は天界と繋がりが深い
ヴァンも大戦中に天人の子供に会ったって言ってたよね
大方禁を犯した天人が使途どもに知識を授けたんだ
余計なことをしてくれるよ、よりにもよって悪種なんかに知恵を与えるとは』
『じゃあ、あの時に会った天人の子供は』
『天界に連れ戻されたなら確実に処刑されてる
地底も同様の禁忌を設けてるから、例外はあり得ない』
『そうか・・・』
『ヴァン・・・お前、その子供の事ずっと気にしてるよな
そんなに似てんの、アレと』
『見た目は似ても似つかないが、言動が時々な』
『呆れた、それであんなに甘やかしてるワケ?
情に絆されると痛い目見るよ、相手は爆弾みたいなモンなんだから』
『だから学ばせるんだろうが』
『リアレイすると思ったからわざわざ連れてきたのに、まさか飼うことになるなんてね』
『言葉に気をつけろ』
『やだなァ、怒んないでよ・・・ヴァンはさ、俺だけ飼ってればいいの
・・・ねぇ、俺最近良い子にしてたでしょ?ご褒美ちょーだい』
『なにがご褒美だ、こらっ触るな』
『今ならカリ首から陰嚢の裏まで丁寧に舐めてあげるよ?
乳首ビンビンにさせてちっせェケツ穴ガンガンに突いてやるから
俺の下で可愛く鳴いてよ、ねぇマスター』
『そういう事ばかり言うから”汚れ舌”なんてあだ名が付くんだ』
直後、重いものが叩きつけられたような音と物が乱雑に落ちる音が響く
・・・どうしよう、すごく入りづらいんだけど入ってもいいのかな
ゴールドさんが甘える声色になって驚いたけど、後の会話は更に驚かされるものだった
ヴァンさんとゴールドさんって、”そういう関係”なんだろうか
一般的な知識は持ち合わせてるつもりだけど
性的マイノリティに関してはさほど詳しくはないし、差別意識もない筈・・・なのに、
ショックだ、すごく。
(ヴァンさん、もしかして本当に少年趣味なのかな・・・?)
これが真実なら、噂を嫌っていたユゥトさんが泣くかもしれない
そしてぼくは今すぐにでも泣きそうだ
いやだ、ヴァンさんとゴールドさんが大人の関係だなんて
悲しみから呻きかけた所で背後から外套に覆われた長い脚が伸びてきて
目の前にあった扉が派手な音を立てて蹴り倒されると突風が吹き抜けた
「わっ!」
驚いてフードを抑えつつ両目を瞑って身を固める
風が落ち着いた所でおそるおそる顔を上げれば
蹴り倒された分厚い扉の向こう側には本の山に埋まってるゴールドさんの姿が見えて
ヴァンさんはというと、一仕事終えた後のように襟元を正して一息ついている
場の状況でヴァンさんがゴールドさんを本棚に向かって投げ飛ばしたのが理解できた
さっきのゴールドさんの誘いを拒否したんだ・・・良かった・・・
胸を撫で下ろして安堵していると斜め後ろから不機嫌な声が響く
「稚拙で幼稚で目障りこの上ない結界が張られていたので
とりあえず破壊しましたが」
先ほど分厚い扉を蹴り倒したイースさんが滑るようにぼくの横を通り過ぎると
平然とした様子でヴァンさんに歩み寄りつつ声をかける
イースさんすごい、こんな分厚くて頑丈な扉を蹴り倒すなんて
決して筋肉質な体格ではないのにとんでもない怪力だ
でもその後に発生した風はなんだろう、自然発生したものには感じられなかったけど
・・・そういえば宿でイースさんが駆けつけてくれた時も不自然な突風が吹いてた
それに今、≪ケール≫って言ってたなぁ・・・よくわからない事ばかりだけど
これらの疑問も導力を学べば解消されるのかな
まだまだ追いつけない会話ばかりだけど、できる限りヒアリングしておこう
イースさんは慣れた動作でヴァンさんの身なりを整える手伝いをし始めた
ぼくもその内ああいう行動をささっと取れるようにならなきゃいけないんだよね
椅子の背に掛かっていた外套を肩に軽く羽織るヴァンさんの行動に合わせて
イースさんがその裾を指先で軽く払う・・・師弟として様になってる動作だ
「大事ないですか、先生」
「ああ、いつもの事だしな・・・ゴールド、その本ちゃんと片付けとけよ」
「えーっ!投げ飛ばしたのヴァンだろ?なんでボクが片付けなきゃなんないのっ」
「ぐずるなら扉の修理もさせるぞ」
「やだっ!」
「晩飯も抜きだ」
「暴力夫!俺様君子!亭主関白!大黒柱!」
「おーおー、なんとでも言え
ホラ行くぞ、シャオルーン」
ゴールドさん、その単語後半から罵りきれてないですけど
内心でツッコミを入れてるとヴァンさんから通りすがりに声をかけられたので
傍らに置いていた荷物を抱え直し、本に埋もれたまま
頬を膨らませているゴールドさんに一応お辞儀をしてその場を後にする
場の収集はとりあえずイースさんがしてくれるらしい
通路を歩きながら
「ちゃんとお使いはしてこれたか」
「はいっ ユゥトさんともお話しできて良かったです」
「これから仕入れ役はお前に任せるぞ、シャオ」
「・・・っ! はい、お師匠さまっ」
”シャオ”って
(愛称で呼んでくれた・・・!)
初めて誰かから愛称で呼んでもらえて感激で肩を震わせる
実のところイースペルトさんがヴァンさんから”イース”と
愛称で呼ばれているのが羨ましくて仕方がなかった
嬉しい気持ちをそのままに元気に返事を返せば
新しい呼び方に目を丸くしたヴァンさんはやっぱり一瞬複雑な表情を浮かべたけど
「ご主人様よりはマシになったな」と笑って頭を撫でてくれた
*****
「で、アロス出身なの?お前」
「私の故郷がどこだろうと貴様には関係ないだろう」
「興味本位さ、もしアロス側の人間なら
お前の行動はヤツらにとって裏切りに他ならないからね」
「貴様のような品性の欠片もない奴に教えることなど何もない」
「ふぅ~ん?・・・ま、お前がどんなつもりだろうと
ヴァンを傷つけようとしたらその時点で殺すだけだし」
「その言葉、そっくりそのまま返させてもらう」
「上等だよ・・・まぁ、ボクやお前は兎も角、目先の問題はあの野良だね
ヴァンもここに住まわせることにしたみたいだから一応警告しとくけど
爆発したら覚悟しといたほうがいいよ」
「どんな風の吹き回しだ?自ら護衛をかって出たという話にも耳を疑ったが」
「アレはヴァンと同質の導力を持ってるんだよ
その意味分かってんの」
「シャオルーンが先生と同じく『古代導術』を使えるようになるとでも?
貴様みたいなヤツがもう一人増えればこの世はいよいよ破滅だな」
「人間のお前に分かんないのも無理ないけど
あの野良に内包される導力量は尋常じゃない、器がでかすぎる
術刀でロアを削がれたってのに減った分をヴァンから吸収してるんだよ
・・・無意識にね」
ゴールドの言葉に扉を修理していたイースの手が止まった
眉間に皺を寄せると険しい眼差しのまま振り返る
「・・・それは、事実か」
「このボクがお前に情報提供する時がどんな時か忘れたの?
アレが暴走でもすればボクだけじゃ手に負えない
力を奪われてる今の段階で、ヴァンでも対処できるかどうか怪しいんだから
最悪の状況になったらボクとお前で無理やりにでもリアレイするしかないって事さ」
「先生に対処できないなら我々でも対応は無理だろう
アラジフが居れば少しは状況も変わるだろうが」
「それだとボクまで殺されちゃうだろっバカじゃないのお前!」
「願ったり叶ったりだ」
「兎に角っ警告はしたからね!ったく、これだから人間は馬鹿なんだ!!」
「どこへ行く、本棚の整頓がまだだろう」
「うっさいな!話しかけんなチンカス!!」
本の片付けもほどほどに、先の会話で完全に気分を害したゴールドは
中指を立ててイースを睨みつけると荒立った歩調で部屋を出て行ってしまう
通路の先へと消えてしまった後姿を見送ったイースは扉の修復を終えると
ため息を吐きながら本が散乱している棚へと足を向けた
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