シャオルーンの章 -11#広がる世界-
「ボクのフルネームは『ゴルティガ・ベノン=ボルガニック』
崇高なる地底の皇『ル・ク=ス』に仕える雷帝さ
崇め奉って服従してくれてもいいよ」
なにやら偉そうな態度で胸を張って
得意気な表情でぼくを見下ろすゴールドさんに冷めきった口調で
「・・・頭、大丈夫ですか」
って言った瞬間物凄く痛い痺れがぼくの全身を貫いた
Finis talE
~最果ての地より~
シャオルーンの章 -11#広がる世界-
「本来であればお前みたいな低俗低次元でド底辺な下等種族の
ゲロ野良なんかに名乗ってやる理由はないんだよ
自分がどれだけ命拾いしてるか思い知るべきだね
ヴァンが居なかったらとっくに食い尽くしてやってるんだから」
酷い言われようだ・・・ちょっとでもゴールドさんの
人としての尊厳を大切にしようと思ったぼくが馬鹿みたいに思えてくる
ただでさえゴワゴワの髪が更にチリチリになってしまって
ぼくはと言うと生まれて初めて体感した痛みを伴うほどの痺れに
成すすべなく倒れ伏すしかなかった
四肢を痙攣させ失神一歩手前で視線だけでもゴールドさんを見上げれば
辛うじて視界の端に捉えた表情は底冷えするほどに恐ろしいもので
「良い事教えてあげようかゲロチビ
”人間”ってのはさ、悪魔や天使にとって嫌悪の対象でしかないんだよ
当然ボクも人間なんて殺し尽したい位だぁいっキライなの
死にたくなかったら二度とボクを人間扱いしない事だね」
「・・・ほん、と に・・・」
「なに、声小さすぎて聞こえないんだけど?」
「ホント、に 悪魔・・・ ・・・?」
「見てわかんないの?耳が尖ってる人間なんて存在しないでしょ
そもそもボクの美貌を見れば一目瞭然だってのに、ほんとトロいね」
「で も・・・」
天使や悪魔なんて本の中だけの、空想上の生き物で
ゴールドさんが電撃を扱えるのだって
導力を用いれば誰にだって可能じゃないのかな
だってヴァンさんは炎を扱ってたし、イースさんだって風を操ってた
耳が尖ってる人だって世界中探せばどこかにいるだろうし
美人な人だって見る側の好みでどうとでも評価できる
手も足もあるし、どこからどう見てもゴールドさんは人と同じだもの
って、言いたがっている事を察したらしいゴールドさんが
ぐにゃりと表情を歪めると盛大に舌打ちして
トドメを刺すが如くぼくの背中を踏みつけると
ヴァンさんが向かった風呂場へと歩いていく
「ちょっとヴァン!このウスラバカのゲロチビに説明してやれ!!
俺の事マジで人間だと思ってやがる!!!」
どういう原理なのか、張り上げられた大声にも痺れが伴っているらしく
声音の一つ一つが耳に届く度に全身に痛みが走る
ゴールドさんは本気で怒ると普段の汚い口調に『荒さ』がプラスされるらしく
ここ暫く一緒に暮らしていて荒い口調になった時は一人称も変わるのだ、と
今し方の話し方で気が付いた
(あ、でも・・・)
口調が荒くなった時だけじゃなかったかも。
確か初めてお使いを頼まれて、荷物を抱えて帰宅した時に一度
ついうっかりヴァンさんとゴールドさんの会話を立ち聞きしてしまった事がある
怪しい会話をしてたからそっちにばかり気を取られてたけど
あの時もゴールドさん、落ち着いた様子だったのに『俺』って言ってたんだよね
(もしかして普段は猫被ってるのかな)
ヴァンさんの前でだけ素で接してるとか?
口調の汚さの所為で全然猫被ってるようには見えないんだけど
あの時はどんな会話してたっけ
色々知らない単語が飛び交っててちんぷんかんぷんで・・・
でも確かひとつだけぼくが知ってる単語が聞こえてきていた
『 ル・ニーア 』
イースさんが「でっち上げと嘘っぱちばかりだ」と言っていた歴史文書によく出てくる
アロスフォニアの楽園に住む人々の総称だ
でっち上げと嘘っぱちの歴史文書だと言われてるのに
ヴァンさんとゴールドさんはそれに関する話をしてたのかな
(なんでだろう・・・)
霞む意識の中取り留めもなく考え事をしていたら
少しずつ全身が暖かくなって、浮遊感を感じて、耳元に誰かの鼓動が響く
真っ白になりつつあった意識が鮮明さを取り戻し始めると少しずつ視界も明るくなり
ぼくを覗き込んでいる人が誰か分かってぱちぱちと目を瞬かせた
「あ れ・・・おししょ・・・さま?」
「はぁ~・・・ったく ゴールド、少しは加減しろ」
「ふんっ 悪いのはソイツだよ
わざわざボク自ら説明してやったのに信じようとしないんだから」
全身の痛みが確実に遠のいていってる
駆け付けたヴァンさんが何らかの手段で助けてくれたらしい
「悪魔の分際で先生の入浴の邪魔をするな」と
厳しい口調で非難するイースさんの声が聞こえるけど
対してゴールドさんは心底呆れたような声色で
「文句言うならヴァンの裸体から視線外てからにしなよ」と反論してる
毎度の如く無駄な言い争いが始まりそうな気配にヴァンさんがすかさずクギを刺した
「あーもーお前ら二人とも黙れ
種族の話は俺からしておく、ゴールドもこの程度でいちいち腹を立てるな
地底のナンバー2が、ル・ク=スに対して恥ずかしいと思わないのか」
「・・・、・・・その名前出すのは反則でしょ」
「お前は暫く部屋で反省してろ
イースは治癒を引き継いでくれ、着替えてくる」
「分かりました、リビングで宜しいですか」
「ああ、頼む」
ヴァンさんの正面に回り込んだイースさんの両手がぼくの背中と膝裏に回る
距離を置いて初めて、今の今まで腰にタオルを巻いただけのヴァンさんに
抱き上げられていた事に気が付いた
頬にくっついていたのはヴァンさんの胸板、感触は暖かくて湿ってた
髪を伝った雫がぼくの顔にいくつも落ちてきていた辺り
ロクに体を拭かずに出てきてくれたようだ
ヴァンさんの鼓動が遠のき今度はイースさんの鼓動が近くに聞こえる
次に頬に触れたのは上質な布地の感触で
運ばれた先は隣接するリビングのソファーの上
上体を起こせるまでに回復してるのが分かっているのか
まだほんの少し辛かったけど腰かける体勢で降ろされて
ぐったりと背もたれにもたれ掛かり
脱力しきったぼくの隣へ座ったイースさんの掌が胸元へと押し当てられる
その手が淡く光に包まれると同時に僅かに残っていた痺れも完全に消えた
「イースさん、これは・・・?」
「導力を用いた治療です、じっとしていなさい
痺れは無くなったでしょうが臓器の損傷は深刻ですよ」
「・・・ありがとうございます」
「礼など不要です、先生の指示で行っているだけですから」
冷たい返事が返される割には、胸元に宛がわれている掌は暖かくて
表情にも渋々といった様子は見受けられない
感情が読み難い人ではあるけれど
今この瞬間、悪意や嫌悪が感じられない事に密かに安堵のため息を吐いた
導力での治療が行われている間気まずい沈黙が続く
黙々と治療してくれているイースさんの顔を何度も盗み見しつつ
こんな事態を招いてしまった事に申し訳ない気持ちを感じていた
事前に忠告までしてくれていたのに
結局ゴールドさんを怒らせて痛い目に遭ってしまった
ぼくがイースさんの言葉を信じようとしなかったからだ
謝らなきゃ、と思って勇気を出して話を切り出す
「あの、イースさん」
「ベノンの件でしたら後で説明がありますよ
先生のお言葉であれば素直に聞き入れられるでしょう」
「そ・・・その事なんですけど」
ごめんなさい、と謝罪を口にすれば
僅かに眉を顰め何故謝るのか分からないという反応が返される
先のやりとりを気にも留めてない様子ではあったけど
それでもやっぱり治療してもらってる手前
謝っておかなければという気持ちが大きかった
「ゴールドさん、人として扱われるのを嫌がってました」
「でしょうね」
「イースさんが忠告してくれてたのに、信じきれなくて・・・
治療・・・手間までかけさせてしまって、ごめんなさい」
「・・・」
「本当に、ごめんなさい・・・」
もう一度謝ると、暫しの間を置いて胸元に当てられていた手が光を失い離れていく
体は随分楽になった、きっと治療を終えてくれたんだと思う
でもなんの返答も帰ってこない事実に膝の上に置いていた両手を握りしめたけど
顔を上げてイースさんの表情を伺うまでの勇気を持つことは出来なかった
隣に座った彼が席を立つ気配を見せない事には安堵した
だって、席を立たないってことは
最低でもぼくと一緒の空間に居ることを許してくれてるって事だから
「信じられないのも無理はありません」
どうしようどうしようと内心で焦っていた所で突然返事が返ってきて
うっかり聞き逃してしまう所だった
当初のぼくの判断を尊重するような言葉にどのような真意が込められているのか
知りたくなって勢いでイースさんの表情を窺ってしまう
イースさんは顔を向けることなく一度だけぼくと視線を合わせて以降
正面を向いたまま話を続けてくれた
「『天使』や『悪魔』といった存在はこの世界において架空であり
想像上の生き物であり、実在しない創作物である事は確かです」
「はい」
「ただ、それに類する世界と種族は実在しています」
「類する世界と、種族?」
「そう、この世界に人々に害をなす怪物が生きているのと同じく
我々が知らないだけで存在している生物は沢山いるんですよ」
「その生物の中に、天使や悪魔”みたいな”存在がいるんですね」
「ちゃんとした正式名がありますけどね」
「知りたいです、教えて下さい」
「・・・まぁ、いいでしょう
私が説明しておけば先生の手を煩わせる必要もないですし・・・
先ず前提ですが、これからお話しすることは公式には認められていない事実です
他人に話すのは構いませんが確実にキチガイ扱いされますから気を付けて下さい」
「気違い扱い・・・って、されたことがあるんですか」
「話の腰を折らないように」
「あ、はい、すみません」
「この世界には人間と異なる種族が最低でもあと4種類います
天種≪アラ・フ・ル・シェント≫、地種≪レイヴメイズ≫、虚種≪ダ・ヴール≫
そして緑種≪ファミル≫・・・」
「察するに、天種≪アラ・フ・ル・シェント≫というのが『天使』で
地種≪レイヴメイズ≫というのが『悪魔』ですか?」
「ええ、そして虚種≪ダ・ヴール≫がこの世界でいう所の『怪物』であり
緑種≪ファミル≫が『精霊』です」
「なるほど、呼び方が異なるんですね」
「異なる、ではなくこの世界で理解しやすいように”言い換えている”だけですよ
天使や悪魔といった呼称は所詮は作り物
天種≪アラ・フ・ル・シェント≫や地種≪レイヴメイズ≫の本質を知っている者は
私が知る限り三人だけです」
「お師匠さまと、ゴールドさんと・・・イースさん、ですか?」
「その通り、ベノンは地種≪レイヴメイズ≫と呼ばれる種族ですから
生きてきた時間も、魂の構造からしてこの世界の生き物とは異なります
導力の扱い方も違いますから人間と思う方が間違いなのですよ」
「・・・あの、地種≪レイヴメイズ≫はゴールドさんしかいないんですか?」
「奴の同族でしたら地底と呼ばれる次元に腐るほどいますよ
ベノンは先生の古代導術によってイレギュラーな形でこの世界に召喚されたんです
本来天種≪アラ・フ・ル・シェント≫も地種≪レイヴメイズ≫もこの世界へ干渉することは
赦されていません、ベノンは特例中の特例ですね」
「イースさんは?」
「どういう意味ですか」
「え?っと・・・イースさんも別の種族じゃないんですか?」
「ご冗談を、私は列記とした人間ですが
なるほど貴方には私が化物に見えたという事ですね」
「ちっ違います!ご、ご、ごめんなさい!そんなつもりではなかったんですけど
話の流れでイースさんも”特別”なのかなって、」
「シャオルーン」
「は、はいっ」
突然イースさんが物凄く真剣な表情で至近距離からぼくを見据えてきた
深い色合いの瞳が煌めいてて、次の発言になんとなく予想がつく
「全ての世において『特別』という存在は
我らの師である”ヴァン・レゾンという人物以外に有り得ない”
という事を覚えておきなさい
間違っても地種≪レイヴメイズ≫という種族が特別などと思わないように」
出た、イースさんのヴァンさん節。
普段は冷静なこの人でもヴァンさんに関する事だけはおかしくなるんだよね
しかもそれがイースさんにとっては『当たり前』で『常識』だから始末が悪い
これ以上突っ込んだら本格的に先生スイッチが入りそうだから流しておこう
乾いた笑みを浮かべたぼくを前に、数度瞬きをして咳払いしたイースさんは
なんとか話の軌道を戻してくれた
「虚種≪ダ・ヴール≫についてですが、これに関してのみ
この世界で存在している怪物と呼ばれる生き物と同一視して問題ありません
しかし、その虚種≪ダ・ヴール≫の中でも特に狂暴な連中が生まれることがあります
それらは『コルテア種』と呼ばれていて、擬態する能力を有するので
人の世に紛れて生活している者もいるでしょうね」
「え・・・化け物が人に紛れるって、大丈夫なんですかそれ」
「大丈夫なわけがないでしょう
虚種≪ダ・ヴール≫は人を襲い殺す習性があります
それがコルテアともなれば食人するタイプも少なくありません
と言っても、例外はありますが」
「例外?」
「ええ、我々の知り合いに一人
とても強力な力を持ったコルテア種が居るんですよ、名前はカルム=アラジフ
私が知っているコルテア種で唯一人間に与している怪物です
というよりは先生個人に味方していると言うべきですね
ちなみにカルムはベノンの天敵らしいですから
先ほどのように攻撃されたらカルムに頼・・・ ・・・ ・・・」
「・・・イースさん?」
「いえ、今の発言は忘れて下さい
カルムは基本的に先生の言葉にしか耳を貸しません
面識のない貴方が相手だと問答無用で殺される可能性が高いですから」
「・・・つまり、ゴールドさんが相手でもカルムという人が相手でも
イースさ ん と、先生の傍が一番安全という事ですね」
「貴方今”イースさんが相手でも”って言いかけて咄嗟に言い直しましたね?」
「いえそんな事は」
「言い直しましたよね?」
「め、滅相もないです」
「・・・」
「・・・」
沈黙の長さだけイースさんの視線が鋭さを増し
凶悪な気配がぼくの全身を刺す
最終的には視線だけで殺されそうなほどの重圧がぼくに襲い掛かってきた
「・・・先生を盾にしたらブッ殺すぞ」
「誓ってしませんごめんなさい!」
「あと帰宅時の先生に対する失礼な態度も謝れ」
「鼻つまんだりしてすみませんでした!!」
(ヴァンさんに対して鼻をつまんでしまった事やっぱり根に持ってたー!)
内心で戦々恐々していると身なりを整えたヴァンさんが
髪を拭きながらリビングに戻ってきた
「おいおい、なんで弟分を脅してるんだお前は」
「教育的指導です、問題ありません」
「シャオ、聞いての通りこいつは俺に関してのみ常軌を逸した言動をしがちだ
そういった意味での指導なら話半分に聞き流して構わないからな」
「こと先生に関しては最重要だというのになんという事を仰るんですか
いいですかシャオルーン、先生はこの世で最も尊い方です
全ての害悪からこの方を守るのが我らの宿命である事を心得ておきなさい」
「はい、それに関してはぼくも同意見です!お師匠さまはぼくが守ります!」
「何ィ!?出しゃばるな!先生を守るのは私一人で十分だ!」
「ええ!?さっきと言ってること違いますけど!?
そんなこと言わずに一緒に守りましょうよ!」
「先生のお傍に侍るのは私だけの特権だ!」
「・・・で、種族の説明は済んでるのか?」
「いえ、天種と地種
虚種までは説明しましたが緑種≪ファミル≫がまだです」
流石ヴァンさん、イースさんと長い事一緒に住んでるだけの事はある
表情は至ってフラットだけど心の中では心底面倒くさがってる雰囲気が窺えた
さらっと話題を変更されたのにイースさんも慣れたように切り替えが早い
これはかなりの数のアプローチを無視され続けているんだろうなと推測する
ぼくの向かいのソファーに腰を下ろしたヴァンさんの髪にはまだタオルがかかっていた
腰を落ち着けるタイミングを同じくしてイースさんがさっと立ち上がり
ヴァンさんの背後に回り込んで頭を包む形で光を纏った両手を翳し
導力を用いて髪を乾かし始めた
(へぇ~、髪を乾かすこともできるんだ)
導力って便利な力だなぁと感心していると
ヴァンさんが話の続きを教えてくれた
「さて、緑種≪ファミル≫についてだがこれは俗にいう『精霊』と同じような生き物の事だ
近づかなければ害は無いが、場合によっては虚種よりも性質が悪い
お前がここにくる数日前に緑種≪ファミル≫関連の案件を処理しててな
隣町で人が大量に殺される事件があったんだが聞いたことはないか?」
「いえ・・・」
「ま、お前が来た方向とは真逆に位置する町だったから
噂が届いてないのも無理は無いか・・・
緑種≪ファミル≫の特徴は生命体ではなく”導力そのもの”だって事だ
存在自体が力の塊だから自我を持たないし意思疎通もできない
そういった意味では種族と呼ぶには相応しくないかもしれないな」
「導力の塊だから自我を持たないという理屈は理解できます
でも、だったら緑種はどうやって生まれるんですか?」
「・・・こいつの話では天種が扱う導力から
偶発的に生まれるらしい」
「イースさんの話、ですか?」
「公式に認められてはいない理論だ
天種や地種といった種族が
存在する事すら世間では知られてない
突飛な話だが、これらの4種族が実在するのは事実だからな」
「どうして断言しきれるんですか?
地種に関してはゴールドさんが証明になるのは分かりますけど」
「全部の種族に会ったことがあるからだ
ゴールドは俺自身がこことは別次元の地底から召喚した
天人に関してはイースに知り合いが居るらしい
こいつが妙な知識を持ってるのも、その天人から学んだものだ
虚種も突き詰めればこの世に存在している怪物の別称で
・・・イース、コルテア種については説明したのか?」
「はい、カルムの件を話しました」
「なら話は早い、アイツがここに立ち寄ったらその時に紹介するか」
「紹介する前に殺されなければいいのですが」
「洒落にならん事を言うな、本当にそうなったらどうするつもりだ」
「仮定の話ではなく間違いなくそうなりますよ
先生以外には問答無用じゃないですか、彼」
「だな・・・一応対策しておくか」
さっきから身の危険を感じる会話が続いてるんだけど
ヴァンさんがなんらかの対策をしてくれるようなので一応は安心できそうだ
「さて、ここまでで何か質問はあるか?」
「はぁ・・・正直言うとなんだかもういっぱいいっぱいで・・・」
「それもそうか、いきなり天使や悪魔が実在するなんて聞いても
すぐには受け入れられないもんな」
ゆっくりでいい、少しずつ知っていけば問題ない、と
ローテーブルを挟んで伸ばされたヴァンさんの手がぼくの頭を撫でた
next




