第三話「行方」
久しぶりの投稿となります。この原稿は大分前に書いたものなので、私自身なにを書いているのかを忘れてしまったのです。そんな筆者の主張の行方もわからないまま。
あの人、どうした、の?
少女は知る由もなく、ただ呆然とその場に立ち尽くすのみであった。
…はぁ。
とりあえず凝視野郎がいなくなって、ホッとする。
安堵、心拍数の安定化、体から力が抜け、気が緩む。
消えてく、消えてく、消えてく。
私、なんでここにいるのかしら?
分からないわ、いいえ、きっと忘れたのね。
心の中では、わざと、強く振る舞う少女。
怖い怖い怖い怖い誰誰誰誰・・・?
その感情は先とは違う原因によりもたらされた。
そして、少女の意識は―――。
いったいどれくらい走っただろうか。
腕時計を見る。短針と長針が答えを導く。
この世界に異動してから、7分も経っている。
おや?
僕がこの世界に来て少女を見つけるまで1分。
僕が少女を見つめること5分。
僕が少女を追い詰めてから逃げ出すまで1分。
7分しか経っていない。
この記憶が真実だと仮定されてすぐさま求められる解。
僕は最初それを信じようと思わなかった。
そもそもの話、信じたところで無意味だからだ。
しかし、信じざるを得なかった。
なにせここは夢の世界なのだから。
不思議そのものが具現化され、目の前に現れても不思議は無い。
夢の世界なのだから。
二次元異動が発動する条件が、眠ること、である以上それはこの世界全てに当てはまってしまうのだ。
なんだ、この気分は。
眠い、とてつもなく。
僕が僕で無くなるような感覚。
それは最近気付いたものだ。
今まで普通になんの疑問も持たずやっていた。
生きとし生けるもの全てがやっている共通アクション。
ねむる。
体力全回復してとある木の実でリスク回避できるあの・・・
おっとこれ以上はまずい。
話を戻そう。
眠ることは、意識を飛ばすことと似通った点が多い。
異なる点は自分で意識を取り返せるところである。
僕の体が眠ったあと、僕の意識はどこへ行くのだろう。
考えるたび、僕が僕でないような感覚を覚える。
消えてく、消えてく、消えてく。
次話のタイトルもわからないまま。主人公という存在と少女という存在は。