第一話「意識」
じーーーーーっ。
僕は白のワンピースに麦わら帽子をかぶった
金髪美少女を見つめていた。
夏か。そう気づくと
暑さが感じられるようになり、
着ていた紺色のコートを脱いだ。
そいつは噴水のそばのベンチに腰を掛けている。
15歳くらい。すぐわかった。
普通の人には二次元の年齢は
わからないかもしれないが、
このくらい容易いことだ。
5分くらい見つめていると、
さすがに気づかれたようでそそくさと逃げ出された。
追いかけた。別に一目惚れしたわけではない、
何かが僕を動かしていた。
少女は全力でダッシュしているが、
さほど速くない。
あわわわわ怖い怖い怖い誰誰誰誰・・・?
なんで私追いかけられてるの・・・!!
そうだ。見かけない顔だから路地に入れば
逃げられるかしら・・・?
サッ。
路地に入ったのを、僕は見逃さなかった。
見逃すはずがない。
意識がそれにしか向いていないのだから。
羞恥心?いや、それがないわけではない。
この時の僕は、何かにとりつかれたように
追いかけていたのだから。
路地で少女にまかれるはずもなく、
ついに行き止まりまで追い詰めた。
「来ないで・・・。」
金髪。私が好きなジャンルです。次回は主人公と金髪美少女が接触しますよ。