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異世界で魔物生活  作者: はちみやなつき
第五章 天空竜国という名の牢獄
73/98

71.シールド突破作戦

 あれからどれ位経っただろうか?

 恐らく1か月、いや2か月位は経ったような気がする。

 その間、バルグは自分の部屋で仕事を淡々とこなし、余った時間は城の中を探索したり、時には城を抜け出して町を散策したりした。

 また、定期的にリザースから連絡が来るので、みんなが頑張っている様子を聞くことができて勇気づけられた。

 暇つぶしをしたり、みんなの現状を知ることができたので、だいぶ時間は経ったものの辛さを感じることはなかった。


 そしてようやく、エルン達の飛空艇は完成間近まで迫ったらしい。

 途中、だいぶ行き詰まった所があったようで、リザースから度々相談を受けたこともあった。

 そのときはバルグと協力して城の図書館で調べ物をして、アドバイスをした。

 それでもうまくいかないことも多かったものの、こうして完成間近まで来たんだから、それなりに役に立てたんじゃないかと思ってる。



『もう試運転とかもしているの?』

『はい。実際に飛空艇に乗ってみたりもしたんですが、特に異常はなく、快適でしたよ。もう完成っていってもいい位ですね』

『そっかぁ。あとどれ位で出発できそう?』

『エルンさんに聞いた話では明日には出発できそうとのことでしたよ』

『明日か……ついにこの日が来たんだね』



 この天空竜国での暮らしはそこまで苦痛なものではなかったが、やはりこれだけ時間が経つと地上が恋しくなる。

 それに、ここで親しく話せるのはバルグ位しかいないし、早く仲間と会って話したいと思ってしまう。

 

 僕はリザースとの会話を終えると、明日を待ちきれなくなったので、早めに眠ることにした。

 しかし、なかなか寝付けない。

 何かを楽しみにしているときって何故だか眠れなくなるよね……



 

 眠ろうとしてから恐らく数時間は経った気がするけど、それでもまだ眠れない。

 この夜の時間は永遠に続くように感じられた。


 ………………


 いや、いくらなんでもおかしい。

 確かに寝付けないときは時間が長く感じられるものだけど、ここまで長いものだろうか?



『確かにこの状態、なんか変だな……』

『バルグもそう思う?』

『ああ。もしかしてこれって……レン、ちょっと移動してもいいか?』

『うん、いいよ』 



 どうやらバルグは心当たりがあるらしい。

 バルグはベッドから出て、部屋の外へ出る。


 部屋から出ると、城内が騒がしいことに気が付く。

 やはり何かが起こっているらしい。



「あ、バルグ様、お目覚めでしたか」



 声をかけてきたのは執事のシュルドだ。

 他の兵士と同様に何やら慌てているようだが……



「慌てているようだが、何かあったのか?」

「それがですね……前に私達を襲撃してきた人間どもがまたやってきたようです」

「この妙な感じもその人間の仕業か?」

「どうやらそのようです。辺りを暗闇に包む魔法の効果だとか」



 人間の仕業ってことは、エルン達ではないみたいだね。

 それにしてもエルン達がもうすぐ来るっていう所で襲撃してくるなんてなんていうタイミングなんだ……

 いや、これはチャンスなのか?



『確かにこれは利用しない手はないよな。人間達に気を取られている隙に、こっそりとエルン達と合流できれば最高だな』

『魔法によって視界が悪くなっているのも追い風だよね。でもどこだったら合流しやすいかな?』

『それは俺に任せておけ。とっておきの場所があるんだ』



 バルグはにやりと笑みを浮かべる。

 どうやら余程自信があるようだ。

 だけど、こんな状況で笑みを浮かべるなんてかなり怪しく見られると思うんだけど……



「バルグ様、どうかなされましたか?」



 ほら、シュルドから変な目で見られているじゃないか!



『すまない。つい、な』



 喜びたい気持ちは分かるけど、ちょっと場を考えてほしいよ……



「滅多にないことなので、面白がるお気持ちは分かりますが、用心して下さいよ。人間達がシールドを破ってここまでくることはないでしょうが、万が一ということもありますからね」

「ああ、分かったよ、気を付けることにする」

「そうして下さいね。では、私はやることがあるのでこれで失礼いたします」



 そう言うとシュルドはどこかへ行ってしまった。



『さて、早速行動を開始するとするか』

『そうだね、そうしよう』



 バルグは城の階段をひたすら下りて行った。

 一体いつまで続くんだろうと思えるほど、ひたすら長い間下り続けた。

 途中、立ち入り禁止の文字と書かれた所を越えて移動しているので、本来は立ち入ることができない場所に向かっていることが分かる。

 ちなみにその間にリザースと連絡をとり、今の状況を伝えた。

 すると、急いで僕達がいる所まで向かってくれるとのことだった。

 これで後は合流地点に向かうだけだね。



『ねえ、いつまで下り続けるの? 結構下りてきたよね?』

『多分もう少しだ。辛抱してくれ』

『この先には何があるの? 地下深くになんて行っちゃうと脱出とはほど遠い気がするんだけど……』

『普通はそう思うだろうな。だが、実はな、この城の地下には外へと通じる道があるんだ』



 外へと通じる道だって!?

 そうか、地上で合流しようとしても、天竜の兵士や人間達に見つかってしまう可能性が高いけど、別のルートから合流できれば、面倒な事は起こさずに合流できる可能性が高いだろうね。

 だから、バルグはこんな面倒な道をひたすら進んでいるのか。



『ほら、扉が見えてきたぞ。あの扉を開けると、外に出ることができるぞ』



 バルグが指をさした先には確かに薄らと扉が見える。

 どうやらあの扉が外へと通じる扉のようだ。

 何かとっても頑丈そうな作りをしていて、見るからに重そうな扉である。



『何かすごい重そうな扉だね』

『それは仕方ないだろうな。気圧の差がすごいから、扉は頑丈なものにせざるを得ないんだ。この扉を開けたらすごい風が吹くだろうから覚悟しておけよ』



 僕達は扉の前へたどり着く。

 そしてその頑丈そうな扉を開けようとするのだが、びくともしない。

 かなり力が強くなっている天竜の姿でさえこれなんだから、相当重いんだな、この扉。



『やっぱり見た目通り、とても重いね、この扉』

『そうだな。体重をかけて、全力で開けようとしないと開かないだろうな』



 やっぱり全力で開けるしかないよね。

 扉を開けられないと、せっかくここまで来たのにそれが無駄になっちゃうし。

 覚悟を決めて、僕は扉に全身の力を込めて開こうとする。

 だが、やはり扉はびくともしない。

 それでも諦めずに力をこめつづけると、ギシリという音が聞こえる。



『レン、もう少しだぞ!』



 バルグの声援(?)を受けつつ僕はもうひとふんばりする。

 すると扉からきしむような音が出続け、徐々に扉は開いていく。

 そして、ある程度扉が開くと、急に突風が発生する! 

 その風に驚いて手を放すと、扉はものすごい勢いで再び閉まってしまう!



『びっくりした……もしかして、この扉がすごく重いのって、さっきの風のせい?』

『それもあるな。だから風に負けないように一気に開けて外へ出るしかないだろうな』



 この扉を一気に開ける……か。

 少しずつ開けるのでさえやっとのことなのに、そんなことができるんだろうか……

 あ、そういえば、バルグはここのことを知っているということは、ここに来たことがあって、この扉を開けたことがあるんじゃ!?



『そうだな。苦労はしたが、この扉を開けたことがあるぞ』

『それだったら最初からバルグが開ければよかったんじゃないか!?』

『それは、そうかもしれないんだが、レンにもこの苦労を味わってほしかったからつい、な』



 苦労を味わってほしいなんて、意地悪だなぁ。 

 でもとにかく先に進むことが先決なので、バルグへの文句はまた後でいう事にしよう。



『それじゃ、バルグ、頼んでもいい?』

『ああ、任せとけ』



 バルグはそう言うと、一気に扉を開ける。

 相変わらず吹き付ける風はもの凄いのだが、バルグはその風をものともせずに、扉を開けきり、外へと抜け出す!

 外に出て扉から手を放すと、扉は大きな音を立てて閉まってしまった。

 うん、開けるのは辛くても、閉めるのはすごい楽だね。 

 いや、それよりも、よくこの重い扉をあんなあっさりと開けてしまえるものだよなぁ……

 思わず感心してしまう。



『レンはまだ天竜の力を十分に引き出せていないから無理もないな。慣れればこれ位できるようになるさ』



 そういうものなのか……?

 まあ、確かにこの天竜の姿で力を存分にふるうことがほとんどなかったから無理もないのか。

 大体魔法を使って戦うことが多かったし、肉体的な力はほとんど使わなかったからね。



『とにかく先を急ぐぞ。あまりもたもたしてはいられないからな』

『うん、そうしよう』



 無事扉を突破した僕達は、容赦なく吹き付ける風に立ち向かいながら、前へと進んでいく。

 そして、しばらく進むと、見晴らしの良い所にたどり着く。



『ここからなら外の様子が見えるだろう。エルン達の船が見えたらシールドを破壊しに行くぞ。それまではここで待機だ』

『うん、分かった』



 今までずっと城の中にいたから気づかなかったが、外はもうだいぶ明るくなっていた。

 いや、僕達が行動を始めたときから本当は明るかったんだけど、人間達の魔法の影響を受けていて気づかなかっただけなのかもしれないけど。

 だとしたら、そろそろエルン達も行動を開始している頃だったりするのかな?

 そう思っていると、突如として頭に妙な違和感を感じる。

 この感じは恐らくリザースからの通信だろう。



『レンさん、聞こえますか? ただ今、飛空艇が発進しまして、やっとレンさん達の所へ向かうことができます』

『そっかぁ、それは良かったよ。そういえば、リザース達に伝えたいことがあるんだけどちょっといいかな?』

『はい、大丈夫ですよ。何でしょう?』



 僕は今の状況をリザースに伝え、これからどうしてほしいかを伝えた。



『分かりました。天空竜国の下の方からシールドを破壊すればいいんですね』

『うん、よろしく頼むよ』

『それにしても人間達の襲撃ですか……そんな所まで侵攻しようとするとは……』

『え? 他にも襲撃された所があるの?』

『はい。実はですね――いや、これはレンさん達と合流したら話しましょう。とにかく、今やるべきことに集中すべきですから』



 リザースの言葉から察すると、どうやら地上でも人間の襲撃を受けているようだ。

 人間と魔物が対立することなんて、現実世界でやったゲームとかでは当たり前の事なんだけど、実際にこうして生きている中で対立するのはちょっと嫌だと思ってしまう。

 人間と戦うっていうことは、いつかは人間を殺さなければいけなくなる場面がでてくるっていうことだからなぁ……

 そんな事はしたくないし、そんな場面は見たくもない。

 何とかして戦いを回避できないものだろうか……


 いや、今は考えるのはよそう。

 リザースの言う通り、今は今やるべきことに集中すべきだ。

 地上の問題は地上に戻ってから考えればいいのだから。


 しばらくその場で待っていると、遠くに薄らと巨大な影が見えてくる。



『もしかして、あれがエルン達が作った飛空艇なのか?』

『うん、多分そうだと思う。あそこの方からエルン達のオーラを感じるから』



 目で見える位の距離になったおかげか、精霊の力でエルン達のオーラ感じ取ることができている。

 多分フィナも僕達と同様にオーラを感じ取れているはずだから、僕達の居場所は何となく分かっているはずだ。

 恐らく僕達の近くにある部分のシールドを破壊しようとしてくれるだろう。

 そこに反対側から僕達もシールドの破壊を試みて、少しでもシールドに穴が空いたら、そこから外に出て飛空艇に乗り込むことがいいんだけど。



 だんだんと飛空艇が近づいてきて、ついにシールドのすぐ近くまでたどり着く。



『レンさん、これからシールドに攻撃を始めますが、準備はいいですか?』

『うん、いつでもいいよ!』



 僕がそう言ってしばらく経つと、飛空艇から何かの装置が飛び出してくる。

 そしてその装置から様々な色の光線がシールドへと放たれる!

 その光線によってシールドの表面みたいなものが剥がれたみたいだが、シールドに大きな損傷を与えることはできていない。



『やっぱりこのシールドは頑丈だな……レン、俺達も行くぞ!』

『うん、分かった!』



 僕達はエルン達が攻撃している部分のシールドに攻撃を加える。

 しかし、それでもシールドは壊れる気配すらない。

 いや、壊れてはいるんだろうけど、シールドの層が厚すぎる上に、壊した部分はすぐに修復されてしまうから、結局傷をつけることができていないのだ。



『さすがは我が国が誇る鉄壁のシールドといった所か。貫通させるのは骨が折れそうだな……』

『このシールドって多層構造になっていそうだけど、一体どれ位重なっているんだろう?』

『俺も正確な数は分からないが、一説によれば100層はあるそうだぞ』

『ひゃ、ひゃく層だって!? ちなみに今僕達が一時的にでも壊せているのって何層位なんだろう?』

『そうだな……せいぜい10層壊せているかいないかっていう所だろうな』

『うわぁ、それじゃ貫通させるなんて気が遠くなるような話だよね……』



 僕達が通り抜けられる位の穴を一瞬でも開ければいいのだから、何とかなるって思ってた僕が甘かったのかもしれない。

 このシールドを貫通させるためには少なくとも今の十倍以上の威力を持つ攻撃をしないといけないっていうことなんだから、相当厳しいように思える。

 それにこのままじゃ、シールドを一切傷つけることなく、魔力を消耗し続けることになるので、どんどん状況は厳しくなる。

 何か手を打たないと……



『やはり、このままではシールドは壊れそうにないですね。ここは勝負に出るしかなさそうです』

『勝負に出る? リザース達に何か策があるの?』

『はい。ですが、この方法は一度しか使えないので、これで決めないと、シールドの突破は不可能になると言ってもいいでしょう』

『失敗はできないということだね。分かった。その方法を教えてくれる?』

『分かりました』



 リザースから聞いた作戦はこうだ。


①飛空艇からシールド修復阻害物質砲を放つ

②僕の全魔力を使って、時間差で攻撃を与える魔法を設置する

③飛空艇から出せる最大出力の攻撃を放つ

④その攻撃に合わせて僕の設置魔法をシールドにぶつける

⑤ジルの絆魔法、大地の力で強化された僕が、シールドを直接攻撃し、突破する




 まあ、簡単に言うと、シールドが修復しにくくなっている間に最大火力をぶつけるということだね。

 それにしても、ジルの絆魔法なんて初めて聞いたんだけど、本当に発動できるんだろうか?



『ねえリザース、ジルの絆魔法って……』

『ああ、その事ですね。ジルさんが言うには「オレに任せてくださいッス! コツはもう掴んだんで、必ず成功させてみせるッス!」とのことでした。多分大丈夫なんじゃないですか?』

『そ、そうなんだ……』



 何か不安は残るんだけど、今はそうするしかない。

 他に選択の余地はないのだから。



『では、始めますよ』 

『うん、お願い!』



 すると飛空艇から何やら緑色の液体のようなものが発射される。

 液体がかかった部分のシールドが赤く変色した。

 どうやら液体はシールドにいくらか効力を発揮しているようだ。

 しかし、その効力もいつまで持つか分からない。

 短時間で一気にかたをつける!

 

 僕はありったけの魔力を使って、シールドの赤く変色した部分をターゲットにして、設置魔法を使っていく。

 しばらくすると、飛空艇から巨大なエネルギー反応が感じられてくる。

 そして、そのエネルギーがシールドへと放たれる!


 僕はそれと同時に設置魔法をシールドへと放ち、シールドのすぐ近くへと向かう。

 無事、飛空艇の攻撃、僕の魔法がシールドに命中する。

 しかし、まだシールドを貫通させるには至っていない。

 でも、だいぶシールドを削ることができたようで、残りのシールドがだいぶ薄くなってなっているし、液体のおかげで修復のスピードもだいぶ緩やかになっている。

 これ以上の好機はない。

 僕は懸命にシールドを攻撃しようと試みる。

 だが、僕の攻撃はシールドにことごとくはね返され、傷をつけるまでには至らない。



『レン、ここは勝負に出るぞ』

『勝負ってことは――ウルフ戦のときにやったアレだね?』

『ああ、そうだ。心の準備はいいか?』

『うん、いつでも大丈夫だよ』



 僕は気持ちを落ち着かせる。

 そしてバルグの気持ちを感じ取り、何をすべきかを理解する。

 その瞬間、僕の中で何かのエネルギーが湧きだしてくる!

 今ならいけそうだ!



 僕は再びシールドに立ち向かう。

 だけど今回は、シールドに攻撃をはじかれることなく、ダメージを与えることができている!

 エネルギーの増大だけでなく、どうすれば天竜の力を活かせるかというバルグの考えも伝わってくるので、効率よく攻撃をすることができているのだから、それも不思議ではない。 

 そしてさらに新たなエネルギーが僕の中へと流れ込んでくる!

 恐らくこれはジルの絆魔法によるエネルギーだろう。

 ジルとバルグの力を得た僕は全力でシールドにダメージを与える。



 あと5層、4、3、2、1……0!



 ついにシールドを貫通させることができた!

 しかし、まだシールドを通り抜けるには穴が小さすぎる。

 僕は休むことなくシールドにダメージを与え続けた。


 その後も順調にシールドにダメージを与え続け、もう少しで通り抜けられる位まで穴を広げることに成功した。

 あと少し、あと少しでシールドを突破できる!

 だが、現実はそう甘くなかった。

 シールドの赤い部分が薄くなり、シールドの破壊速度よりも修復速度が上回り始めたのだ!

 恐らく液体の効力が弱まり、修復能力が戻りつつあるのだろう。


 せっかく開けた穴が少しずつではあるが、塞がっていってしまう。

 全力で攻撃してもその修復速度には敵わない。

 もはや、これまでなのか……と諦めようとしたその時、体に違和感を覚える。

 何か時空が歪んだような感覚、これはまさか!?



『レン、私もついてる。頑張って』



 そういう言葉を言われたような気がした。

 恐らく、この感覚はエナの時魔法によるものだろう。

 エナが僕に加速する魔法をかけてくれているに違いない。

 そうだ、まだ諦めてはいけないのだ。


 折れかけた心を再び奮い立たせ、シールドへの攻撃を再び強めていく。

 すると、エナの魔法のおかげでシールドの修復以上のダメージを与えることができている!

 これだったらいける!


 そしてシールドに攻撃を与え続けた結果、ついにシールドを通り抜けられる為に十分な大きさの穴を開けることに成功する!

 そのことに気づいた僕は攻撃を止め、大急ぎでその穴から脱出しようと試みる!

 

 攻撃を止めたことでシールドは修復していくが、このスピードならばギリギリ通り抜けられそうだ。

 体半分位まで通り抜けた所でまだ、こぶし大のスペースの余裕はある。

 これだったら……!


 だが、またもや異変が訪れる。

 体にまたもや違和感を生じたのだ。

 もしかしてこれって……


 違和感を感じた瞬間、僕が進むスピードがだいぶ落ちてしまった。

 だが一方でシールドの修復は容赦なく行われている。

 このままではシールドに挟まれてしまう!



『レン、こうなったら天竜化を解いて、分離するぞ!』

『え? でもそんなことしたら――』

『迷っている暇はない! とにかくやるぞ!』



 もう一刻の猶予もないのだ。

 色々と心配な事はあったが、天竜化を解くことを試みる。


 しかし、体に全く変化が起きない。

 一体何がどうなって……!?


 戸惑っているうちにシールドはもう体すれすれの所まで修復されている。

 今にも体へと浸食していきそうだ。

 せっかくここまできたのに、これまでなのか!?



天空束縛スカイバインド



 どこかから発せられたその声を聞いたのを最後に僕は気を失った。

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