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愛してる

ルーが起きてきたのは夕飯時。

私が一足先に食卓に着き、すぐ後にルーがやって来た。

「お疲れ様!」

私はグラスに入っているワインを差し出す。

「??あぁ…。」

ルーは意味が分からんっという顔をしたけど、自分もグラスと手に取り重ねる。

二人して一気に流し込み、食事を始める。



「ねぇ…ルー。」

「何だ?」

ルーは口をモゴモゴさせながら答える。

「ルーって毎日何やってるの?」

私は、自分が今日一日ルーの行動を見ていた事を伝える。

「…監視だ。」

まだモゴモゴさせているルーが答える。

「かっ監視?」

「…世界中の獣人が問題起こしていないか監視している。」

「あっそう。っで、監視してて、もし問題のある獣人が居たら?」

「…魔力でぶっ飛ばすか、制裁を加える。」

モグモグと口を動かしながら恐ろしい事を言う。

「そっそうなの?」

私は聞かなきゃ良かった!っと思う。

「王の大事な仕事だ。」

「そうなんだ…。」

「王は、他の獣人より力が強くなくては務まらない。

 獣人に制裁を加えられるのは、王だけだ。」

ルーの魔力って本当に凄いんだ…でも、縛るだけで制裁って可能なのかな?

「ルーはどんな魔法が使えるの?」

興味深々で尋ねる。

「…色々。」

一言で終わる。

「…はじめ様。」

ロウが後ろからコソコソ話しかける。

「何?」

「王の魔力の全部を知ってはなりません。王はそれを知られたら王では居られません。

 他の獣人に知られたら、それは王室全体の危険を意味するからです。」

「そうなの?」

「たとえ、王妃様でもお教えする事は出来ません。獣人の中には、

 相手の心の中を見る事の出来る者もおります。もし王妃の心を覗かれたら…。

 王の力を知れば、はじめ様自身、危険が及ぶかもしれません。」

「あっそっか…でも、ルーの心の中は覗かれないの?」

当たり前の質問をした。

「それは絶対にありません。魔力の強い者なら、自分の心を覗かれない魔法が使えます。

 王族は皆、大抵使えます。勿論私も。」

「じゃあ、ロウはルーの力の全てを知ってるの?」

「いえっそれはあり得ません。例えば私が瀕死の重傷を負ったりした場合、

 一時的に魔力が弱まる場合があります。そんな時の為、王は絶対に人に能力は教えません。」

「そんな事あるんだ。じゃあ、ルーの魔力が弱まる事は?」

「あり得ません。王より強い者など存在しません。」

自信タップリに言いきる。そんな凄いんだルーって…

「何を不吉な話をしておる。」

ルーはナプキンで口元を拭きながら言う。

「出過ぎた真似を…」

ロウが頭を下げながら退る。

「風呂に行くぞ。」

「まっ待って!まだ全部食べてない!!」

私は急いで食事を口に運ぶ。

「ふんっ無駄話などしておるからだ。」

ルーは無視して歩いて行った。


私は急いでルーの後を追った。

ルーは浴槽の前で仁王立ちして待っていた。

「遅い。」

不機嫌なルー。

「もうっ先入ってれば良いじゃない!」

「何を言ってる?誰がルーを脱がすんだ。」

「はっはい?」

「早く脱がせろ。」

「じっ自分で脱いでよ!!」

「王は自分で脱がん。それに、メイドを追い払ったのは、はじめだろう。」

「あっ。」

確かに昨日そんな事言った様な…

「はいはい。分かりました。」

私はルーの腰ひもをシュルリと解き、真っ白な布を剥ぐ。

布の下からは、ルーの美しい身体が姿を現す。

「こっこれでいい?」

「あぁ。」

ルーは一言呟くと、浴槽の中に身を沈めた。

「…何してる。早く入れ。」

やっぱり私もは入るのか…

私も服を脱ぎ、浴槽の中に入る。

メイドは居なくなったが、浴室内にはロウが佇んでいた。


ルーは少しお湯に浸かると、急に立ち上がり浴槽の淵に腰を掛ける。

「はじめ…体を洗え。」

「かっ体も?」

「はじめがメイドを追い払った。」

「もう!分かったよ!!」

私は渋々ルーに近づく。

スポンジにシャンプーを付け、ルーの体を擦った。

「痛い。」

「はいはい。」

ルーの体を撫でるように洗う。なんて我儘な王様なのかしら。

背中を洗い終えて…気付く。もしかして前も?

ルーは自分の股間を目で射し、洗えと言わんばかりに足を開く。

ふぅっと息を吐き、私は前に取りかかる。

もう一度、たっぷりシャンプーを付け、思いっきり泡立てる。

せめて直視は避けたい…

泡でルーのアソコを隠し、スポンジで擦った。

「ちゃんと手で洗え。」

やっぱり…ってか、メイドさんにも手で洗わせてたのかしら…

なんか腹立ってきた。

「メイドさんにも手で洗わせてたの?」

聞かずには居られなかった。

「そんな訳無いだろう。王自身に触れられるのは選ばれた者だけだ。」

「んじゃ、今までどうしてたの?」

「股は自分で洗ってた。」

「じゃあ今日も自分で洗ってよ!!」

私はスポンジをルーの手に置く。

「やだ。」

なんて我儘!!!

「やっとルーにも洗ってくれる人が出来たのに…」

ルーはシュンとする。なんか計算ずくの行動にも見えたけど…

「……んもう!!わかったよ!」

私は泡の中に手を突っ込んだ。

ルーは息を一瞬乱す。ルーが少し硬くなる。

「きゃっ嫌!」

私は手を離す。

「もっもう十分でしょ?」

私はドキドキを隠す様に湯船に飛び込む。

「感じているな?」

ルーが二ヤリと笑った。

「なっそんな事ないわよ。」

「匂いがする。良い匂いだ。なぁロウ?」

ルーはロウに同意を求める。

「はっはぁ…。」

ロウは下を向いたまま答えた。


私はさっさと風呂から上がる。またエッチな事されたら堪らない!

先に寝室に戻る事にした。

少し遅れてルーが入ってくる。

ルーは寝室に入るなり私の上に直行。

ルーは被さるなり、私の口を吸う。

ルーの絶妙な舌使いで、私の身体はすぐに感じる。

「もうよい香りがするな。」

ルーは素早く私の下半身を露出し、いきなり虐めはじめた。

「ルッルー!!」

私はルーの頭を押さえ、ストップをかける。

「何だ?」

ルーはいきなり止められ、自分の舌を出したまま私の顔を見た。

「あのさ…嫌って訳じゃないんだけど…」

「…なにが不満だ?」

「初めてちゃんとベットでするなら、もうちょっとロマンというか…フインキというか…」

普通の恋人のようなSEXってしてもらってない!!私の不満はソコ。

「???」

ルーは舌を出したまま、理解不能な顔をしてる。

「もう少しムードとかさぁ…。」

正直に打ち明ける。こんな事女の方から言わせるなんて…

「ムード?必要か?」

「あっ当たり前だよ!!」

「…ムードを出すと、より妊娠するのか?」

「にっ妊娠?…ねぇルー、ルーは何で私とエッチするの?」

そう言えば、ルーと会ってからというもの、毎日の様にSEXしてるような…

私は、ルーが私を欲っしてだと思ってたけど、いまいち不安。

「……世継ぎを作るのは、王としての最大の課題だ。」

「よっ世継ぎ?」

私は子作りの道具なのかな…ルーは私の事、どう思ってるんだろう。

私は何だか空しくなって、泣けてきた。

「…なぜ泣く?」

ルーはオロオロ。

「…別に。ただ、ルーは私の事…どう思ってる?」

込み上げる空しさ…涙が本格的に流れ出す。

「はじめの事?王妃だと思ってる。」

「違う!私の事好きか嫌いかって事!」

「?変なはじめだ。好いているに決まっている。」

「だから、好いてじゃな…へっ?」

「だから、ルーはちゃんとはじめが好きだ。そんな事考えてたのか?」

ルーは笑って頭を撫でる。

「だって…いきなりの結婚だし…不安だったの。

 私にはもう、ルー以外頼る人居ないし…」

実は私、不安だった。この屋敷でルーに愛想尽かされたら…

せめて愛だけでも真実ならって…

「馬鹿なはじめ…ルーは、はじめだから王妃にしたんだ。」

「私…たまたまルーの魔力に耐えられただけかと思ってた。」

これは私の正直な気持ち。

「はじめはルーの物。ルーは、はじめの物だ。」

ルーは私の目を見て、真剣に答えた。信じても良いかな?

「ルー…有難う。」

私からルーにキスをした。

その日ルーは何もせず、私を大きな腕の中に抱いて眠った。


私は学校が始まるまでの間、ずっとルーを観察したりして過ごした。

ルーがお昼寝の時は、ロウが私の話相手になってくれた。

毎日一緒にルーと食事をし、毎日一緒にお風呂に入り…

ルーは毎日私を抱いた。とても優しく…


今日は朝からワクワクしてた。今日から学校に復帰する。

ルー機嫌は最悪だったけど…

ルーが学校へ行けって言ったくせに、いざその時が来たら面白くないらしい。

私は、絡みついてくるルーを剥し、いそいそ準備を始める。

学校で使う物は全部、ロウが手配してくれた。

教科書とかノートは実家に取りに行ってくれたらしい。

無断欠席してる学校や、心配してる友達にもロウが説明して(縛りをかけて)くれた。

私は以前と同じように学校へ通えるらしい。

本当に何から何までロウが済ませてくれる。


ルーは私の支度が終わるのを、ベットの上から見てる。

伏せ!の格好で…笑える。

普段は王様でも、最近二人の時は可愛いく甘えてくれる。

スーパー二重人格…二重猫格。

私しか知らないルーの可愛さ…私の唯一の自慢。

ルーは私の身支度が終わるのを待って飛びついて来た。

大きな男に組敷かれる…ルーは私の首筋に熱いキス。

折角着替えたのに!髪が乱れるよー!

「ちょっルーー!」

私はルーの顔面を手で押し、引き離す。

「遅れちゃうよ…。」

ルーはショボンとし、私の上から退いた。

「ルーが学校行けって言ったんでしょ?」

「しかし…はじめが楽しそうに準備するから…」

我儘猫!……可愛い馬鹿猫。

「行ってくるね。」

私はルーの鼻先にキスをして部屋を出た。


私はロウが運転する黒尽くめの高級車で学校へ送ってもらった。

ロウは学校の門の前に車を横付け…目立つんですけど。

案の定、生徒たちは車をチラチラ見ながら学校へ入って行く。車から降りづらい。

ロウは車から降り、私の為にドアを開ける。

「お待たせ致しました。」

ロウは手を差し出し、私はロウの手を借り車から降りる。

ちょっと…スーパーお嬢様みたい!!

ロウは下校時間に迎えに来ると言い、深く頭を下げる。

私は久しぶりの学校にスキップで入って行く。昭和か?


久しぶりの教室、久しぶりの学校の匂い…

そんなに離れてた訳じゃなのに、懐かしく感じるのは、あの屋敷で生活してるからだろう。

自分の机に教科書を入れ、席に着く。

「はじめー。」

後ろから首を絞められる。

「うぐっ…恭子?」

私の首を絞めたのは橘恭子。ちょっと気楽な性格の、私の大親友だ。

「ちょっと…なによあの車とイケメン!!」

どうやら朝の光景を見ていたらしい。

「何って…執事?」

はぁー?っと何か言いたげな恭子。口を開けたまま。

ロウって何処まで縛ってくれたのかな?それによって返事が変わるんですけど。

「なんか宝くじが当たってね!一日だけ!今日だけだよ。」

わっ我ながら苦しい良い訳…

「へーっそうなんだ。」

しっ信じた!さすがお気楽少女。

「あのイケメン誰よ?」

恭子の興味は車よりそっちだった。

「誰って…ロウ?」

「ロウ…ロウ様って仰るのね!!…あんたの何?」

「何って…執事?」

「ボケないで真面目に!!」

恭子が足をバタつかせて急かす。真面目に執事なんだけど…

「いっいっ従兄!!」

「いーとーこー?聞いた事無い。」

…しまった!小中高一緒の恭子に親戚の嘘は無理があったか?

「うっうん!従兄だよ。海外に住んでた。話ししなかった?」

私の苦し紛れの一発。

「うーん…聞いた様な、聞いてない様な…まっいっか!!今度紹介してね!」

恭子がお気楽ちゃんで助かった。


私は久しぶりの学校を満喫する。友達と食べるランチ、退屈な授業。

学校がこんな楽しいなんて…

一日の授業が終わり、HR。先生の話が始まる。大半はどうでもいい話。でも最後に…

「えー、明日転校生が二人来るので、皆自己紹介を考えるように。」

時期外れの転校生かぁ…どんな人なんだろう。ちょっと楽しみ!

私はロウの運転する高級車で屋敷に帰った。


とりあえず寝室で普段着に着替える。鞄を置き服に手を掛けた瞬間、ルーが飛び込んでくる。

「はじめー!」

ルーは勢いよく飛びかかってくる。ルーの勢いに負け倒れる私。

「ルー…寂しかったの?」

ルーの頭を撫でながら抱きしめる私。

「そっそんな事はない。ルーは王だ。」

王って関係ないような…

ルーは私の顔をマジマジ眺め、チューっと可愛くキスをする。

そんなルーが愛おしくて、私もチュッっとお返しをする。

二人で顔を見合い、長く激しいキスに流れ込む。

ルーの息遣いが鼻に掛り、私はルーの吐いた息を吸い込む。優しい香り。

キスは燃え上がり、私は興奮してきてしまった。

ルーは私の匂いを敏感に嗅ぎ取り、すっかり興奮している様子。

ルーは寂しかったと言わんばかりに激しく私を愛した。


「あぁ…はじめ…」

「ルっルゥーー!!はっはっんん!きっきもち…」

「はじめ…あっ愛してる…」

「はぁはぁ…ルー、私…もう無理…ねぇ、一緒に…」

ルーに、いかせてと懇願する。

「あぁ…一緒に達するぞ…」

ルーはそう言うと、激しく責め、私の中に愛を吐いた。


夕飯時、私は凄く気分が高まっていた。

初めて聞いたルーの愛の言葉。

愛してる…きゃーーー!!

食事中、ずっとニヤニヤが止まらない私。だって嬉しいんだもん!

ルーだって私を見て嬉しそうだし!なんか夫婦って感じ!

なんか、一気に距離も縮まった?うん、多分そう。

だって、今日のエッチ…すごぉーく愛されてるって思えたし。

そう、私が望んでいたのはこういうエッチなの。

やっとしてくれたねルー。大好きなルー…


その後も一緒にお風呂に入り、丁寧にルーの体を洗ってあげた。

一緒に湯船に浸かり、ずっと裸のルーに抱きついていた。

勿論その晩もルーは私を優しく抱いてくれた。

なんか順風乱満って感じ?もうサイコー!!


でも…そんな幸せの日は長く続かなかった…



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