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ロウ

大人表現あります。

私はリムジンに再び乗り込む。

フカフカの椅子に座り、深く息を吐いた…疲れた。

でもやっと家に帰れる!

「疲れたか?」

ルーは優しく聞く。さっきとは纏っている空気が違う。

さっきまでは王様前回のオーラを出しまくり、今は優しい空気を醸し出す。

「大丈夫!でも…」

「でも?何だ。」

「ルーは私が奥さんでも良いの?」

「何故…そう思う?」

「だって…さっき挨拶してた人達…明らかに綺麗だし…スタイルも良いし…」

私が愚痴愚痴喋ると、

「何だ?やきもちか?」

ルーがクスッと笑う。

「なっ別に!」

私はズバッと言い当てられた事が恥ずかしくて、横を向く。

確かに最初は最悪の出会い。いくら顔が良くても自分をレイプした男。

しかも何度も死にかけた!自覚は無いけど…

最低最悪な我儘な猫男!でも…私はすっかりルーを好きになっていた。

容姿だけじゃない。我儘な合間に見せる優しさ…好きになった。でも、ルーは?

ルーは私の事どう思ってるの?ただの死なないダッチワイフ?

でも結婚したって事は…少しは好意があるって思っていいのかな?

「ねぇ…ルー。」

「何だ?」

「ルーは私の何処が好き?」

思い切って質問。顔が赤くなる。

「……匂い。」

一言ですか…。

「あっあっ愛してる?」

「……ふっ。」

鼻で笑われた!!最悪。


リムジンは豪邸なエントランスで停まった。ここ…何処?お城?

ドアが開き、ルーが先に降りた。

「降りろ。」

ルーは上から命令する。普段から王様。

「でも…ここは?」

私は車の中から聞く。

「家。」

短い返事。

「誰の?」

「…俺達夫婦の。」

ふーん…って俺達?って私も含まれてる!!

いくらなんでも急すぎる!せめて荷物を!!

「早く降りろ!疲れてるんだ!」

ルーは苛立って命令する。

私は急いで車を降りる。


玄関には執事&メイドさん達が待っていた。

左右に分かれ頭を下げ続ける。

「お帰りなさいませ!」

皆が挨拶をする中、ルーは無視してスタスタ歩く。

私はその後をオズオズ追いかける。

階段の前には執事さんが二人。マイクで喋っていた人と黒髪の人。

「お帰りなさいませ。」

二人が頭を下げる。

「あぁ…」

ルーは短いながらも返事をする。この二人は特別なのかな?

私も会釈をして通り過ぎる。


ルーは大きな扉の前で立ち止まり、黒髪の人が扉を開ける。

中は広い食堂。20人は軽く座れそうなテーブル。ルーは上座にドカっと座った。

「王妃さま…こちらにどうぞ。」

ルーの斜め前の席の椅子が引かれる。ここに座れって事?

私は素直に椅子に座る。

「ねぇ…ルー?」

「何だ。」

「せめて家に連絡させて?」

私は夕食後、家を出たまま連絡をしていない。

お父さん、お母さん…心配してるだろうな…

「何故だ。お前は既に俺の妃なのに…連絡が必要なのか?」

ルーが珍しくマトモに返事をした。

「だって…何も言わないで家出て来ちゃったし…心配してると思う。」

私は俯いてルーに言う。

「心配?あり得ない。ちゃんと言葉で縛っておいた。」

「……縛ったの?」

「あぁ…愚痴愚痴言われても面倒だ。」

「ルー…そんな…。」

私は涙が出てきた。

「何故泣く?」

ルーは目を丸くしている。理由が分からない?

「だって…結婚式もしてない。ってかプロポーズだって…

 私の花嫁姿、お母さん楽しみにしてたんだよ?それなのに…いきなり結婚って…」

私は正直な気持ちを言う。

「人間は面倒だな…分かった。」

ルーはいきなり立ち上がり、私の前で膝を付く。

「はじめ…俺と結婚してくれ。」

ルーが私にいきなりのプロポーズ…なんてベタなセリフなのかしら。

ルーは眉を顰め、額に汗が浮かんでいる。もしかして…緊張してる?

さっきまで偉い人達の長だったルーが、一般庶民の私に跪く…凄いかも!

でも…緊張じゃなくて屈辱?

でも…良いか!私の為にプライドを折ったって事でしょ?

「あはっ!分かりました。こちらこそお願いします。」

私は笑って返事をした。

ルーの顔が笑顔に変わった…初めてみるルーの笑い顔。

なんか執事の皆さんも笑ったルーを見てビックリした表情をしている。

ルーってそんなに笑わないのかな…

ルーは直ぐに椅子に座っちゃった。もう少し余韻を味わいたかったのに。


暫くして食事が運ばれてきた。銀食器に盛られた凄く豪勢な食事。

気がつけば真夜中で、小腹も空いていたし…ちょっと嬉しい!

ルーは一口二口食べて口元をナプキンで拭く。もう食べないの?

ルーは立ち上がり食堂を出て行こうとする。

まっまだ何も食べてないのに!!本当、猫!!!

私はルーの後を慌てて追いかける。


ルーは一つの部屋の前で立ち止まる。黒髪の男が扉を開ける。

どうやら今度は浴室の様。

でも、スーパー温泉ですか?っと言わんばかりの広さ…圧倒される。

壺をもったビーナス像からお湯が流れてるし…丸い浴槽だし…絵本ですか?

ルーは浴槽の淵に立つ。後ろからメイドさん達がやって来てルーを裸にしていく。

「!!!!」

予想はしていたけど…実際見ると複雑。

ルーは裸になり浴槽に腰まで浸かる。湯気の中に白髪が光り、湯に白い花が咲く。

「お前も入れ。」

ルーは私に命令する。でも…恥ずかしいです。

「早くしろ!」

ルーが少し声を荒げ言う。慌ててメイドさんが私の服を剥ぎにやって来た。

「ちょっちょっ。」

私が慌てている間に…スッポンポンにされた。

胸と下を手で隠し肩を丸める。

「来い。」

ルーが手招きする。私は恥ずかしくて急いで湯船に浸かった。

だって…黒髪の人だって浴室に居るし…美人揃いのメイドさんだって居るし…

浴槽の中の方が見えなそうだと思った。


ヌルいお湯。30度位?

私は少し寒かったけどルーは気持ちよさそう。

ってか猫も水に浸かるの?変なの。

「おい一…近くに来い。」

「えっ?」

「こっちに来い。」

ルーは命令を出す。

「だって…裸だし…」

口ごもる私。

「今更何を言ってる。」

まぁ、全部見られてるけど。でも女の子には恥じらいという物が…

ルーはチッと舌打ちをして…私の体に縛りを掛けた。また?

「こっちに来い。」

私はルーの言葉に逆らえずルーの側に行く。

ルーの言葉に逆らえず、私はルーの隣に座った。

「口を吸え。」

私はルーの唇を吸った…皆が見ている前で…死にたい位恥ずかしい。

ルーは口を開け…私はルーの口の中を舐め回した。

ルーの唾液は甘い…私はルーの口角から垂れる蜜を舐めた。

「うっ…」

ルーが顔を顰めた。

「いっ痛かった?」

私が心配して顔を覗くと…ルーは、

「もう匂いが濃い。」

…顔から火が出る。

「おい、ロウ。」

ルーは黒髪の男を呼んだ。この人…ロウって言うんだ。

「ロウもそう思わないか?はじめの匂い…良いだろう?」

ルーってば何て事を!!

「はっはい…」

ロウは顔を真っ赤にして俯いている。何やら中腰だし。

「ほうっやっぱりロウにも分かるか。血は争えないな。」

「恐れ入ります…くぅ…」

ロウも苦しそうだった。ってか今、血は争えないって言った?

「ねぇ、ルー?」

「何だ。」

ロウさんって親戚か何かなの?

私は何気なく聞いた。

「あぁ。ロウは俺の兄だ。」

「……えっお兄さん?」

ルーって兄弟居たんだ…じゃなくて!

「普通王位とかって産まれた順番に継承権があるもんなんじゃないの?」

私は何気なく口にした…でも直ぐ馬鹿な質問をした事に気付く。

その証拠にロウは気まずそうに微笑んでいる。

「……俺の方が魔力が上だったから…それだけだ。」

ルーはそう言うと湯船から上がった。


ルーはメイドさん達に体を洗われている…これは…結構ムカつく!

仮にも夫婦なら目の前で他の女性に体を触らせるなんて!王様って皆そうなの?

ルーは再び浴槽に浸かる。

「はじめ…来い。」

まださっきの縛りが効いているのか、私は素直に従った。

「触れ。」

ルーは自分の視線を自分の下半身に持って聞く。

あの…人が見てる前で触れと?出来るはず無いし。それにやり方も分かんない!!

でも従ってしまう私。穴があったら入りたい!!


それから…私はルーの言いなりで(まぁ…縛られてるからね。)

屈辱的な凌辱を受けた…


バタン!一人のメイドが倒れる。

どうやら私の匂いに失神したみたいだ。

他にも膝に手を付き耐えている人、壁に寄り掛かっている人…皆獣人なのかな。

って事はロウも?

私は快感の隙を見てロウに目を向ける。

ロウは遠くから見ても分かる位に前を膨らませ、思い切り口を噛んでいた。

口から血が流れている…

「余所見するとは…まだ余裕があるな。」

ルーはそう言って、私を激しく味わった。

「ロウ。」

ルーはロウを呼ぶ。腰を少し曲げたままロウが目の前に立つ。

「ほらっ。」

ルーは太腿に垂れている私の液を指で掬い、ロウの目の前に差し出す。

「しっ失礼致します。」

ロウは私の液を美味しそうに舐めた…なっなんて事を!!

王族って頭のネジが絶対外れてる!!信じられない変態っぷり!

私は恥ずかしいたら何やらで、今以上に太ももを蜜で濡らした。

ルーの肌がぶつかる音が浴槽に響いて…次々にメイドが倒れていく。そして…

ルーは思いっきり私の中に果てる。私はその少し前に失神していた。


翌朝、私は物凄く豪華なベットで目が覚めた。

私はいつの間にか寝巻に着替えさせられていた。

辺りを見回してもルーの姿は無い。

ベットから降りようと足を下に着いた時、部屋のドアが開いた。

「お気付きになりましたか王妃。」

入ってきたのはロウだった。

「あっお早うございます。」

ロウに挨拶をした。

「ルーシャ様がお待ちです。お着替えが済みましたらご案内致します。」

ロウから真っ白な服を受け取る。

着替えようとした時、ロウがまだ部屋の中に居るのに気付いた。

私はロウの方を見た。

「あの…着替えたいんですけど。」

「はぁ、私の事はお気遣いなく。」

気遣いって…あっ!!思い出した!

私…ロウさんに全部見られてた!しかも…恥ずかしい液まで舐められて…

思い出しただけで顔が真っ赤に。

「王妃様…申し訳ありませんが…」

「はっはっはい?」

「暫く席を外しても宜しいでしょうか…」

ロウさんが苦しそうに喋る。

「あの…具合でも悪いんですか?なんだか苦しそうですけど…」

私は心配してロウの顔を見る。

「いえ…王妃様の香りが…自分を保てそうに…」

ロウのズボンはパンパンに膨れ上がっていた。

もしかして、私が昨日の事を思い出した所為?

「あっあの…すみません。一人でも大丈夫なので。」

私がそう言うとロウは頭を下げ部屋を出て行った。

私はロウが席を外している間に着替えを済ませた。

真っ白な服に着替え、私はロウに案内され真っ白な部屋に入っていく。

ここは…最初にルーと…えっエッチした部屋だ。

ルーは天蓋の下の寝床に横になり、私を待っていた。

横たわる姿は、一枚の絵画に様…光り輝く美しい髪、長い手足、美しい顔…涎出そう。

この人が私の夫なんだ…ちょっと自慢したくなっちゃうかも。

「おっお早う。」

言葉、噛んじゃった!

「あぁ。」

素っ気ない返事で返す。

「なっ何か用事?」

「あぁ。ココに座れ。」

私はルーの横にチョコンと座った。

「座ったよ?」

私は上からローの美しい顔を眺める。

「…撫でろ。」

「なっ朝から?」

私は顔を赤らめて抗議する。

「……何を考えておる。いやらしい女だ。」

!!!やらしいって、アンタにだけは言われたくない!

「髪だ。髪を撫でろ。」

あぁ、髪ね?はっ恥ずかしい勘違い。

私は絹の様なルーの美しい白髪を撫でる。

サラサラ…手で掬うと、途端に流れ落ちる。

なんて綺麗な髪なのかしら…ちょっと癒される。

「はじめ…」

うっとり撫でていると、ルーが話し始めた。

「なに?」

ルーはクルンっと私の方に寝返りを打ち、私の腹部に顔を埋めた。

「来週から学校へ行け。」

もう嫁に行ったんだから勉強しなくて済むと思ってたのに…

「えっ何で?」

私は理由を聞く。

「馬鹿な女は嫌いだ。」

そうですか…自分勝手な理由だな。

「……くぅ。スースー。」

?いきなり寝息を立てるルー。えっ寝ちゃったの?

「王妃様。」

ロウが話しかける。

「王は昨晩一睡もされていません。」

「えっ寝てないんですか?」

ビックリしてルーの顔を見る。確かに顔色が悪い様な…

「王妃が失神してしまってから、王はずっと王妃の側を離れようとなされなくて。」

ロウは頬笑みながら教えてくれた。

「王妃が目を覚まされなく、心配で付き添っていたのです。」

ただ失神してただけなのに…ルーって…子供みたい。

「ルー。」

私はルーが愛おしくて、頬にキスをする。

寝ているルーを起こさない様にそっと離れた。


私はロウから色々な話を聞こうと思って応接室の様な部屋へ行った。

「あの、ロウさん。ルーのご両親は何処に居るんですか?」

私は一度挨拶をしたくて尋ねてみた。

「先代の王はお亡くなりに…。」

「そうですか…じゃあお母様は?」

ロウは答えにくそうに教えてくれた。

「先代の王妃は…ルーシャ様をご出産直後お亡くなりに。」

…ルーって両親共居ないの?可哀そう。

「そうなんですか…」

私は少し暗い気分に陥る。

「あの…王妃様…。」

ロウがオズオズと喋る。

「何ですか?」

「大変申し上げにくいのですが…私に敬語はご遠慮頂けないでしょうか…」

「えっ何でですか?」

私はロウに尋ねる。

「貴方様は王妃。私は執事で御座います。身分の高い方から敬語で話されるのは…」

「でも…貴方は王のお兄様では?身分で言ったら私なんかよりもっと高貴な…」

私は失礼を承知で話す。

「確かに産まれはルーシャ様の兄でございますが、私には生まれつき魔力があまり無いのです。

 魔力が低い王族は本来家族から引き離され、普通の人間として生きていく定めなのです。

 でも私は現王のルーシャ様のご厚意で今もこの屋敷に住んで居られるのです。

 私にとってルーシャ様は王であり、絶対の存在なのです。」

口調から、ロウがルーを慕っているのが分かる。ルーって以外にいい奴なのかも。

少ししんみりしてしまった。私は話題を変える。

「ルーって一体何歳なの?」

「分かりやすく言えば…2歳位でしょうか…。」

「にっにっ二歳?」

二歳って…私は二歳の子供に抱かれてたの?やっ嫌だ!!信じられない。

私が口をガタガタいわせていると、ロウは頬笑みながら言う。

「人間の年に直せば…大体25歳位でしょうか。」

「あっ猫年の数え方ね。」

少し安心した。二歳はちょっとね。

その後も色々ロウに獣人の話を聞いたり王族の話を聞いたり…

あっという間に午後になっていた。

「王妃様、そろそろ仕事に戻らなくては…」

ロウはスイマセンと言わんばかりに伏し目がちに切り出す。

「あっ引きとめちゃってすみません。」

「いえっ王妃様とこうやってお話が出来て光栄でございます。」

ロウが深々と頭を下げる。

私もつられて頭を下げようとしたが…堪える。昨日のロウの言葉を思い出したから。

王妃は簡単に頭を下げない。

いくら王の兄でも、今は執事として生活しているのなら。

きっと簡単に生き方を決めた訳では無いだろうし。

ロウを困らせない様に、私もルーの兄という考えは捨てよう。その方がいい。でも…

「あの…ロウさん。」

「はい?何でしょう王妃様。」

「その…王妃様って止めてもらえませんか?」

「えっお気に触りましたか?」

ロウは焦っている。そうじゃなくて…

「あの、肩書きは王妃なんですが、恥ずかしいと言うか、柄じゃないというか…」

モゴモゴ話す私を見て、

「クスッあっ申し訳ありません。では何とお呼びすれば?」

微笑しながら答えるロウ。爽やかすぎて眩しい。

「じゃあ…はじめ!」

「はっはじめ…様ですか?」

「うーん、様は我慢します。じゃあ…はじめ様で!」

私は了承する。二人で笑い合った。

ロウって不思議な人…全身黒ずくめなのに真っ白な肌で…

王族っぽくない優しい空気…笑うと目なんか凄く細くて。

私はすっかりロウに心を許した。


私は昼食を出してもらって、美味しく食べた。

また豪勢な食事で…絶対に太りそう。

食後のデザートも申し分ない。至れり尽くせり!!

王妃様サイコーー!大満足で食事を終えた。


今朝、起きた部屋は私の夫婦の寝室らしい。

さっきルーが寝ていた部屋はルー専用の寝床。主にお昼寝用。

私はロウに夫婦の寝室に送ってもらった。

廊下でも私とロウは楽しく雑談しながら向かっていた。

「ねぇ、私とルーって夫婦なんだよね?」

「はい。王族にも許しを得ましたし、紛れも無くお二人は夫婦でございます。」

「じゃあ、人間の結婚式はやらないのかな?それに婚姻届は出してあるのかな?」

「結婚式は通常、獣人は行いませんが…婚姻届も今は無いかと。」

「えっ結婚って普通届を出すんじゃないの?」

「はぁ、人間はその様に行いますが、我々獣人に戸籍は存在致しませんので…。」

「えっ獣人って戸籍無いの?」

「はい。あった所で意味は成しません。我々の寿命は通常200年程ありますので。」

多少の事では驚かなくなったけど…貴方達は200年生きるんですか…

って事は確実にルーより先に死ぬのね…なんだか寂しいな…

「昨日、一番最初にはじめの香を嗅いだ初老の男性、かれは王族の長老で、御年300歳です。」

「さっ300?」

凄いなぁ…なんか別世界。

「獣人は150歳を過ぎた頃より、急に老化が始まります。

 それまでは皆、若々しい容姿をしております。」

「へー、凄い話だなぁ。ちなみにロウは何歳なの?」

「私ですか?90歳でございますが…。」

「あっそっそうですか…」

結構おじいちゃんですね?口が裂けても言えないけど…

私とロウは寝室に着いた。


私はロウに携帯を手渡される。

「これ…何ですか?」

「はじめ様専用の携帯でございます。主にルー様との連絡になりますが、

 私共執事やメイドに御用がある時にもお使い下さい。」

「あっ有難う。」

私は携帯をポケットにしまう。

「来週からお使いになられる御制服はそこのクローゼットにお入れして御座います。」

物凄く高そうな箪笥を指差す。

「はい。分かりました。何から何まで…」

私は軽く会釈をする。この位なら良いよね?

「では、私は仕事に戻りますので、失礼いたします。」

ロウは深々と頭を下げ、部屋を出て行った。


私は物凄く大きなベットに飛び込んで…ボーっとしていた。

昼寝が得意の私だけど、急に変わった環境、落ち着かない広い部屋。

なかなか寝付けなかった。

暇。暇すぎる。この部屋にはテレビは無いの?

私は屋敷散策に出かける事にした。




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