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喪失

ムーンライトノベルズに投稿させてもらった作品を、エロを抑えた感じでまとめました。本編は第二章に入ってます。

18歳以上の方、そちらも読んでいただけた幸いです。

気持ちの良い天気…

私は空を見上げながら学校へ登校していた。


私は都内の高校に通う普通の女子高生。

鈴木一すずきはじめ年は17歳。

特技は昼寝、のび太くん並みに寝付きもいい。見た目も普通。

勉強もスポーツも苦手。オシャレも好きじゃない。化粧もしないし、香水も付けない。


高校進学と共に都内に引っ越してきた私は、自然があまり無いこの町に馴染めずにいた。

無機質な街並みを登校する毎日はつまらない。

だから私は空を見上げながら毎日登校する。


「にゃう…」

突然足元から妙な声が聞こえた。

私は自分の足元を見る。

そこには真っ白な毛並みの高級そうな猫が居て、私を見上げていた。

「うわぁ…綺麗な猫…」

私はしゃがみ込み、その猫に触ろうと手を伸ばす。

でも猫はスルリと逃げ、行ってしまった。

「あーぁ、残念…。」

私は立ち上がり学校へ向かおうとすると、また声が聞こえる。

「にゃう…」

猫は私の方を見て鳴いている。かと思ったらまた歩き出す。

鳴いては歩き、鳴いては立ち止まり…

着いてこいっと言わんばかりの態度に私は素直に従った。


綺麗な猫は近くの神社に入って行った。

「こんな所に神社なんて有ったんだ…」

私が境内に足を踏み入れると、猫の姿は見えなくなった。

「見失っちゃった…」

私は暫く猫の姿を探したが見当たらない…境内を見渡す。

自然が溢れる境内は私が以前住んでいた町を思わせる。

懐かしくなり、私は境内に設置してあるベンチに腰を降ろした。

私は目を閉じ周りの空気を吸い込んでいた。

澄んだ空気に、木々の香り…ここが一気に気に入った。

私は学校の事なんて忘れて寛いでいると、隣にあの綺麗な猫が座っていた。

「ありがとう、君のお陰でこんな素敵な場所に出会えたよ…」

「にゃう…」

猫は返事をして、私の太ももに顔を置く。

「君って本当に綺麗な猫だね…」

猫の毛は木漏れ日に当たり、金色に光っている。

金色の毛を優しく撫でながら、私は少しの間ボーっとしていた。


「あっ寝ちゃった…」

私は自分の垂らしたヨダレが冷たくて目を覚ます。

気持ちいい場所だなぁ、また来よう。

私が目を開けると、目の前にはさっきと違う景色が飛び込んできた。

「あれ?私は神社に居た様な…」

真っ白な室内。部屋の造りはテレビで見る宮殿を思わせる。

窓は無い。その代わりドアも無く、支えているのは真っ白な柱。

床には毛の長い絨毯。その真っ白いフカフカの絨毯の上に私は寝ていたらしい。

天蓋が付いていて、ベットというよりは寝床って感じ。

「夢遊病かしら…私。」

私が不思議そうにキョロキョロ室内を眺めていると、カチャカチャ音が聞こえてきた。

私は慌てて身なりを整え、正座をする。

現れたのは男の人の様だけど、顔を見ずに土下座をした。

「すっすみません!!私…」

私が頭を下げていると、上から声が聞こえてきた。

「顔を上げろ。」

若く低い声。私はその声に従い顔を上げ、声の主の顔を見る。


声の主は若い男だった。

髪は腰まで長く、白髪っというか金髪といか…細く綺麗な髪。

背も高い。白い色の布を体に巻き、腰の所を金の紐で縛っている。

長い髪の間から覗く顔は、今まで見た事も無い位整っていた。

「……」

私はその男を口を開けて眺めていた。

「…何だ?」

男は少しムスッっとしながら喋った。

良く聞いたら声まで綺麗な…なんだか羨ましい。

「いっいえ、すみません。貴方があまりに綺麗で…」

私は突然掛けられた言葉に、正直な返事を返してしまった。

男の人に綺麗なんて…私の馬鹿!!

でも男の人は満足そうに笑うと、私に銀のコップを差し出した。

「飲め。」

私はコップを受け取り、中を覗く。

何やら液体が入っているが、ピンク色の液体は水では無い様だ。

見知らぬ方からこんな…飲めと言われても何だか分からない液体だし…

私が考え込んでいると、

「飲め!」

怒鳴る声が聞こえ、私は何だか分からない液体を一気に流し込んだ。


「美味しーい!!」

思わず叫ぶほど美味しい液体は、甘く…そしてフルーティー。

「これ、何ですか?」

私が男に聞くと、男は笑いながら言った。

「お前の運命を決めた酒だ。」

うっ運命ですか?そんなカクテルあったっけ…。

私が意味も分からず首を捻っていると、男はおもむろに私の前に座り込み顔を覗き込む。

「そろそろだ…。」

「そっそろそろですか?何…が…」

急に目の前が暗くなり、私は意識が無くなった。


「!!!!」

ザワザワする声に私は目を覚ました。

ココは一体何処でしょう?

さっきとは違う部屋。広い場所に小上がりの舞台みたいなのがあって…

私はその舞台みたいな所にポツンと置かれた椅子の上に座らされていた。

下には沢山の人が居た。ペットを連れている人も。

何が何だか分からない私は、取り合えず逃げようと立ち上がる。

その時、いきなり辺りが静まり返った。

ツカツカとさっきの男が入ってくる。

「皆の者、よく集まった。」

男が一言声を掛けると、皆男に頭を下げる。

「良く見るがいい…」

男は私の前に来て、さっきのコップを差し出す。

これって、急に意識が無くなった原因では?

「飲め。」

男は私の手にコップを握らせる。

「あっあの…これはチョット…」

眠らされて海外に売り飛ばされても!!

私は思いっきり躊躇った。

「良いから飲め!」

男は怒鳴るが、私も身の危険を感じ飲めなかった。

部屋中にざわつく声…何やら変な空気。

「お前…殺されたいのか?」

ひぃ!そんな綺麗な口から、なんと恐ろしい事を!!

私は死より売り飛ばされる方がマシだと思い、一気に飲み干した。

飲み終わると周りから一気に歓声が聞こえた。

「おめでとうございます!」

「おめでとうございます!」

何がおめでたいんだか…

私が考えていると、男が皆に向かって話し出した。

「今日からこの女は私の妃だ。皆丁重にな。」

拍手と喝采の中、訳も分からず部屋から連れ出される。


私と男はさっきの真っ白な部屋に戻ってきた。

「あのぁ…これは一体どういう事ですか?」

さっきとは違い眠くならない液体、妃がどうのって…

「そういう事だ。お前は今日からこの国の妃だ。」

???はい?

「はぁーー?」

私は怒鳴る様に声を出す。

不機嫌な顔の男は喋りだした。

「下品な女だ…これが俺の妃だとは…失敗したか…」

ふぅっとため息を吐かれた。

「意味が分かる様に説明して下さい!」

私は怒りながら説明を求めた。

「何でさっき眠くなったんですか?あの人達は?ここは一体何処?」

一気に捲し立てる。

「騒ぐな女。分かったから。」

嫌そうな顔をして、男は説明しだした。

「ココは俺の国。どこって言われても俺の国。さっき飲んだのは運命の酒だ。」

「運命の酒?」

「あぁ、あれは王妃を決める時に使う。運命の女以外が飲むと、苦しみながら死ぬ酒。

 意識が無くなったのは強い睡眠薬が入ってるから。」

平然と話す。苦しみ死ぬ酒?そんな恐ろしい物を飲んでたなんて…

「そっそんな恐ろしい物飲ませるなんて…」

「まぁ、お前は大丈夫だったんだから…」

平然と話す男に怒る気も失せる。

「あれって、毒なんですか?何が入ってるんですか?」

おそるおそる聞く。後遺症でも出たらどうしよう…

「まぁ、毒と言えば毒だ。俺の体液入り。飲みやすくフルーツも入れた。」

「たったったっ…体液??」

「あぁ、平たく言えば精子。」

うっうぇーーっ精子…知らない男の精子飲んじゃったの?最悪だ…

「俺たち王家の一族の体は、下々には受け入れられない程の魔力を帯びている。

 その魔力の詰まった精子に耐えられる女で無くては、王家の子供を産む事が出来ない。

 魔力に飲まれて皆発狂し、死んでしまう。」

「へぇーそんなんですか…大変ですね…」

私は素直に大変なんだなぁっと思った。

ってか…冷静になれ私。この人へんな事ばっかり言ってる!魔力?王家?

この科学の時代にそんな馬鹿な事あるわけ無い!!

「でっでは…私はこの辺で…」

早く家に帰らなくちゃ!!

私は本当に身の危険を感じ、その場から立ち去ろうとした。

「無理だ。」

男は呟くと手のひらを私の方に向け、何やらブツブツ呪文らしき言葉を唱える。

「!!」

私は急に体が硬直する。

手を動かそうとしても動かない!

男が私の前に立つ。

「おっお願い…殺さないで…」

私は怖く涙が出る。震えた声で男に懇願する。

「馬鹿な。殺しはせん。漸く見つけた妃なのに…」

男は私の頬に両手を当て、優しくキスをする。

うわー!私…ファーストキスだったのに…

男は私の口を啄み、舌を入れてきた。

私の口の中で動く舌…初めての感覚…頬が熱くなる。

「口を開け…」

私は素直に従う。体動かない筈なのに…男の命令に対しては動く。

本当に魔法が実在するなんて…

「舌を出せ…」

私は自分の舌を突き出す。

男は私の舌を美味しそうに吸う。はっ恥ずかしすぎる!!!

「くっくぅ…」

息が苦しい…キスなんてした事ないから、呼吸のタイミングも分からない。

「我慢しなくていい。感覚に素直になれ。」

男の言葉に恥じらいの意識が和らぐ。

男はまた私の口を吸い始めた。

私も男の言葉の所為にして、男の舌を吸った。

なんだか自分の股間が熱くなっていくのが分かる。

モジモジして…

男は私の様子に気付くと、また命令をする。

「後ろを向け。」

私はヨロヨロと男に背を向ける。

「そのまま四つん這いになれ。」

私は言われたとおりに膝をつき、男に尻を向ける。

「そのまま…」

男はおもむろに私のスカートを捲り、下着に手を掛ける。

いっ嫌!!止めて!!

叫びたくても声が出ない。

下着は一気に脱がされ、糸を引きながら膝まで落ちる。

スースーする股間…みっ見ないで!!

「良い匂いがするな…」

男はそう言うと、私の大事な所を…

お腹が圧迫される感じと…激しい痛み…後ろから聞こえる喘ぎ声…

首筋に痛みが走り…私は気を失う。

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