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隣の雨宮さんは俺と同じ地味系所属のいわゆる三軍女子だと思っていたが…?!

俺は春が苦手だ。いや気候で言ったら好きな方だが、春といえば"あれ"がある。学生なら必ず一度は思うんじゃないだろうか?そう。入学式の後の自己紹介タイムだ。俺は現在15歳の高校一年生になった男だが、この自己紹介というのには一向に慣れる気配が感じれない。大体何を言えばいいって言うんだよ…!だがここでぐずぐすしていても意味がない…なぜならこの自己紹介に今後の学校生活がかかっていると言っても差し支えないからだ!俺は今後の学校生活を盤石にするためにも、ここで1発かますしか…!!!!


-放課後-

俺は見事自己紹介ですべってしまい、ホームルームが終わり周りのクラスメイト達がラインやインスタを繋いでいる中席に1人突っ伏していた…

どうしてこんなことに…?いや理由なら分かっている。中学校では三軍に所属しており、高校からは陽キャになりたいと思ってデビューを図ろうとしたのが裏目に出てしまった。そのせいで今も自分からは話しかけれないのに、誰かが話しかけてくれるのを期待して帰れず席に座っているのだから…

大体俺なんかに話しかけてくれる人がいるはずもないのに、、と自嘲気味に考えらのもそろそろやめて、家に帰ろうかと思い席を立とうとしたところで、隣の席の人も1人で座っているのに気づいた。

なんで帰らないんだ…?ここで俺の頭に一つの可能性が浮かび上がる。

「この人もしかして俺と同じ状況なんじゃないか?!」

俺が高校で変わらんならここだ!っと思ってからは行動に移すのは簡単だった。

「えっと君は帰らないの?」

「え、あ、私、えっとその…」

人と話すのが苦手なんだろうか?なんだか親近感が湧いてきた。

「あ、嫌なら言わなくてもいいよ?えっと…名前聞いてもいいいかな?」

「あ、はい。私の名前は雨宮花音って言います」

「俺の名前は新浜陸都です。隣同士これからよろしく」

これは中々いい挨拶だったんじゃないだろうか?

「えっと、陸都くんはこの後って…」

見てみてw陰キャ同士がいちゃいちゃしてるwww

教室の後ろの方で固まっている一軍のやつらに俺らの会話が見られていたようだ。俺からするとこの手のいじりは慣れっ子なので気にも止めないのだが…

「ち、違いますっ!別に私たちそんなんじゃ…」

あーあ言い返しちゃったよ雨宮さん。こんなのスルーしとけばいいのに…なんて俺が思っていると

「うわーw陰キャが言い返してきたんですけどww」

「必死すぎでしょwwww」

なんて言い返してくるのは目に見えてたのになー、とひとごとのような思っていた矢先

「大体男の方は突っ立てるだけじゃんww彼氏くんから愛想つかれちゃってるよーww」

まさかの俺に矢先が向かってきた。俺はもう帰ろうとバックに手を伸ばすが…

「待って!陸都くん!」

「ど、どうしたの雨宮さん…?」

おいおい、ここで俺を止めるなよ…なんて思っていると

「陸都くん良かったらこの後付き合ってくれませんか…?」

はい?俺を誘って何をするんですか?カツアゲですか?一軍とグルなんですか?

「陸都くんにお話ししたいことがあって…」

もう心臓バクバクですよ…もう一軍のことなんて考えれる訳ないよね、頭の中はこの後のことでいっぱいだった。

「あ、うん。もちろん暇だよ」

「良かったです…じゃあついてきてくれますか?」

我が人生悔いなし。どこまでだもついていきましょう…なんて考えてたらまだ一軍のやつらは何か言っていたようだが今の俺にとっては全て戯言。

「立って話すのもなんなので、良かったら私のおすすめのカフェがあるんですけど…いいですか?」

「うん、雨宮さんのおすすめのカフェすごい気になるよ」

そんな話をしながら十分程で目的のカフェに辿り着いた。

「ごゆっくりどうぞ。こちらメニューです」

雨宮さんのおすすめのカフェと言うのは、すごくオシャレでレトロチックなお店だった。やはり年配の店主がコーヒーを淹れてくれるのだろうか…

「陸都くん、よければこのセットおすすめなんですよ」

「じゃあ…せっかくだからそのセットで」

「ご注文お決まりでしょうか?」

さっきとは違って美人なお姉さんが出てきた。これだけでとカフェに来る価値があると思わせるぐらいの美人だった。

「あの…このセットを二つで…」

「かしこまりました。十分程でお待ちしますね」

「ありがとうございます」

こうやってみると雨宮さんって別に人と話すのが苦手って訳じゃないんだろうなー男の人と話すのが苦手なだけなのかな?なんて考えてると雨宮さんが睨んできた。

「早速本題なのですが、陸都くんは恥ずかしくないんですか?なんで男ならあそこで怒らないんですか?」

あれ?あれれ?どういうことだ?

「日本男児たるものあそこで女性を庇わないのはどうなんですか??やる気あるんですか?ていうか私のこと最初同類とか思ってたんじゃないですか?自分と似たように人も話すのが苦手だと思って親近感湧いちゃったんじゃないですか?」

おいおいおい、えっぐい人やんけ…え?何エスパーかなんかなの?てか時代錯誤もいい話でしょ日本男児がどうのこうの…

「はぁ…もういいですけど。とりあえず本題に入りましょう」

「は、はぁ…」

「陸都くん私にプロデュースされてください。私ならあなたを学校のアイドルにさせてあげます。」

もう俺は平穏な学校生活なんて受けれないのかもしれない…

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