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第9話 ゴブリン達を説得する

 「仲間二ナレダト?」

 「ああ、具体的には、俺のスキルを受けてもらい魔王の眷属となってもらいたいんだ」

 「眷属ダト?一体ドウイウ事ダ?」


 ゴブリン・ソードマンが明らかに混乱しているのがわかる。いきなりスキルを受けて魔王の眷属になれと言われたら混乱するのも無理はないだろう。


 「俺のスキルに相手を魔王の眷属にする事が出来る物があるんだ、俺の魂の一部を分けることになるので、本当に家族同然の関係になると思う。俺の仲間になれば、もちろん全員の安全も保障する。ここにいたら、いずれゴブリンの群れに皆殺しにされる可能性は高いと思う、悪い話では無いと思うが?」

 「我ガ同胞ノ安全ヲ保障スルダト、……ニワカニハ信ジラレンナ」


 ゴブリン・ソードマンの疑問は当然だ。だが俺の頭には一つの案が浮かんでいた。


 「一つ案がある……俺の根城にここのゴブリン全員を避難させる……というのはどうだ?」

 「何ダト!?」

 「ま、魔王様!?」


 シオンとゴブリン達が驚く素振りを見せた。


 俺の案はこうだ。

 まず、この集落のゴブリン達の全員を玉座の間に匿い、その間にゴブリンキングを含めゴブリンの群れを退治してしまうという訳だ。

 玉座の間の居住スペースには個室もたくさんあるし、食事に関しても心配は無いだろう、俺達がゴブリン退治をした後は、元の集落に戻っても良いし、何ならそのまま居住スペースで暮らしても良い。

 そうすれば、仲間の安全は確保出来、心置きなく俺の仲間になれるという訳だ。


 「俺は仲間を増やす事が出来るし、そっちも身の安全を確保できる、お互いに利がある案だと思うが、シオンはどう思う?」

 「確かにこの近辺のゴブリンの発生具合は異常ですし、このままだと集落を守り切るのは無理でしょうね、避難は止む無しかと思います、いやー魔王様でもこんな良い考えが浮かぶんですね、びっくりしました」

 「お前は一回一回俺に喧嘩売らないと気が済まないのか」


 最初は驚いていたシオンも俺の説明を聞いて納得してくれたみたいだ。

 後は、集落のゴブリン達だが。


 「どうだ?納得してくれるのならば、今すぐにでも居住地へ移動しようかと思うが?」

 「シ、信ジテ良イノダナ?」

 「ああ、俺の提案に乗ってくれたならば全力でお前たちを守ると誓おう」

 

 ゴブリン・ソードマンはかなり迷っていたが、最終的には仲間の安全の確保を優先したのだろう、首を縦に振ってくれた。


 「よし、よく提案を受け入れてくれた、礼を言おう。そちらの準備が整い次第、玉座の間へ移動しようと思うが大丈夫か?」

 「少シダケ時間ヲモラエレバ問題ナイ、シバシ待タレヨ」


 そう言って、ゴブリン達は集落に戻り身支度を始めた。

 待っている間にシオンがひそひそと話しかけてきた。


 「魔王様、本当に初めての眷属化の相手があのゴブリンで良かったんですか?」

 「ん?シオンは反対なのか?」

 「いえ、反対という訳ではありませんが、やけに判断が早かったので理由を聞かせて欲しいなと思いまして」

 「理由?理由かー……まず、仲間想いな所を気に入ったのもあるが、何となくあいつとは気が合いそうなんだよなー」

 

 俺の答えにシオンがほーっと相槌を打ちながら不思議そうな表情を浮かべている。


 「どうしたんだ?ぼけーっとした顔をして、納得いかないか?」

 「いや……魔王様がそこまで仰るならば間違いないのでしょう、私は従います」


 そうこうしている内に準備が終わったらしく、ゴブリン達が集まって来た、それぞれが簡単な荷物を持ってきている。


 「よし!準備も出来たみたいだし移動してしまおうか!」

 「アア、ヨロシク頼ム」


 「それでは行きますよー!転送式魔法陣(ワープポイント)起動!」


 シオンが魔法陣を発動させた、青白い閃光が走り、それを見たゴブリン達がわかりやすく狼狽している。

 

 「最初はさすがに怖いよなぁ……大丈夫だ、俺について魔法陣の中央に入ってきてくれ!」


 俺の言葉を聞き、集落のゴブリン達が恐る恐る魔法陣の中央に寄って来た。

 全員が魔法陣の中央に立った瞬間、玉座の間に瞬時に転送されたのだった。

 

作品をご覧頂きありがとうございます。


現在、第一部終了まで書き溜めてあるので、しばらくは毎日更新を続けさせて頂きます。

評価を付けて頂けると本当に嬉しいです。

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