第16話 金剛の獣王
本日も2回更新です!
朝にも1回更新していますので、まだの方はそちらから読んでください!
今回新たな仲間が誕生します!
久しぶりだから書いてて緊張しました!
……というわけで俺たちは今、かつて知ったるダンジョン〈大迷宮〉の玉座の間に戻ってきた。
もちろん、アランドラのスタンピード制圧後、エレールの許可を取った上でだ。
エレールには、急用が出来たので急がなければ!で押し通した。
言いたい事がありたそうな顔をしていたが、アランドラを救った救世主たる俺にはあまり強くは言えない感じだった。
目の前でシオンの転送用魔法陣を使ってしまったので、さぞかし驚いただろう。
金獅子の件が終わったらまたアランドラに戻らなければならないため、言い訳は考えておかなければならない。
……さて、ここに戻ってきた目的は一つ、金獅子を仲間にするためだ!
既に本人の了承は得ているため、後は金獅子に対して魂の共有を使うだけだ。
当の本人は突然連れてこられた玉座の間に只々圧倒されている様だ。
口をポカンと開けながら辺りをキョロキョロ見渡している。
「……さてと、一応確認するが俺達の仲間になるって事で良いんだな?」
「ああ、男に二言は無え!俺はお前達の仲間になってやる!」
よし、良い返事だ。
未だにこいつが何者でどこから来たかはわかってはいない。
〈獣王の資質〉を持ってはいるが、本当に味方にしてしまって正解かどうかの保証なんてどこにもない。
しかし、俺はこいつを仲間にしたいんだ。
これはラセツや他の仲間達の時にも感じた感情と全く同じ。
直感と言ってしまえばそれまでかもしれないが……
とにかく、金獅子を仲間に引き入れる事に躊躇は全く無かった。
そして、その気持ちは他の仲間達もわかってくれているはずだ。
最初は金獅子に対してマイナスの気持ちを抱いていた仲間達も、俺と話をした後では異を唱える者はいなかった。
これで、準備は整った。
いよいよ、新たな仲間を迎え入れる時がきた。
「よし、それじゃあ行くぞ!魂の共有!」
俺は金獅子へ向かって魂の共有を使用する。
『魔王ヤクモが魂の共有を使用しました。名称〈金獅子〉に対して眷属化を実行しますか?〈眷属化成功率100%〉』
「もちろん、実行だ!」
『只今より眷属化を実行します』
その瞬間、俺と金獅子の体が輝き出す。
今までと同じく、体の内側から新たな力が沸き上がってくるのを感じる。
これでもうしばらくすれば、金獅子の進化も完了するはずだ。
◆◆◆◆
『〈金獅子〉の眷属化及び進化を確認、新たな名称を設定して下さい』
5分程度経った後に、アナウンスが鳴り響く。
金獅子の進化が終わり、新たな名前を要求される。
この名付けが終われば、魂の共有は終了、新たな仲間の誕生となる。
金獅子に対して相応しい名前は何か、俺は秘かに考えていた。
勇猛な牙と爪、そして体術を持って戦場を駆け巡る百獣の王。
そんな戦士に対して最も相応しい名前は何か、必死に考えた結果を新たな名前として与える。
「……よし、お前の新たな名前は〈ガオウ〉だ!」
『命名〈ガオウ〉を確認、設定します……眷属化及び進化を終了します』
進化が無事に終了し、周囲の光が収まっていく。
そこには、新たな進化を遂げた金色の戦士が立っていた。
「……俺の事がわかるか?」
「ああ、わかる……俺の新たな名前はガオウ……魔王様の下で敵を打ち砕く誇り高き戦士だ!」
元々、大柄な人間サイズの魔物ではあったが、体躯は一回り大きくなっている。
恐らくラセツよりも一回り大きいくらいだろう。
顔は、どちらかというと獣よりだった人相が、より人間に近くなっている。
凛々しい顔つきの屈強な男という感じだ。
髪の毛は更に金色の輝きを放ち、正に金色の獅子を体現している。
最低限の布切れしか身に着けていなかった服装は、立派なプロテクターを装着し、歴戦の格闘家の様な装備を身に着けている。
名称 : ガオウ
クラス : 金獅子王
ランク : B
Lv : 1
HP : 2080/2080
MP : 1036/1036
攻撃力 : 1990
防御力 : 1436
魔法力 : 0
素早さ : 2043
スキル : 獣王の威厳
獣魔弾
体術〈Lv8〉
獣魔咆哮覇
獣王の威厳:魔王の力となり、魔獣の王として威厳を放ち続ける者に発現するスキル。体術で攻撃した時に与えるダメージを大幅に上昇させる。
獣魔弾:魔王と獣王の力を融合させた奥義、闘気を込めた強力な波動を放つことができる。
獣魔咆哮覇:魔獣の王となった者が習得する奥義、強力な咆哮と共に闘気を放ち、周囲一帯を一掃する。
……いやあ、恐ろしい戦士が誕生してしまったな。
能力の傾向的には、ラセツとオボロの中間くらいかな?
強大な攻撃力と俊敏な動きを持ち合わせた格闘家だな。
スキルも凄まじい技を習得している。
Lvが8まで上昇した体術から放たれる、各種奥義はとてつもない威力を叩き出すだろう。
披露される時が今から楽しみだ。
……おっと、そういえば俺の能力も上昇してるはずだ。
一応確認してみるか……
名称 : ヤクモ スメラギ
クラス : 新米魔王
ランク : B
Lv : 34
HP : 3360/3360
MP : 3270/3270
攻撃力 : 3326
防御力 : 3254
魔法力 : 3289
素早さ : 3190
スキル : 魂の共有
鑑定
闇魔法〈Lv8〉
魔王剣
聖魔合一
魔王の盾
魔影鎖縛
魔王砲
おお、めちゃくちゃステータスが上昇している。
ガオウを眷属化した影響と、さっきのスタンピードで魔物を倒しまくって得た経験値によるものだろう。
ステータスは軒並み3000オーバーだ。
最早、ゴブリンキングすら単独で討伐可能かもしれない。
このまま強くなっていけばランクAも夢ではないだろう。
「魔王様、ちょっと洒落にならないくらいに強くなってません?」
玉座の間に戻ってきた間は、〈封印の首飾り〉から解放されるシオンがパタパタと飛んできた。
「ああ、これならそんじょそこらの魔物なんかには負けないだろうな」
この調子で仲間を集めて自らの能力を強化する。
そして最終的にはこの〈大迷宮〉の深淵部へ挑戦をしなければならない。
そこまではノンストップで駆け抜けるつもりだ。
今回、外界に出てすぐにガオウという強力な仲間を獲得する事ができた。
外界にいる王の資質スキル持ちの魔物は後1体だ。
……とりあえず一休みしたらエレールの所に戻るか。
体力が回復したら再びアランドラへ戻る。
一先ず仲間達とゆっくりと休みを取り、戦いの疲れを癒す事にした。
◆◆◆◆
こうして、俺たちは5人目の仲間と出会った。
その者は、誇り高き魔獣の王であり、剛拳を持つ拳王である。
金色の体躯を持ち、王でありながら魔王を支え共に敵を討つ。
後に金色の獣神として世界中に恐れられる事になる……
その名は 『金剛の獣王 ガオウ』
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