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第15話 獅子を狩る魔王

昨晩に引き続き更新です!

 ひょんなことから仲間候補の金獅子と戦うことになってしまった。


 まあ、勝てば仲間になってくれるみたいだから良いか。


 「さて、そうと決まればさっさとやろうぜ」

 「へえ、仲間が来るのを待たなくても良いのかよ?」


 ……仲間が来る方がややこしいんだよ!

 ラセツ達が来たらお前殺されるぞ!

 進化前だし全然ラセツ達の方が強いんだからな!


 「まあ、仲間達が来るまでに片を付けたくてな」

 「はあ……余裕過ぎるだろお前、ちょっと俺を舐めすぎだよなぁ!」


 そう叫びながら飛び掛かって来る金獅子。


 なるほど、不意打ちか、悪くはないな。


 俺はすかさずバックステップで回避する。

 並みの相手ならばここでダメージを受けるだろうが、俺のステータスは金獅子の倍近い、不意打ちとは言え喰らうわけがない。


 「なっ!?早すぎるだろうがよ!」

 「へへん、実力差がわかったかよ」

 「ああ、だがまだ負けると決まったわけじゃあないよなぁ!」


 金獅子はニヤリと笑うとこちらへ向かって突っ込んでくる。


 これは、アビスデーモンと同じく体術での技術比べに持ち込むつもりだな。


 そうだな、これだとステータス差はかなりの割合でカバーできる。


 金獅子は得意のフットワークを駆使して俺の懐に潜り込もうとしてくる。


 ……がしかし、甘いな。


 こちとら、ゴブリンキングを始め、数々の死線をくぐってきている。

 いかにテクニックに優れていようが、経験値が違い過ぎる。


 すぐさま、身を翻し、金獅子の動きをさばく。


 そして、がら空きのボディに向かって……


 「ぬりゃぁ!」


 渾身のボディブローを放つ。


 「ぐうう!やるじゃねえか!」


 ダメージを受けた金獅子は少し距離を取った後にたまらず膝を地面についてしまった。


 「はあっ、はあっ、体術でも叶わないのかよ!お前どんだけ強いんだこの野郎!」


 ボディにくらったダメージも相まってか、息が乱れている。

 あの様子じゃ全力の動きは無理だろう。

 そろそろ止めを刺そうかな。


 そう考えながら金獅子の方へ歩み始めた瞬間……


 「まだ終わっちゃいないぜぇ!〈金獣変化〉!!!」


 金獅子が身体強化のスキルを使った様だ。

 金色の長髪を始め、全身の体毛が逆立ち、黄金色に輝いている。

 

 「……これが俺の、切り札だぁ!」


 金獅子の全身から発するプレッシャーが凄まじい勢いで上昇しているのを感じる。

 ステータスもかなり増加してしまっているだろうな。


 「……へえすごいなぁ」

 「降参するなら今のうちだぜぇ!」

 「まあ、そんな感じなら俺も、出来るんだけどなぁ!」


 俺はそう言いながら魔力を集中する。


 「行くぞぉ!〈聖魔合一〉!」


 金獅子と同じく身体強化のスキルを発動する。

 ステータスが増強され、金獅子と同じ状態になる。


 「くははは、そんなの有りかよぉ。やっぱり強いなぁ、お前!」

 「まあなぁ、さあそろそろ決着をつけようぜ!」


 俺はそう言いながら金獅子へ向かって飛び込んでいく。


 「くそぉ、こうなったらぁ!獅子吼拳破!!!」


 金獅子はアビスデーモンを仕留めた必殺技を放ってきた。


 ……焦ったな。


 そんな大振りの攻撃をいきなり撃たれても喰らいようがない。


 さっきのアビスデーモンの大振りの攻撃を回避してた時はわかってたろうがよ!


 「よし!これで終わりだぁ!」


 金獅子の必殺の拳をあっさりと回避しながら背後に回った俺は……


 金獅子の背中に向かって最大限に手加減をした〈ダークアロー〉を放つ。

 背中に着弾した〈ダークアロー〉は小規模の爆発を起こし、金獅子は派手に回転しながらぶっ飛んでいった。


 「あらら、強すぎたかぁ?」


 少し心配しながら金獅子の方へ駆け寄っていく。


 「おおい!大丈夫か?」


 声を掛けると、一応もぞもぞと動いているみたいなのでセーフかな。


 「うぐぐぐ、負けちまったかぁ……ていうか強すぎだろう」

 「あはは、まあ俺の勝ちだな。これで約束通り仲間に……」


 その瞬間、俺の四方に何かが飛び込んできた。

 ドォン!と大きな音がして土煙が舞う。


 ……まあ確認しなくてもわかるが、ラセツ達だった。


 案の定怒ってるみたいだなぁ。


 「主よ!これは一体どうしたことだ!?」

 「魔物達を片付けて駆けつけてみれば、こ奴は一体何者なのだ?」

 「きっちりと説明してもらいますからね。ちなみにこの魔物はさっさと処分しちゃいましょうか?」

 「……殺す……」


 あわわわわわ、やっぱり四人とも物凄く怒ってるみたいだ。


 駄目だ!せっかくの仲間候補が処分されてしまう!


 「待て待て!この魔物は敵じゃない!裏門を魔物から守ってくれてたんだ!」


 俺はラセツ達を制しながら説明をする。


 「ほう、だったら何故主はこいつと戦っていたんだ?」

 

 ラセツの奴め、きっちりと見てやがったのか。


 「いやまぁ、こいつと少し賭けをしてな」

 「賭けだと?」

 「ああ、俺が勝った場合、俺達の仲間になるという条件付きでな」

 「な、何だとぉ!?」


 俺の言葉に四人共に驚きの表情を見せる。


 「まあ落ち着けよ、こいつは金獅子、こう見えてもれっきとした魔物だ。そしてこいつは〈獣王の資質〉というスキルを持っている」

 「……王の資質スキル持ちだと!?こいつがか!?」

 「ああ、全くの偶然だが間違いない。それで俺達の仲間に引き入れるために戦ってたってわけさ」

 「……なるほどなぁ、いやしかし、うむぅ……」


 俺の説明に対して、完全に納得できないまでも、一応の理解を示してくれる四人の仲間達。


 突然の仲間候補の出現に戸惑いを隠せないでいるようだ。


 「まあ納得いかないかもしれないが、こいつの強さは俺が保証する。魂の共有(ソウル・シェアリング)を使用すれば多分、ラセツ達と比較しても遜色がないレベルにまで進化するはずだ、頼むから俺を信じてくれないか?」

 「主がそこまで言うならば我は構わぬ……皆もそれで良いか?」


 ラセツの問いに他の3人も頷く。

 よし、仲間達の同意は得ることが出来たな。


 それでは、いよいよ金獅子を仲間にする時がきた。


 いや、ちょっと待てよ、さすがにこの場で魂の共有(ソウル・シェアリング)を使用するのはまずいな。

 すぐ近くにエレールもいるしな。


 えーと、そうだ!


 「シオン?一度ダンジョンの玉座の間に戻ることって可能かい?」

 『はい、魔王様!全然余裕です!』


 さすが!優秀な俺の助手!


 よし、決まった!

 それじゃあ一度玉座の間に戻るとしよう。


 これで新たな仲間が加わる手筈は整った。


 ……そうすると、名前も考えなきゃなぁ。


 

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