第5話 ダンジョンでの異変
Cランクダンジョン【死者の森】
アランドラの町から二時間程度、移動した場所にあるダンジョンの一つであり、今回探索の依頼を受けた三つのダンジョンの内の一つでもある。
現在、俺達はこのダンジョン内で魔物と戦っていた。
「そっち行ったぞ、リンネ!」
「了解です! 〈聖輪波動〉」
リンネの新スキル〈聖輪波動〉によって、数体のゾンビが一瞬で塵となって消えた。
どうやら、このダンジョンはアンデット系の魔物が多く出現する様なので、リンネの〈聖輪波動〉が絶大な効力を発揮している。
「しかし、数が多いな……」
「はい、しかも一匹一匹が結構強いですね、普通にCランクの魔物も混ざってるんじゃないですか?」
「ああ……グライフの言う通り、全体的に魔物の強さが上がっているのは確かな様だ、これじゃあ普通の冒険者達にはつらいかもな」
このダンジョンの探索にて来て、大体半日くらいだろうか、もうかなり奥の方に来たが、ひたすら魔物に襲われ続けている。
〈大迷宮〉で強さを磨いた俺達には、何てことはないレベルではあるが、Cランク以下の冒険者ではなかなか厳しいレベルのダンジョンとなっている。
「まあ、もう少し進めばこのダンジョンのボスがいるはずだ、そこまで進めば何が起こっているかはわかるんじゃないか?」
「そうですね、とりあえず先に進みましょうか」
俺達は更に敵を倒しながら、ダンジョンの奥深くへ進んでいった。
少し開けたフロアに出ると、中央に巨大な骸骨の魔物が陣取っている。
全身に甲冑を着こみ、大盾と槍を持っている。
「……あれが、このダンジョンのボスか?」
「どうやら、その様ですね」
「ほう……なかなか骨がありそうだな」
ラセツが張り切っている。
ダンジョンの最深部と思われる場所にそいつはいた。
俺は【鑑定】を使用してみると――
名称 : スケルトンエンペラー
ランク : B
HP : 2010/2010
MP : 1030/1030
攻撃力 : 1990
防御力 : 1760
魔法力 : 870
素早さ : 1740
スキル : 槍術〈Lv7〉
瘴気
毒撃
「……ランクBだと?何故CランクダンジョンにランクBのボスがいるんだ?」
「やはり妙ですね……」
スケルトンエンペラーは槍を構えて今にもこっちに向かってきそうだ。
「全員、気を付けろ!ゴブリンキングよりステータスは低いが、俺たちと同じランクBの魔物だ、油断するなよ!」
「「「「おお!」」」」
全員が気合を込めた返事をしてくる。
「まずは我輩からゆくぞ! 〈神樹槍〉」
コダマがスキルを使用し、自分の攻撃力を上昇させる。
「シャアアアアアアアアアアアアア!!!!」
スケルトンエンペラーが槍をこちらに向けて突進してくる。
「どらっしゃぁ!」
コダマも負けじと突撃槍を突き出す。
ガキィン!と激しい金属音がして両者とも弾かれる。
その隙を逃さずオボロが飛び込んでいる。
「……〈幻影手裏剣〉……」
オボロがスキルを使用すると、影が巨大な手裏剣の形状へと変形し、そのまま投擲された。
「キシャァァア!」
スケルトンエンペラーは咄嗟に盾で手裏剣を防御するが、防ぎきれずに肩口に手裏剣がめり込んだ。
「よし、行くぞ!」
更に俺とラセツで追撃を仕掛ける。
「〈闘気解放〉〈鬼王剣〉!」
ラセツがスキルを使用し、大剣を振り回しながら突っ込んでいく。
「〈ダークスフィア〉」
すかさず俺は〈ダークスフィア〉を発動し、いつでも撃てる態勢を取る。
「おらあああ!」
〈幻影手裏剣〉を肩に受けて体勢を崩しているスケルトンエンペラーに向かってラセツが縦横無尽に〈鬼王剣〉を振るう。
強力な剣撃を何発も喰らい、スケルトンエンペラーはたまらず後退しようとする――
「ラセツ!どけええ!」
その隙を逃さず〈ダークスフィア〉を放つ。
背中を向けながら、なりふり構わず逃げようとしていたスケルトンエンペラーに直撃し、大爆発を起こした。
「ギエエエエエエエエエエ!!!!」
背後から〈ダークスフィア〉による大爆発の直撃を受けて、盛大に吹っ飛んだスケルトンエンペラーは、大ダメージを受けたようで、立つこともままならないようだ。
「よし、リンネ!」
「はい! 〈聖輪波動〉!」
リンネが〈聖輪波動〉を放つ。
聖なる波動が虫の息のスケルトンエンペラーに届き、浄化していく。
完全に浄化されたスケルトンエンペラーは、槍と盾を残して完全に消滅してしまった。
ダンジョン【死者の森】のボスの討伐に成功した瞬間だった。
「ふう……同じBランクと言えども、それほど苦戦せずに倒せたな」
「ゴブリンキングが異常に強かったのと、我らも同様に強くなっておるからな、当然の結果だな」
同じBランクとはいえ、ゴブリンキングと比較すると、一枚も二枚もステータス的にも劣る強さだった。
俺たちも、全員Bランクとなり、ステータス的にも、スキル的にも強くなっている。
そんじょそこらのBランクでは、それほど苦戦せずに倒せるのも納得である。
「魔王殿、この槍と盾はどうするのだ?」
「……ああ、そうだな、せっかくだし首飾りに格納して持ち帰るか、何か使い道があるかもしれない」
そう言いながら、スケルトンエンペラーがドロップした槍と盾を〈封印の首飾り〉に格納する。
シオンが中でブーブー言ってるが、無視する。
「さて、そろそろ帰るか……」
帰路に着こうと、入り口の方へ振り返った瞬間――
『魔王様!何か変なエネルギーを感じます!気を付けてください!』
シオンが大声で注意を促したと同時に、目の前の空間が歪み始めた。
「な、何だ!?」
空間の歪みはいつしか、黒い光を放ちだし、魔法陣へと姿を変えた。
「……こ、これは、転送用魔法陣か!」
放出している光の色こそ違うが、シオンが〈大迷宮〉で使用していた魔法陣そっくりだ。
「な、何か出てくる!気を付けろぉ!」
俺たちがそれぞれ構えを取るなか、魔法陣の中から何かが飛び出してきた……
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