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第4話 ダンジョン探索大満喫

「ああ楽しかった。久々に生きてるって実感したわ」 


 俺は新たにシオンが起動した転送用魔法陣(ワープポイント)で転送され、玉座の間へ戻ってきた。

 ノリノリで地下1階を探索し、満足気に玉座に座り込む。目の前にパタパタとシオンが舞い降りてきた。


 「お疲れさまでした、初めてのダンジョン探索はいかがでしたか?」

 「思ったより順調に探索できたし満足してるかな、この調子でもう少し下の階層まで行ってみようかな、例えばいきなり地下30階辺りとかに」

 「地下30階ですかー、そこには蜘蛛型の魔物の巣がありますね」


 ……蜘蛛型の魔物か、ちょっとしんどいかな。あいつらはとにかく数が多く、一度敵認定されてしまえば際限なく群れで襲い掛かってくる習性を持っている。今の俺ではさすがに骨が折れそうだ。


 「えーと、やっぱり地下30階はまだやめとこうかな、リアルに蜘蛛の大軍団に囲まれたらトラウマになってしまいそうだ……」

 「ですよねー、私も蜘蛛は嫌いですし、魔王様はまだてんで頼りになりませんからね」

 「ねえ、もうちょっとオブラートに包もうか」


 現時点では、蜘蛛の大軍団の様な厄介な魔物は避けることにした。


 「まだ力試しをお考えなら地下5階辺りが良いのでは?色んな種類のモンスターがうろついてますし」


 それくらいが今の俺にはまだ丁度良いかな、少しずつレベルを上げ、戦闘になれてきたらどんどん先へ進めば良い。

 という訳で、次回の探索先はシオンの提案に乗ることにした。



 「それじゃあシオン、次は地下5階へ転送してくれるか?」

 「はい!それでは転送用魔法陣(ワープポイント)起動です!」


 俺は再び青白い光を放つ魔法陣の中央に立ち、転送されて行った。


 5階に転送された俺は辺りを見回す。5階は1階と同じく洞窟内の通路の様な場所に転送されたが、心なしか壁の色が1階とは違うかな?


 とりあえず、先へ進んでみようかな。



 ……約30分後、結論から言うと俺は再びものすごく楽しんでしまった。


 蛇型のモンスターや大きな芋虫、ウサギやスライム等、EランクやFランクの魔物ばかりではあるが、とにかく狩りまくった。

 

 「いや、狩り過ぎたか?」


 気のせいか、エンカウント率が悪くなってきた気がする。


 「一度に狩りすぎちゃいましたね、魔物は瘴気から自然に生まれてくるので、倒し過ぎると激減しちゃいます、そうなったらまた自然にモンスターが生まれるのを待つしかないんですよ」


 なるほど、そうなのか。楽しすぎて調子に乗ってしまったな。でも魔物相手に無双している時の高揚感は癖になる物がある。


 そういえば、今回の狩りでレベルはどうなったかな?一度ステータスを確認してみるか、


 

 名称:ヤクモ スメラギ

 クラス : 見習い魔王 

 ランク : C

 Lv  : 4

 HP  : 480/480

 MP  : 432/432

 攻撃力 : 358

 防御力 : 324

 魔法力 : 522

 素早さ : 371

 スキル :魂の共有(ソウルシェアリング)

      鑑定

      闇魔法〈Lv1〉 

   

 

 よし、地下5階の魔物をほぼ全滅させるレベルで狩りまくっただけあってレベルが2も上がっているが、この先はどうしようか。この階の魔物はしばらく湧いてこないらしいのでいるだけ無駄だろう。

 丁度、目の前に下の階に下りる階段がある。特に疲労感も感じない、このまま行ける所まで突き進んでしまうのも一つの手だが……


 「とりあえず行ける所まで行ってしまおうかと思っているが、どう思う?」

 「良いと思います。この辺りではまだ魔王様に叶う魔物は出てきませんので、訓練も兼ねて先に進み続けるのも有りですね」


 シオンの同意も得られたのでこのまま地下6階へ進むことにする。


 「時に魔王様?」

 「ん?何だ?」

 「肩に乗せて頂いても良いでしょうか?」

 「え?乗るの?……肩に?」

 「はい、私も探索に出てからずっと飛びっ放しでして……ちょっと休憩したいなーって」

 

 そういえば探索中はシオンはずっと後ろに付いてきている。その間はパタパタと羽ばたき続けているのでさすがに疲れたのだろう。


 「まあ良いけど、さすがに肩に蝙蝠を乗せた事が無いから乗り心地とかは知らないからな」

 「もう、魔王様ったら素直じゃないんだから、こんな可愛い蝙蝠と触れ合えるんだからもっと喜べば良いの……うわっとぉ!?」

 

 俺は反射的にシオンの体を鷲掴みにしていた。


 「良いから早く肩に乗れよ!」

 「いだだだだだだ!魔王様!力を入れ過ぎて……体が潰れるー!!!」


 ピーピー叫ぶシオンを無理やり右肩に乗せた。もっと早くに黙って乗れば良いのに。


 「よし!いざ地下6階へ!行くぞシオン!」

 「ぜぇーっ、ぜぇーっ……はい……魔王様……私死ぬかと思いました」


 息も絶え絶えなシオンを肩に乗せ、地下6階へ通じる階段を下りて行った。


 その後の探索も順調の一言、地下6階より下の階でもまだ俺に叶うレベルの魔物はいないらしく、ほぼ一撃で魔物を倒しながら地下7階、8階、9階と快進撃を続けた。


 「次は地下10階だが、俺の記憶が確かならばそこにいる魔物は……」

 「はい、地下10階にはフロアボスが出現しますね」


 やはり『NHО』と同様か、ゲーム内の〈大迷宮〉では10階毎にフロアボスが配置されていた。

 この異世界も例外では無いということか。


 「シオンは、地下10階のボスがどんな魔物か知っているのか?」

 「はい、知ってますよ。教えた方が良いですか?」


 「……いや教えないで良い、自分で確かめたいな……」


 せっかくの初探索、ネタバレに頼らないで自力でクリアを目指す……それがゲーマー魂ってもんだ、まあ今の俺はゲーマーでは無く、魔王だが。


 (……とにかく、突入してみよう、細かい事はそれからだ)


 俺は地下10階への階段を下りて行った。

作品をご覧頂きありがとうございます。


現在、第一部終了まで書き溜めてあるので、しばらくは毎日更新を続けさせて頂きます。

評価を付けて頂けると本当に嬉しいです。

ブックマークも心の底から喜びますので、どうぞよろしくお願いします!

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