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第22話 4人パーティーでの実戦

ブクマ10件ありがとうございます。

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 あれから俺達はシオンの魔法陣で地下29階へ転移して来た。

 地下30階のフロアボスの大鬼蜘蛛戦と新たな仲間探しに挑戦する事は決まったが、その前にコダマも含めたレベル上げを行う事になったのだ。

 進化したばかりのコダマは、当然ながらレベル1のままなので、そのままフロアボス戦に挑むのはさすがに無理があるので、その1フロア前の地下29階へ来たという訳だ。


 「4人パーティーになっての初めての実戦だ、一応それぞれの役割も頭に入れて立ち回ってくれると有難いな」


 今回はコダマが加入して初めての実戦となる、是非それぞれの役割を意識した戦い方を実践して行きたいと考えていた。


 他のフロアよりも少しじめじめした感じの石造りの通路を進んでいくと、少し開けた空間に出た。

 そこには様々な魔物が徘徊しているのが見える。

 剣と盾を持ったスケルトンや、鰐の様な魔物が確認出来た。

 ゴブリンの群れに占領された地下41階以降は例外として、少しずつ出現する魔物達も強くなって来ている様に思える。


 「よし、それじゃあ敵の攻撃は出来る限りコダマが受けてくれ、ラセツと俺はその隙に攻撃、リンネは後方で待機、回復のタイミングを計っておいてくれ」


 それぞれが頷き、戦闘が始まる。

 まずスケルトンの剣士達がこちらに気付き、カタカタと音を立てながらこっちに向かってきた。

 その瞬間コダマが先頭に立ち、盾を構えながらスキルを発動させた。


 「樹霊障壁!」


 ……いきなり必殺スキル発動か、コダマも実戦デビューで張り切っている様だ。

 樹霊障壁はコダマを中心に強力な防護壁を張る事が出来る大技だ。

 コダマの周囲に高密度の障壁が形成されていくのがわかる。


 スケルトンの剣士達はいきなり出現した障壁に驚きながらも斬り掛かるが、全く歯が立たない様だ。

 そうこうしている内に、他の魔物達がこちらに気付いて集まって来た様だ。

 しかし、同じく樹霊障壁には手も足も出ない様で、コダマの眼前の障壁の前に魔物が密集しているという状態となってしまった。


 ……となると魔物達を一掃してしまえるチャンスだ、俺とラセツは剣を抜き、コダマを追い抜きながら魔物達に攻撃を開始する。


 「これはやり放題だなぁ!」

 「おおお!」


 俺とラセツの同時攻撃にスケルトンの剣士を始め、魔物達が大混乱に陥っている。

 こうなったらもう簡単だ、次々と斬撃が浴びせられる度に魔物達が粒子となって消えていき、戦闘開始からほとんど時間も経たない内に、あれだけいた魔物が片手で数えられる程度に減っていた。


 「やっぱり、パーティーで連携を組むと違うな……」


 想像以上の戦果に思わず本音が漏れてしまった。

 今の戦闘は〈タンク〉が敵の攻撃を一手に引き受け、その間に攻撃するという理想通りの戦い方が出来たと思う。


 


 「この調子でどんどん行こう、コダマもチャンスがあれば、敵を攻撃して行っても大丈夫だ、色んなケースを想定して戦って行こうか」


 基本的な戦い方の他にも起こり得る可能性があるイレギュラーも想定した上で様々な戦い方を経験して行ければ、それがパーティーの糧となる。

 『NHО』時代に培った知識と実戦を経て蓄積された経験を基に臨機応変に動ける様なパーティーを作り上げてしまいたい。

 今はそのための試金石とすべきだろう。


 パーティーをより強力に育てるために、俺達は引き続き、魔物達を狩りを続けて行く。


 あっという間に地下29階の魔物をほとんど全滅させてしまった。

 コダマが攻撃を引き受け、その間に俺とラセツが敵を攻撃、少しでもダメージを受けたらリンネが回復と効率的な立ち回りを続けた結果、驚くほどスムーズにレベル上げが進んで行った。

 体感的に恐らく30分程度しか掛かっていないと思う。


 「よし、レベル上げはとりあえずこの位にしておこうか」


 魔物退治が一段落したので、一度コダマのステータスを確認する。


 名称:コダマ

 クラス:アーマード・トレント

 ランク:C

 Lv:15

 HP  : 804/804

 攻撃力 : 330

 防御力 : 720

 魔法力 : 358

 素早さ : 337

 スキル : 盾王の矜持

       樹霊障壁

       守護魔法〈Lv3〉


 レベルは一気に15まで上がっていた。

 HPと防御力が特に際立っているが、他のステータスも含め順調に伸びている。

 これなら、地下30階へ降りても問題無い様に思える。


 「よし、そろそろ地下30階へ移動しようと思うが、皆は大丈夫か?」

 「問題無い!」

 「大丈夫です!」

 「我輩も大丈夫だ!」


 パーティーメンバーの三人は快く返事してくれた。

 問題は、さっきから一言も話さない、ガイド役のシオンだった。


 「……シオンは大丈夫か?」

 「…………大丈夫では……ないですよ」


 うわ、相変わらず全然元気が無い、一度は納得してくれたが、嫌ものは嫌らしく、テンションが底を付いている。


 「そろそろ、何とか気を引き締めてくれないと、ある意味シオンに掛かってるんだからな」


 俺達がフロアボスの大鬼蜘蛛と戦っている間にシオンには、王の資質スキル持ちの魔物を見つけ出してもらわなければならない。


 「はい……何とか、頑張りますので……」


 あかん、心配しかない。


 不安一杯のシオンを連れて俺達は地下30階へ降りていくのだった。


 

作品をご覧頂きありがとうございます。


現在、第一部終了まで書き溜めてあるので、しばらくは毎日更新を続けさせて頂きます。

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