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第20話 大樹の盾王

今回、3人目の仲間が加入します。

この調子でどんどん、強力なパーティーを描いていきたいと思います。


ブクマ&評価ありがとうございます!

 あれから、俺達はハード・トレントを連れて玉座の間に戻って来た。

 新たな仲間を増やすために魂の共有(ソウル・シェアリング)を使用するためだ。


 「もう一度確認するが、本当に俺達の仲間になってくれるんだな?」

 「ハイ、決心ハ付イテマスノデ、大丈夫デス」


 最後の確認も取れたので、遠慮なく魂の共有(ソウル・シェアリング)を使用する事にする。


 「行くぞ――魂の共有(ソウル・シェアリング)!」

 

 『名称 ハード・トレントに対して魂の共有(ソウル・シェアリング)が使用されました。魂の共有(ソウル・シェアリング)対象の眷属化を実行しますか?』

 「……ああ、実行してくれ」


 そう答えた瞬間、俺とハード・トレントの体が輝き出した。

 ハード・トレントに対する眷属化と進化が開始された様だ。

 ハード・トレントの形が少しずつ変化している様に見えるが、相変わらず光が眩しすぎて朧気にしか見えない。


 もう三度目ともなると、俺も段々慣れてきた、大体五分程時間があるんだからその間に名前を考えようかな……どうせこの後聞かれるんだし……

 ハード・トレントの進化後の名前を考えながら魂の共有(ソウル・シェアリング)の終了を待つ事にした――





 ……暫く名前を考えながら待っていると、終了のアナウンスが聞こえてきた。


 『ハード・トレントの眷属化及び進化を確認、新たな名称を設定して下さい』



 よし、この待ち時間を活かして考えた名前を発表するか。

 樹木の魔物という事で格好良い名前を思い付く事が出来た。



 「……お前の名前は〈コダマ〉だ」


 『命名〈コダマ〉を確認、設定します……眷属化及び進化を終了します』



 命名を終えると眩かった光も収まり、進化後の姿が露わになった。

 そこには、見違える程に進化を遂げたコダマの姿があった。


 まず、見た目はより人型に近くなり、樹木の形が鎧の様に変化している。顔も以前は木で出来た魔物という感じだったが、今は兜と一体化した仮面で顔はすっぽりと覆われており、表情は見えなくなっている。

 左手には大きな盾を持っており、右手には突撃槍(ランス)を持っている。

 トレントというよりは、騎士の様な見た目に進化した様だ。


 「大丈夫か?俺がわかるか?」

 「……ああ、わかるぞ魔王殿!我輩はコダマ!我が命を賭して魔王殿の命を守る盾となろうぞ!」


 ……何かすごくキャラが変わってるぞ、見た目だけでは無く言動まで騎士っぽく変化している。


 気になるのはステータスだ、早速〈鑑定〉を使用してみる。


 名称:コダマ

 クラス : アーマード・トレント

 ランク : C

 Lv  : 1

 HP  : 502/502

 MP  : 344/344

 攻撃力 : 180

 防御力 : 335

 魔法力 : 170

 素早さ : 133

 スキル : 盾王の矜持

       樹霊障壁

       守護魔法〈Lv3〉


  盾王の矜持:魔王の盾となり、全ての者を守る事に誇りを持つ者に発現するスキル。盾での防御時、受けるダメージを大幅に減少させる。


 樹霊障壁:大樹と魔王の力を融合させ強力な防御壁を出現させる、魔王に仇名す者の攻撃を自らの身を持って防ぎきる。



 ……正に〈タンク〉として理想的な進化を遂げている。

 HPと防御力が高く、スキルも防御寄りの物ばかりだ。


 「完璧だ……どこからどう見ても完璧な〈タンク〉の誕生だ」

 

 俺は感動を覚えながら、自らのステータスも確認する。


 名称:ヤクモ スメラギ

 クラス : 見習い魔王 

 ランク : C

 Lv  : 31

 HP  : 1870/1870

 MP  : 1401/1401

 攻撃力 : 1334

 防御力 : 1327

 魔法力 : 1587

 素早さ : 1275

 スキル : 魂の共有(ソウル・シェアリング)

       鑑定

       闇魔法〈Lv5〉 

       魔王剣

       聖魔合一

       魔王の盾




 魔王の盾:盾王と魔王の魂が共有された時に解放されるスキル、全ての攻撃を防ぐ巨大な盾を出現させる事が出来る。



 予想通り、体力と防御力が上昇し、防御に特化した〈魔王の盾〉という強力なスキルも獲得出来た。

 これで俺の戦い方にもより汎用性が増すだろう。

 

 これで〈アタッカー〉のラセツ、〈ヒーラー〉のリンネ、〈タンク〉のコダマと攻撃、回復、防御のスペシャリストを仲間にする事が出来、俺の〈バランサー〉としての能力もかなり伸びてきた。

 この調子でレベルを上げればゴブリンキングと言えどもそう簡単には負けないはずだ。




 ……いやそう楽観視しても良いのだろうか?一瞬浮かれかけた自分の気持ちを一旦落ち着ける。

 以前遭遇したゴブリンキングのステータスは正直、恐怖を覚える程高かった。

 今のパーティーを十分に成長させて再戦を挑めば、かなり良い戦いは出来るだろう。

 だが、確実では無い、万が一にも負ける訳には行かない戦闘で、そんな博打を打つ訳には行かないのだ、打てる手段がある内は全て打つべきなのは間違い無いのだ。



 俺に残された打つ事が出来る手段といえば、魂の共有(ソウル・シェアリング)の残り一枠があるが……


 

 一見、完成されたかに見える今のパーティーの布陣から、より強く、更に確実な勝利に近付けるにはどうしたら良いのか?

 俺は『NHО』時代の知識をフルに活かして考えた。



 ……〈デバッファー〉だな。



 暫く考えた後、俺は一つの結論を出した。 

 攻撃や防御では無く、相手に弱体化……つまりデバフを与える事が出来る仲間を探す事が出来れば……

 毒や麻痺等を得意とするクラス……『NHО』で言う所の忍者や盗賊等がそれに該当する。

 遠距離から攻撃できる魔導士やアーチャー等の遠距離〈アタッカー〉も検討したが、より勝率を上げるならば優先すべきはこっちだ。


 俺の中で、一先ず方針は固まった。

 後は仲間と相談してみるか。

 俺は新たな仲間と共に、次の行動指針を決定するために食堂の方へ向かった。


 



◆◆◆◆


 こうして、俺たちは三人目の仲間と出会った。



 

 その者は、自らの命を賭して仲間を守る誇り高き騎士である。

 世界を支える神樹の様に魔王達を支え、勝利に導く。

 後に魔王の守護騎士として世界中に恐れられる事になる……



 その名は 『大樹の盾王(じゅんおう) コダマ』

     

作品をご覧頂きありがとうございます。


現在、第一部終了まで書き溜めてあるので、しばらくは毎日更新を続けさせて頂きます。

評価を付けて頂けると本当に嬉しいです。

ブックマークも心の底から喜びますので、どうぞよろしくお願いします!

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