ミイラの未来
博士はもともと新型冷凍睡眠装置には反対だったのだが、ミイラ取りがミイラになったのだ。
とある西洋の洋館の地下室
おはよう
博士の声で私は眠りからさめた。
私は生きている。成功だ。
博士も歳をとったものだ。いったい今は西暦何年なのだ。何年眠っていたのだろうか。
私は包帯でぐるぐる巻きにされ冷凍睡眠装置で保存されたのだ。ミイラ男として私の命は長らえた。
他にも何体か棺型の冷凍睡眠装置が並んでいる。電極であろうか管がたくさん私から機械へのびている。
隣には包帯でぐるぐる巻かれたミイラ女が棺桶に眠っている。その隣の棺には犬歯が異常に伸びた黒マントの姿。吸血鬼一族であろうか伯爵と少年少女が眠っている。
おやすみ
博士の声で私は再び眠りについた。
私のミライを待ちわびて。
博士は自分が死んだ際、装置が自動的に解凍され棺からめざめられるようにシステムのプログラムを、未来のためにセットした。